ブラインドサッカーを初めて観戦してきました

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ブラインドサッカー初観戦

記事にするのにちょっと時間がかかってしまいましたが。

12月4日、先日初めて「ブラインドサッカー」を観戦する機会を頂きました。

ブラインドサッカー西日本リーグ2016第3節の試合に行ってきました。

福岡県は発足当初からアビスパ福岡が支援する「ラッキーストライカーズ福岡」が勝てば西日本リーグ優勝という試合。

結果は、Mix sense 名古屋に2-0で勝利。

見事全勝優勝という結果でした。おめでとうございます!

ということで、今回は「初めて見たブラインドサッカー」にて感じたことをご紹介したいと思います。

ブラインドサッカーとは?

ブラインドサッカーはパラリンピックの正式種目になっています。

そのため、詳しくない方でもその名前は聞いたことがあるかもしれません。

日本には「JBFA」という団体があります。

ブラインドサッカーのルールなどはこちらを見て頂くと判りやすいと思います。

基本的には「フットサル」のルールがベースに考えられているそうです。ボールサイズも一緒なんですね。

動画なども紹介されているので、「ブラインドサッカーってどうやるの?」と言う方は見て頂けると判りやすいはず。

健常者と視覚障がい者が共同で作り上げるスポーツ

この日の試合は福岡県の「ペナスタ博多」。

朝から雨が降り、コンディション不良が予想されたのですが、試合前に何とか雨も上がりました。

会場で実際のプレーをみてすぐに感じたのは、ブラインドサッカーとは「健常者」と「視覚障がい者」が一緒にプレーするものだということ。

障がい者スポーツに詳しくないのですが、「プレーにここまで健常者が介入するんだ」というのが正直な印象でした。

実際、テレビでブラインドサッカーが紹介されたときにで「GK は目の見えるプレーヤーが入る」というのを知っていました。

ただ、それ以外は

しかし、会場で見て初めて気がついたのは、視覚障がいのある人だけが、プレーするのではなく健常者も同じくらい一緒にプレーするスポーツだということを知りました。

GK は目の見える人(晴眼者、弱視者)が務めるますが、その他に相手ゴール裏に自チームの「ガイド(コーラー)」と呼ばれる人が立ちます。

この役割目の見える方が勤めます。

【ブラインドサッカーのルール】
ブラインドサッカーのルール

ガイドの役割は、ゴールに向かって攻めるプレーヤーに対して、シュートのタイミングや味方の位置、ボールの状況、ゴールの位置等を伝えます。

プレーヤーはその指示を受けてパスしたり、シュートしたりドリブルするといったプレーを選択します。

ラッキーストライカーズ福岡のガイドの方は非常に細かな指示を出していました。

味方の FW がどこにいるのか。

転がっているボールをどう受けたら良いのか。

今、選手がどのあたりにポジショニングしているかなど。

実際、他チームと比較してもこのガイドがどれだけ選手とコミュニケーションできるかが勝敗に直結するのだと感じました。

また、GKも守備に関して積極的に指示を出します。

コーナキックやセットプレーの時には味方の選手の腕を取って取るべきポジションへ誘導していきます。

上の写真は見えにくいですが、セットプレー時に GK が誘導して壁を作っています。

それらの指示を受けながらフィールドプレーヤーがいかにプレーすべきかを選択して行きます。

これは勝手な思い込みだったんですが。

障害者スポーツにおいて「健常者の介入」というのは、あまりないものだと思っていました。

むしろ、プレーにおいて介入することは極力避けられているのではないかと。

しかし、そんなことは全くなく。

むしろ、ブラインドサッカーは「健常者と目の見えない人が一緒にできるスポーツ」である。

ということを知りました。

音情報が重要

声を出すのはガイドだけではありません。

選手も、常に声を出しています。

特徴的なのは「ボイ!」という掛け声。

選手はボールを持っている選手に近づくとき「ボイ!ボイ!」と、声を出しながら向かって行きます。

これは、危険な衝突を回避するためのルールです。これを怠ると「ノースピーキング」というファールをとられることとなります。

これは、「Voy」というスペイン語で「行く」という意味があるそうです。

また、選手間の位置確認でも声をかけあいます。

私が見ている限り、お互いの名前やニックネームを呼びあっていました。

これでどの方向に誰がいるのかを把握したり、お互いの距離感をつかんでいるようでした。

また、ボールには鈴のような転がると音がするボールが使われています。サイズはフットサル用のボールと一緒。

鈴が鳴っているような音なのですが、鈴に比べるとだいぶ音が低いです。

以上のように選手たちは常に「音」を頼りにプレーしています。

音だけでボールの位置を把握し、ガイドやチームメイトの声から自分の位置と味方との距離を把握し、「ボイ!」の掛け声で相手との距離をつかむ。

プレーのほぼ全てを音で判断するので、観客は「音」を出すことを禁止されています。

ちなみにこの日の会場「ペナスタ博多」は福岡空港の近く。時折飛行機が飛び立つ音が響き渡ります。

試合の進行に支障をきたすと主審が判断すると、試合を中断していました。

どれだけ精度の高いイメージを構築できるのか

状況を判断するのに必要なのは、「音」です。

しかし、音情報を受け取ったからといってプレーできるわけではないことは、見ている側からも想像できました。

ボールから鈴の音が聞こえると言っても、ボールのある場所を「目で見て」確認できるわけじゃありません。

足元でボールを受けたとしても、トラップしたボールがどこへ行くのか。

もちろん、ボールが足元にあれば、相手が奪いに来ます。

「ボイ!」と、声をかけているとはいえ、ボールを奪いに伸ばしてくる足はどこから出てくるのか判りません。

足元のボールをドリブルで運ぶのか。パスを選択するのか。そのとき仲間はどこにいるのか、ゴールはどっちなのか。

その他の敵はどこにいるのか。

そもそも自分は今ピッチのどこにいるのか。

これを音情報だけを頼りに判断していてはおそらくままならないと思います。

事前に味方の声、相手の声、ガイドの声、ボールの音。

すべてを把握した上で、構築したイマジネーションを頼りにプレーしなくては「素早い」プレーに繋がらないと感じました。

実際、上手いプレーヤーは「本当は見えてるんじゃないの?」と感じるくらいスムーズにドリブルし、相手をかわし、ゴールへまっすぐ向かっていきます。

これは、プレーする人が頭に描いているイメージと実際の状況が高いレベルで一致しているんだろうなと感じました。

想像以上にコンタクトプレーが多い

実際会場で見て想像以上だったのが「コンタクトプレー」が多いこと。

通常のサッカーでも相手と競り合いになったときは激しいコンタクトが起きます。

フットサルではコンタクトプレーはないのですが、ブラインドサッカーではコンタクトプレーがあります。

相手が見えない以上、体がぶつかったときはある意味「チャンス」です。

確実にそこにボールがあるわけですから。

ブラインドサッカーでは「パスカット」を狙うのは通常のフットサルより難しいように感じました。

相手がボールを受けたところに詰めて奪う(つまりボディコンタクトする)方が確実に相手の攻撃を止められるし、ボールを奪えるように思いました。

選手も相手選手とコンタクすると、相手を押しのけてボールを奪おうとしますし、相手もそれに負けじと抵抗します。

この時の迫力は通常のサッカーとも変わらない激しさがあります。

壁の活用

ブラインドサッカーのフィールドサイドには「壁」が設置してあります。

よって、ボールがタッチラインを割るということはありません。

選手たちもこの「壁」を利用してプレーをします。

GK が前線にボールを送るときは壁伝いにパスを出し、選手も壁伝いにポジショニングして確実にボールを足元へ入れる。

といったような使い方をします。

サイドで相手から押し込まれると、そのまま壁と相手に挟まれてプレスされてしまう状況になります。

ルーズボールを追いかけて激突することもあります。

この壁があるために「コンタクトプレー」に激しさが加わっている印象もあります。

初めて見た時は「え?大丈夫?」と思うくらい激しくぶつかります。

しかし、慣れている選手ほどこの壁にうまく「ぶつかっている」というか、体を預けてプレーしているように見えました。

敢えて、壁に体をぶつけてポジショニングしている感じでした。

とはいえ、目が見えない以上、通常サッカーのプレー以上に「不意の激突」が予想されそうなのですが…。

その上壁があるというのは選手にとって、恐怖でもあると思います。

実際、参加している選手の中にはプレー経験の浅いとおぼしき方もいらっしゃいました。

そういった選手ほど壁を頼りにプレーしていたように見えました。

慣れた選手ほど壁を気にしないし、下手に壁にぶつかることもない。

勝手な想像ですが、壁際で観戦している人の気配や小さな話し声で距離感を取ってるようにも思えました。

ブラインドサッカーの個人的に好きなシーン

先ほど、観客が声を出すことは「禁止」と書きました。

しかし、ゴールの瞬間は別です。

周囲から歓声が上がったとき、選手は自分のシュートの結果を知ります。

シュートした選手が、周囲の反応を待つ一瞬。

野球でいえば、外角低めここしかないコースにストレートが決まったときの審判のコールを待つ一瞬。

サッカーでいえば、糸を引くようなパスが通った一瞬。ゴール隅に吸い込まれるような軌道を描くシュート。

バスケットでいえば、高く放たれたボールがリングを通ることを約束されたように落ちて行く瞬間でしょうか。

スポーツには必ず時が止まるような息を飲む一瞬があると思います。

個人的には、この瞬間がスポーツ観戦の醍醐味なんじゃないかなと思っています。

ブライドサッカーにおけるその瞬間が、この「歓声を待つ」一瞬じゃないかと感じました。

見ている側とは一瞬遅れてやってくる歓喜。

私は、ブラインドサッカーならではの良いシーンだなと思いました。

イメージのスポーツ「ブラインドサッカー」

ブラインドサッカーは非常に「頭」を使うスポーツだと感じました。

選手がいかにイマジネーションを構築し、そのとおりプレーできるかどうかがブラインドサッカーの肝だと思います。

そのイメージを一緒に想像するのがブラインドサッカーの面白いところなのかなと感じました。

視界ゼロの状況で選手が何を見通しているのか。

そんなことを考えていると、ついつい見ている側も目を閉じて想像したくなる。そんな魅力がブラインドサッカーにはありました。

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