4月末ということでアビスパ福岡の定時株主総会があると思うので決算書を見ながらアビスパ福岡のこの先を案じてみる

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地方のスポーツクラブ経営というのにちょっと興味がありまして

スポーツクラブを経営したい。というほど大きな野心はありませんが、スポーツクラブの経営というものに興味があります。

以前から気にはしていたのですが、なかなか勉強したり調べる時間もなかったのですが、最近ちょっと時間があったので、以前から気になっていたものを調べてみました。せっかくなので記事にしておこうと思います。

アビスパ福岡の決算報告書を見てみる

今回見てみたのが、こちらです。
一応、決算の情報はクラブのサイトを見れば公開されています。去年のものですが、アビスパ福岡のサイトで公開されています。

https://www.avispa.co.jp/news/post-17345

大なり、小なり他のJクラブチームでもこういった情報の公開は行われていますが…。アビスパ福岡の場合もう少し細かい情報を見ることができます。

それが、こちら。

http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/62131/1/300620avispa.pdf?20180904102744

こちらも昨年のものになります。
こちらは「福岡市」が公開しているものです。なぜ福岡市が公開するかというと。アビスパ福岡には福岡市が資本を入れているからです(多分)。
市民の血税を投下しているわけですから、アビスパ福岡から上がってきた報告はちゃんと市民の皆様にも報告するということでしょうか(もちろん全部じゃないかもしれませんが)。

今回はこの資料を読み解きながらちょっとアビスパ福岡の今を見てみたいと思います。

まずは平成29年の決算書を見てみる

少し前の話になりますが、まずは平成29年度の報告書を見てみます。
こちらも福岡市が公開しております。

時期は平成29年に入ったばかりの1月31日時点のものとなります。J1から降格した1年目ですね。J2の4位でシーズンを終えた年が始まろうとしている時期です。なので、この報告書に記されているのは、J1在籍時の活動がメインです。

以下、公開されているなかから、「損益計算書」と「貸借対照表」をピックアップしております。

私もこうした表を見る専門家ではありませんが、一応個人事業主としてかれこれ生きながらえている身でもありますので、なんとなくわからなくもない。という範疇で私自身も勉強しつつ、見ていきたいと思います。

一応、「損益計算書」を見る限りこの年の営業活動において、利益は出た形になっています。

アビスパ福岡って黒字経営なの!?と一瞬思ってしまいますが、実情はそう簡単な話ではないようです。

ここから、貸借対照表を見ながらお話したいと思います。

まず、最初に貸借対照表を見て、ううーん。となったのが「利益余剰金」の項目。

利益余剰金とは、 企業が生み出した利益を積み立てたお金 。です。
およそ、マイナス2億7千万円。積み立てられてないどころか、億超えのマイナスです。

アビスパ福岡株式会社を普通の会社としてみるのは無理がありますが、普通ならアウトです。そんな会社がなぜ生きてられるかというと、資本注入してくれる方々がいるからです。それはもうアビスパファンなら誰もが知っていることです。

とはいえ、これがアビスパ福岡株式会社の実情です。

自己資本比率 を見てみる

繰り返して言いますが、アビスパ福岡は普通の企業ではありません。なので、普通の企業の指標で見ることに意味があるかわかりません。

ただ、今回は勉強の意味を込めて普通の企業の基準で見ていこうと思います。

上記の貸借対照表から何がわかるのか。

いくつか、企業をみる指標に照らし合わせつつ見ていきたいと思います。

まず最初に自己資本比率を見てみます。
自己資本比率が高ければ、安定した経営ができる指標と言われています。しかし、自己資本比率が低い場合は他資本の影響を受けやすく、企業としては不安定な経営になる可能性があるというわけです。まあ、これは見るまでもないのかもしれませんが・・・。

一般的な指標では40%以上なら安定した企業。50%以上なら超優良企業と見ることができるそうです。

ちなみにこのときのアビスパ福岡の自己資本比率は

自己資本比率(%)= 自己資本(純資産) ÷ 総資産(資産の総合計) × 100

で求められます。

上の表で行くと・・・。(単位は千円)

151,710 ÷ 732,257 ✕ 100 = 約20%

となります。うん、まあ、これだけ様々な支援を受けていますし、こういうものなのかな…。

流動比率を見てみる

流動比率とは、貸借対照表の上にある「流動資産」と「流動負債」の関係性を表した数値です。流動負債とは短期的に支払い義務がある負債です(だいたい1年くらい)。それに対して流動資産とは短期間に現金化できる資産です。この比率をみることで、その企業の支払能力がわかったりする数値。ということです。

大体の一般的な目安は、 130%~150%以上が 目安だそうです。

流動比率(%)= 流動資産 ÷ 流動負債 × 100

です。上の貸借対照表からみてみると・・・。 (単位は千円)

394,140 ÷ 490,638 ✕ 100 = およそ80%。

100%を切ってしまいます。これは、「手元にある現金<返さないとダメな負債」。ということです。

普通に考えて、支払能力がありません。普通の企業ならこれもアウトです。
手元にある現金より、返さないとならない負債が多い状態です。

改めてですが、これはJ1にいたときの状態です。

損益計算書を見ると、この年の経常利益はプラスです。一応営業活動の上では利益になるわけですが、内部にある負債が手元にある現金より多いのがアビスパ福岡なわけです。

企業としていいか悪いかというと、まあ良くはない。悪い状態です。

当座比率は言わずもがな

流動比率の項目に「商品」という項目があります。一般の企業であればこれは在庫だったりします。アビスパ福岡における在庫とは何が該当するかわかりませんが、可能性としてあるのはグッズです。
短期的に現金化できるといっても、グッズなどが今すぐ売れるとは限りませんが、流動比率には商品も入れて計算されています。
なので、もう少し厳しく支払い能力を見る当座比率という指標があるそうですが…。

当座比率(%)= 当座資産 ÷ 流動負債 × 100

当座資産とは、現金預金と売掛金(今後手に入るだろうお金)だけで評価します。上の表からだと

( 301,991 + 57,145 ) ÷ 490,638 ✕ 100 = およそ73%

実際は在庫の抱え込みなどを見る指標となりますが、アビスパ福岡の場合は在庫に該当するものは商売上あまりないと思われます。つまり、とにかく現金がないのです。

経営危機を乗り越えたとはいえ、アビスパ福岡の経営状況はまあ、普通の企業レベルで見ればいつ潰れてもおかしくない状況です。

それでも生き延びれているのは、資本を入れてくれる方々がいるからです。大切なことなので、もういっかい言っときますね。

続いて、昨年の数字を見ていきたいと思います。

平成30年度決算、J2でも上がった売上

平成30年度は再びJ2にて、J1昇格を目指した年ではありました。
しかし、結果は皆さんがご存知の通り。
シーズン終盤は失速し、プレーオフすら逃す結果となりました。

J2降格初年度はJリーグからの分配金もある程度考慮されJ1時の8割が保証されまますが、この年から分配金は完全にJ2。

スポンサーも降格に伴い減っています。報告書を見るとこの時点で
1,520件から985件へ減少しています。

集客でも、J1からJ2へ降格すれば残念ながらスタジアムに来てくれる人たちは減ります。

こちらも報告書にありますが、J1時の平均入場者数12,857人から9,550へ減少。

そうした逆境の中でのアビスパ福岡株式会社の活動の記録。と言ってもいいかもしれません。


J1降格から2年目の年ですが、損益計算書を見る限りアビスパ福岡は売上高を昨年より伸ばしています。

おお。J2が続く中、J1時より売上が伸びているのは希望が持てる。という感じもあるのですが、貸借対照表を見てみます。

すると気になる点が。


平成30年の1月の段階で売掛金(今後入ってくるお金)に4億5千万近い数字が計上されています。これは2018年初頭の数字です。

もしかして、2017年までアビスパ福岡でプレーした冨安くんの移籍金?でしょうか。他の選手の分もあるかもしれません。

お金がどこから出たかは不明です。あくまで推測ですしかないですが、このお金のおかげでアビスパ福岡の流動比率は昨年から改善し、105%になります。

手元にわずかですが、現金が残ったわけです。

そして、いまだ2億超えではありますが、利益余剰金が3000万円ほどプラスに転じています。

しかし、この4億のお金が入っていなかったらどうなっていたでしょう。

おそらく、昨年より数字はひどかったのではないでしょうか…。

冨安くんかどうかはわかりませんが、彼が残してくれたものは想像以上に大きかったのかも…。しれません。

川森社長に期待すること

平成29年から平成30年にかけて、アビスパ福岡の決算上の数値は良くなっています。

ただ、数字あそびとはいいませんが、こうした報告書には「よく見せる努力」ができないわけでもありません。

とはいえ、大きく誤魔化していいものでもありません。

なんだかんだ売上を上げて、3000万を手元に残すことに成功したことは意味がある事だと個人的には思いたいです。

そして、これを続けられることを川森社長には期待しています。
でも現実として、最初にみたようにアビスパ福岡にはとにかく現金がありません。

平成30年度の報告書を見てみると、平成29年から比較して「社債」が増えています。


誰が買ったかはわかりませんが、おそらく社債で資金調達を行っていると思われます。やはりアビスパ福岡には「現金」がないわけです。

「Jリーグ退会」という最悪の事態も考えられた経営危機を乗り越え、現在5年ぶりにJ1のステージで奮闘するアビスパ福岡。その危機的状況からクラブを立て直した背景には···

川森社長は就任当時から、「今できること、できないこと」をしっかり分けて、優先順位をつけて対応したい。

という話をしています。以前のサポータミーティングでもおしゃっていたと記憶していますし、上記記事でも同じようなことを発言しています。

これはこの財政状況の裏返しの発言じゃないかなと思います。手元にお金がない状態で企業ができることは限られていますから…。

企業として生き残るためには

一応、お仕事で通販系の会社様のサポートをさせていただくことがあります。いわゆるネット通販系ですね。
そこで強く思うのは、やはりなんだかんだ売れるものは商品力の高い商品です。
広告を含め、モノを売る手段はいくつか存在します。

通販サイトは見た目を良くするだけで売上が伸びることもあります。
あとは顧客満足度をあげることも売上につながることがあります。
リピーターさんには特典をつけてロイヤリティーを上げることで、売上が上がることもあります。
新規においては初回無料なんていうのは、最近は当たり前の様に行われる手法です。

しかし、なんだかんだ商品が良くないものは売れません。
これは、基本中の基本です。

では、アビスパ福岡の商品はなんでしょう。それはやはりサッカーチームとしての魅力です。

Jリーグのクラブチームを良くするためにできることはいろいろあると思います。

ただ、何をするにもお金がかかります。
現金がないアビスパ福岡にできることは限られています。

とはいえ、チームの魅力がなくなれば、それは致命傷です。

果たして、今のアビスパ福岡は魅力あるチームになっているのか

というわけで今のアビスパ福岡は果たして、魅力あるチームなのか。

そこはとても個人的に案じているところではあります。

シーズン終わったわけではないのですが、4月19日現在、J2で20位のアビスパ福岡。まだ、現段階でどうこうというわけじゃないですが、果たして魅力あるチームとして大丈夫なのかという心配はあります。

勝つということはプロスポーツにおいて魅力の大きな割合を占めるものだと思うので…。

ただそうした中、チームの魅力として別の側面を持とうとしているのでは?
とも感じています。

選手の魅力 若手育成→販売路線

クラブチームが魅力を携えるには、その最小構成員である選手が魅力的であることも必要不可欠であると思います。
そして、その選手の魅力を「お金」に替えることができるのが、移籍です。

今チームで三國や北嶋がチャンスをもらっているのは、実力もあると思いますが、チームの方針として若手を伸ばすという側面もあると思います。

いやらしい言い方をすれば、クラブが次の「4億」と考えてる可能性はあります。

プシュニクが監督の頃、金森、三島といった「若手有望選手を売る」という経営方針を提案していたと聞きます。

今、アビスパ福岡は改めてその方向性を見出しているのかもしれません。

ペッキア監督をどういった目的で招聘したのかはわかりませんが…。
若手の育成を見据えた上で実績のある方をチームに呼んだということも考えられるのかもしれません。

実際、アンダー世代での育成ではある程度成果を上げているようなので(上記の報告書をすべて見ていただくとわかりますが、若手育成の成果は強調されている気がします)、今後も第2、第3の冨安としてアビスパ福岡をステップにしていく若手選手は増えるかもしれません。

以下、平成30年度版から、若手育成の成果報告の箇所をママ引用

若手育成といたしましては FIFAU-20 ワールドカップ勧告 2017U-20 日本代表メンバーに1名が 選出されました。予選突破とはなりませんでしたが代表選出は明るい材料となりました。 アカデミー(育成)部門については、U-18 カテゴリーが高円宮杯 U-18 プレミアムリーグでの 残留を決めるとともに、チェコで開催された世界の強豪クラブが集まるオールスターカップにて U-16 カテゴリーが準優勝しフェアプレー賞もあわせて受賞いたしました。また、継続して年代別 の日本代表および候補に数名が選出されるなど、成果のあったシーズンと言えます。

有望な若手がアビスパ福岡を志望してくれれば、それに合わせてチーム力も上がってくるかもしれません。

また、施設等はすでにあるわけですし、アカデミーの強化は現場で工夫できる余地があると考えるなら、現金を持たないアビスパ福岡ができる少ないことのひとつなのではないか…。と考えています。

決算書にはすべてのことが書いてあるわけではありませんが、そこから何かを推測することはできます。

人によって見えてくることは違うと思いますが、私はこの決算書を見ながらアビスパ福岡が資金源の一つとして、育成からビッククラブ(お金のあるクラブ)へ選手を送り出すというプランがあるのでは?と思ったりしています。

まあ、だいぶ盛った推測ですが…。

そろそろ平成31年1月時点の決算が出てくるはず

毎年4月の末ごろGW前には定時株主総会が開かれるアビスパ福岡株式会社。

福岡市のサイトでは、6月ごろに情報が上がってるんですかね。

今年の決算書をみればまた新しい方向性が想像できるかもしれません。

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