バルセロナB vs アビスパ福岡 5失点に感じた「現在」と「未来」

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「2軍に5失点って、アビスパ超弱くない!?」

と、レベルファイブスタジアムの帰りの道で似たような発言を何度も聞ききました・・・。

夜道を歩きながら、ちょっとムッとしながらも、試合を思い返すと・・・。

確かに B チームとはいえバルサとの間には大きな差がありました。

じゃあ、その差って何だろうと考えると、いろいろあるんですが・・・。

もういろいろありすぎて、それは「歴史」が違うとしか言いようがないんじゃないかと。

バルサB ってどんなチーム?

まずは、今回、日本の福岡、レベルファイブスタジアムに来てくれたバルセロナBってどんなチームなんでしょう。

【FW ジャン・マリー・ドンゴウ】
ジャン・マリー・ドンゴウ
[出典 http://ja.wikipedia.org/]

カメルーン U-20代表 の FW。

2013年当時18歳で、トップチームで親善試合ながらゴールを記録している選手です。

カンテラからの昇格してきた選手としては一番の有望株だそうです。

【FW サンドロ・ラミレス】
サンドロ・ラミレス
[出典 http://ja.wikipedia.org/]

スペインの世代別代表を経験してきている選手。

昨年にトップチームでのデビューを果たし、ビジャレアル戦でゴールを決めています。

【FW アダマ・トラオレ】
アダマ・トラオレ
[出典 http://en.wikipedia.org/]

17歳の若さで、それもバルサBに一度も出場することなくいきなりトップチームデビューした新星。

ネイマールと交代してのデビューで話題をさらった選手なので、バルセロナファンの方は知ってる人も多いかも。

現地でも見ましたが、スピードが完全に異次元。

ドリブルスピードも圧巻ですが、上半身のフェイントは高速過ぎて、残像が見えそうなレベルです。

アビスパの選手は上半身のフェイントだけで、簡単に置いていかれてました・・・。

【FW ムニル・エル・ハダディ】
ムニル・エル・ハダディ
[出典 http://ja.wikipedia.org/]

アーセナルの監督、アーセン・ベンゲルから次の”セスク・ファブレガス”と評された期待の若手。

すでに 2016EURO 予選でスペイン代表として出場経験あり。

もちろん、各年代代表にも選ばれてきた選手。

トップチームでの出場も経験済み。

個人的なベストプレイヤー

【MF セルジ・サンペール】

セルジ・サンペール
[出典 http://ja.wikipedia.org/]

バルセロナの最年少スクールからバルセロナのすべてのカテゴリーを経験してきた純粋のカンテラーノ。

試合中バルサB の中盤のパス回しに絡み、ここぞという時は、自陣でもドリブル突破をしかけバルサB の攻撃を支えていました。

簡単にサイドチェンジのパスを出すんですが、非常に精度の高いパスを通します。

「シャビ・アロンソ」の後継者とも言われるらしいですが、それも納得です。

フィジカルが弱いという批判があるそうですが・・・。

酒井と普通に競りあってましたけど・・・。

とまあ、若くとも次の世代を代表するような選手だらけ

FW だけみても、もう次世代を担うスタープレイヤー候補のオンパレード。

バルサのトップチームでも出場経験があり、単なる2軍とは呼べません。

数試合とは言え、日本人でバルサのトップチームの一員になった人はいないわけで。

逆に言えば、日本の2部リーグのチームにてこずったら、彼ら自身からすれば大問題でしょう。

J1 でも勝てるチームはいるでしょうか・・・。

日本代表でも・・・・。どうでしょうね・・・。

多分、そんなすごいチームです。

正直、試合前この辺のメンバーは出ないか、でても前半で交代。

と思っていたんですが、普通に出てて驚きました。

それも、ほとんどフル出場。

ある意味本気で試合してくれました。

むしろ、シーズン中のアビスパの方が多く選手を入れ替えて試合していた感じです。

ただそこは「親善試合」ですからね。いくら バルサB と試合できるといっても無理はできません・・・。

試合前の練習から全然違う

試合前の練習が見たくてアウェー側の席を確保。

なぜなら、試合よりそういった練習の方が「差」が見つけやすいんではないかと。

そう思ったからです。

実際、やっぱり全然違いました。

まず驚愕したのが、GK。

この日の試合では後半から出場した、「アドリアン・オルトラ」。

先発のGK「ホセ・アウレリオ・スアレス」にシュートや、クロスをあげて練習のサポートをしてました。

ただ、そのキックがメチャメチャ上手い。

おそらく、彼は左利きです。

しかし、普通にプレースキックを右で蹴るし、シュートも左右で蹴る。

gk-kick

さらにただ、蹴ってるだけじゃなくて、しっかりゴールの際どいところに飛ぶ。

狙っているところに飛んでいる。

見ていて、ほんとにGK?

と疑いたくなるような精度・・・。

かなり差を痛感しました・・・。

おそらく、日本のGKとは育成が全然違うんだと思います。

選手の適性の見方というのも違うのかもしれません。

ポスト、バーに当たりまくるシュート練習

試合前のシュート練習も異様・・・。

とにかく、ポストやバーに当たる回数が多い。

pre-shoot

アビスパのシュート練習では普段も当たることはせいぜい 1,2回くらいなんですが、バルサBは次々と当たります。

もちろん、シュートって入ってナンボではあるんですけど、狙っている位置がピンポイントだし、その狙っている位置はもちろん枠ギリギリ。

また、そこにだいたい飛んでいるから、ポストやバーに当たるんですよね・・・。

さりげなく蹴るんですけど、そこに詰まっている「意思」というか「狙い」がしっかりしているのがものすごく伝わってくるので、濃さというか。

プレーの密度と言っていいんでしょうか。そういったところが、全然違いました。

アビスパだけでなくて、これは日本の選手と全然違うんじゃないでしょうか・・・。

試合中まったくノーチャンスだったわけではなく・・・。

試合ではアビスパもチャンスを作っていました。

ただ、一本が決まらない。

枠をとらえられなかったり、GKにセーブされたり。

その差は、こういった「狙ったところにちゃんと蹴る」というすごく基本的なところの差なんだろうなと感じました。

アビスパが仕掛けたチャレンジ

アビスパもほ先発はほぼフルメンバー。

ただ、体調に不安がある、中原貴と、中村北斗はベンチにも入りませんでした。

ここは、リーグ優先ですから仕方ないとして・・・。

あくまで親善試合ですので、他のメンバーも案外流すのかなーと思ったりしていたのですが・・・。

この日アビスパはリーグ戦に向けて、「新しいチャレンジ」をしかけていました。

ひとつは、2トップ。

これまで、リーグ戦は中原貴をワントップにした布陣が多かったアビスパ。

しかし、この日は酒井と金森の 2 トップ。

これは、今後のシーズンに向けてのチャレンジだと思います。

徳島ヴォルティス戦から模索はしていたようですが、今後この形を突き詰めるのでしょう。

ウェリントンも加入しても 2 トップを続けるのかも知れません・・・。

個人的にウェリントンの加入のメリットはこちらでまとめてます。

ウェリントンが加入してアビスパ福岡は守備が強くなる?
ウェリントンがアビスパ福岡に合流 6 月 9 日に来日するという元湘南のウェリントン。 昨年の湘南で20ゴールを上げて、J2 得...

次のジェフ戦に向けて、贅沢すぎる確認が出来たのではないでしょうか。

鈴木惇を中心とした高い位置でのチェック

アビスパのフルメンバーが出場したのは、前半40分くらいまで。

その前半で、2失点をしてしまうんですが、この日のアビスパは高い位置でのボール奪取を目指していました。

それが2つめのチャレンジだったと思います。

リーグ戦でも徐々に増えてきた「高い位置でのボール奪取」を狙ったプレー。

この日は、普段以上にそうしたチャレンジが多かったと思います。

相手がボールを奪ったタイミングで、鈴木惇 がチェック。

avispa-press

状況に応じてそこへ FW と、サイドの選手が絡む。そして奪い返す。

というシーンが多く見られました。

そこまで、バルサB が厳しく来ていなかった事もあるかも知れませんが、結構相手陣値の高い位置でボールを奪えるシーンも何度かありました。

これは、アビスパにとっては今後自身になるんじゃないかと思います。

親善試合とはいえ、この形をバルサB 相手に試せたのは大きかったと思います。

組織的で、高い位置を保つバルサBの最終ライン

バルサB は4バックの布陣でした。

トップチームもそうですが、ラインが高い・・・!

あっという間に、ハーフウェイラインを超える位置までラインを上げてきます。

barcelona-dfline

サイドバックが攻撃を仕掛けるシーンはありませんでしたが、非常に組織的な4バックでした。

特に、前線めがけてのロングボールの処理が非常に「キレイ」。

「キレイ」という表現は、似つかわしくないかも知れませんが、そう感じてしまいました。

DF ラインでアビスパがボールを持っている状態では、非常に高い位置までラインを上げます。

もちろん、むやみやたらにラインを上げているわけではなく、ターゲットになりそうな選手にはピッタリとついて来ます。

ボールが実際上がるとまずは、落下点に近い DF が寄るのですが、アンカー的な動きをしていたセルジ・サンペールが落下点に入れると判った途端、さっと後に下がって落下地点から等間隔に3人がポジショニングを取ります。

セルジは無理に競り勝とうとはせず、とりあえず頭にあててこの3人の誰かにボール落とせばよい。

という感じで競り合います。

言葉にすると長いんですが、この一連の流れがすごく連動していて、また普段 J2 で感じるような

「あわよくば、ロングボールが繋がるかも・・・」

なんて淡い期待を全く寄せ付けない完璧な処理をします。

なんか、日本の J2 の守備とは全然動きが違います。

J2 と比べたらダメかも知れないですが・・・。J1 でもこんな完成度の高い守備はまず見ないと思います。

これはやられた。という失点は 2 点

全体で5失点してしまったんですが、うち3点は「しょーもないミス」です。

バルサ戦で結構気合いの入っている選手(特に控え組)が多い中、集中力を感じなかったパク・ゴンのミスが2つ。

もう一つは、中原秀の自陣での横パスのミスから。

正直、パク・ゴンは今後もリーグ戦出場はないでしょう。

そのくらい、やる気があるんだか無いんだか判らないプレーに終始。

かなり、残念です。

中原秀は昨年からときどき、自陣での横パスをミスしてしまうんですよね・・・。

あんまり状況把握が上手くないのかも・・・。

現状、末吉、鈴木惇との間には思ったより差があるのかもしれません。

逆にいうと、バルサB の致命的なミスは絶対見逃さないところもサッカーの試合運びの成熟度の高さを感じました。

キレが良かった森村、三島。存在をアピールできた田村

後半、4得点を上げた時点でかなり手を緩めた感のあるバルサB。

なので、彼らの活躍がどの程度真剣なやり取りの中で生まれたかは判りませんが・・・。

正直、この段階から、バルサB の FW 陣の動きも変わってました。

ギアを入れること無くずっと流しながら、ここぞのカウンターのタイミングを狙ってました。

アビスパに押し込まれたというよりは、アビスパにボールを持たせて、あえてそういう試合構成にしているという感じでした。

特に「ハダディ」が一発裏を狙っているという感じでした。

飛び出してからのループシュートなんてシーンもありました。

ただ、完全に相手の練習台になってしまったアビスパ福岡・・・。と、言えるかもしれません。

とはいえ、後半、森村、三島が攻撃面で目立っていました。

森村は、ドリブルからの切り込みや、積極的なシュート。

三島は右サイドからの突破が光っていました。

リーグ戦でも期待できるんじゃないかなという予感アリアリでした。

二人ともリーグでの出場機会がなかなかないので、井原監督への良いアピールになったんじゃないかと。

森村は個人的にも、リーグ戦でもっと見たいなあと思います。

うまく使えば良い働きをする気がするんですが・・・。

また、普段ベンチ入りできていない田村友が 3 バックの右で出場。

最初は硬い感じがしましたが、高い位置でポジショニングして、左足でかなり精度の高いミドルシュートを放つシーンも。

GK にファインセーブされてしまいましたが・・・。

パク・ゴンや高准翼といった DF の海外籍の選手が良いところがなかったので、今後のベンチ入りをアピールできたんじゃないでしょうか。

後半特にアビスパにはチャンスが多かった

後半はむしろ、バルサB が気を使ってくれたくらい、緩い守備でチャンスをくれた感じです・・・。

三島や森村のところからチャンスができて、惜しいシーンもあったんですが。

それでもゴールできず。

この辺は、やはり「精度」の差が大きいのではないかと思います。

その差は、ほんとボール 1 個分とか、2 個分の違いなのかもしれません。

でも、それが大きな差なんですよね。

バルサB は、ゴール前のワンタッチや、ここぞというところでのシュートの精度が段違いに高いです。

この辺は、試合前の練習から感じていましたが、やはり狙ったとこにボールを「蹴る」「止める」という基本の熟練度が全然違います。

一流の選手ほど基本がしっかりしているとは言いますが・・・。

ほんとにそうだなと。

組織的な動きと判断スピード

基本的なプレーでの差も大きいんですが、もうひとつはプレーの判断スピードが全然違うと感じました。

上手くは言えないんですが、バルサは常に 3 角形で人が配置されていて、どんな場面でも複数のパスの選択肢があります。

アビスパはすぐに人の配置が「一直線」になってしまい「そこにパスするしかないだろ」という状況を作ってしまいます(作らされている?)。

これは、守備でも同じでバルサは 3 角形で囲んでくるのに対して、アビスパは直線的に誰かが突っ込む。

というシーンが多いです。

また、何かプレーが動いたときの判断もバルサ B は速い。

ゴール前にちゃんと人数かけて詰めるとか、クロスではただ、前に走るんじゃなくて一人は斜めに切り込んで行くとか。

そうした「ここぞ」という時の判断と、スピードが全然違います。

これは、もう練習でどうこうなるものではなくて、小さい頃から高いレベルの環境で育つ中で叩き込まれた「習性」だと思います。

考えてやっているとは思えません。

また、そうした習性がパスの受け手と出してでも共有されいてるというのが、恐ろしい。

それは、一言で言うなら、「歴史」の差。

なのかなと。

さすがにこれは一朝一夕で埋まる差ではないと思います。

世界との差を感じる試合でした

日本にアビスパ福岡より強いチームは沢山あります。

しかし、バルサB に勝てるチームがあるのだろうか?

と、考えると正直ほとんどないと思います。

多分、J1 に参戦したら優勝するのではないでしょうか。

日本のサッカーは以前よりはずっと強くなりました。

ただ、世界のトップクラスとはだいぶ差があります。

多分、海外の良い点を真似して、練習して、改善して詰まる差はもうだいぶ詰めたんじゃないかと思います。

ただ、そうした練習だけでは埋まらない差っていうのがあると思います。

それは、欧州や南米が長い年月をかけて突き詰めてきたものであって、日本がほんの数年で手に入れられるものではないと思います。

もっと下の世代から、少しずつ今の課題を超えるために、明確な目的をもって育った子どもたちが少しずつ乗り越えていくものだと思います。

そのためには、優秀な選手だけでなく、優秀な指導者がもっと多く必要でしょう。

一人でも多くの少年に希望を

この日、親善試合が行われる前グランドではジュニアチームの試合が行われていました。

junia-team

年代別に分かれてプレーしていたようで、体の大きな子は大人顔負けのプレーの選手もいました。

まだ小さい子は、ボールを追いかけるのが精一杯という子もいました。

願わくば、この子たちの「バルサB とアビスパ福岡」の試合を見た経験が将来につながったらいいなと。

一人でも多くの子供たちが、やがて成長し大舞台に立てればと思います。

そして、この 5 失点を 1 点でも縮めてくれることを期待しています。

それの積み重ねが今後、日本を世界の中でも「強豪」と言われるような礎になり、「歴史」になるんだと思います。

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