【アビスパ福岡を分析するブログ】第18節徳島ヴォルティス戦ドゥドゥのゴラッソの裏にはアビスパ福岡の成熟あり?今一度アビスパ福岡の戦術を見直してみる

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ドゥドゥのスペシャルなゴールで勝利

個人的にJ2で今季アビスパ福岡の昇格ライバルになるチームを挙げよ。

と言われれば、確実に上がるのが「徳島ヴォルティス」。

昨年アビスパ福岡は徳島ヴォルティス相手に2敗しているというのもありますが、見ていて攻撃面にしても守備面にしても非常にしっかりとデザインされた良いチームという印象が強いです。

リカルド・ロドリゲス体制2年目ということで、今シーズンは監督の色も更に浸透するだろうし、岐阜からシシーニョを獲得。

ハマれば、今年は更に手強くなるだろうと予想していました。

昨年順位が7位なのですが、個人的にはもうちょっと順位は上に来てもおかしくないチーム力はあると思っています。

徳島の直近の結果は、5月中は負け無し。失点がわずかに1。ということで、今季はホームで絶好調のアビスパですが難しい試合になりそうだなと予想していましたが、1-0で勝利。

なんと言ってもこの日はドゥドゥの日でした。

勝つという意味ではこういうスペシャルが必要な日もありますなあ…。

その後の天皇杯2回戦鹿児島ユナイテッド戦も見に行きましたので、そのへんの話も交えながら第17節アビスパ福岡vs徳島ヴォルティスの試合を振り返ってみたいと思います。

アビスパ福岡のスターティングメンバー

4-4-2のフォーメーションでスタートしたアビスパ福岡。

前節水戸戦の記事でも軽く触れていますが、攻撃時は3バックのような展開を見せるアビスパ福岡。

岩下、輪湖がベンチ入りせず。岩下は体調不良のようなことをDAZNの実況で言っていたようですが…。

石津もしばらく体調不良でベンチを外れていたらしいですし。「選手の体調管理大丈夫か?」と、再びコンディショニングの心配をしてしまいます…。

ただ、今のアビスパ福岡は誰が出場してもある程度仕事ができるメンツが揃っています。

左に駒野が入って、堤が先発。

さすがにドゥドゥの代わりはなかなかいないとは思いますが…。特に今日のような試合ではそのことをさらに強く印象づけられました。

寝てもさ覚めてもドゥドゥなのですが…。

ちょっと空気を読まずにちょっとシステムの話をば…。

引いて守るのか、前節水戸戦のように突っ込むのか

前回の水戸戦の戦いがやけに前よりの戦い方でした。一応、危ういシーン満載でしたが、どう修正して徳島戦を迎えるのか。

井原監督の采配が気になるとことでしたが…。

なんだかんだボールポゼッションは徳島でしたが、アビスパ福岡は引くところでは引く。出るところでは出るというメリハリがしっかり作れたんじゃないかなと思っています。

水戸戦はこのバランスが全然取れなかったのかなと。

おそらく水戸戦も攻撃は意識していたとは思いますが、チームとしても「前のめり」な攻撃を狙ってはいないはず…。

この問題点に関しては枝村と鈴木惇がきっちり役割を分担してポジショニングを整理出来たのではないかなと思っています。

イメージですが、水戸戦の攻撃時の配置。

昔、「エル・ロコ(変人)」と呼ばれるビエルサ監督の戦術解説をしているブログでこんな配置を見た記憶もありますが…。

あ、ビエルサ、リール監督解任されてるし、日本代表の次の監督にどうすかね。無理か。

それはいいとして、上記の配置だと枝村の後ろが空いてしまっていたんじゃないかなと。

それでも鈴木惇は前に出ていっているので…。カウンターを受けやすい状況でした。

そして、それを修正したのかは推測でしかないですが…。

以下が徳島戦の攻撃時の配置イメージ。

枝村のスタートが基本右の下がり目になって、展開次第では上がるもののちょっと守備から考えると、落ちつきできたのかなと。

あくまでイメージの違いですが、水戸戦では鈴木惇と枝村の後ろにスーペースがあって、そこに簡単にパスを入れられてカウンターの嵐だったわけですが、下の図のような配置でバランスを取ったというふうに見ています。

徐々に浸透してきた?可変システム

アビスパの基本フォーメーションは4-4-2ですが、こんな感じで攻撃時は3-3-4のような形になります。

基本的な形としては、まず攻撃時に左サイドが高く上がります。この日は駒野がその役割を担っています。

それと同時に逆サイド、右の實藤はそこまで上がらずに、右から實藤、篠原、堤という3バックを形成します(ただし、チャンスと見ると實藤は飛び出す)。

その3バックの前に鈴木惇。最終ラインからボールを受けて、パスを展開する役割はご存知の通り。

枝村は實藤の上がってこない右サイドに展開したり、中央で前線に上がったりと攻撃に関しては比較的自由なポジション取りで動きます。

数字にすると、3-3-4といった感じです。

今季のアビスパ福岡を「マンチェスター・ユナイテッド」に似ていると言ってきましたが。

しっかりとしたブロックを構築して縦へのカウンターで勝負をかけるという良くも悪くも色んな意味で「手堅いサッカー」をする。

というあたりが似ていると感じていたのですが。

しかし、前回の水戸戦、今回の徳島戦はちょっと違う印象を受けました。

特に攻撃、ビルドアップのシーン。

3-3-4のような形は以前もなかったわけではないですが、最近の数試合でようやく「効果的」な形になってきたという印象です。

ざっくりとした攻守のイメージを図にするとこんな感じ。

守備時は4-4-2でブロックを形成し、攻撃になると、駒野が前に出て、そのスペースを埋めるように堤がワイドに展開。

そこから最終ラインがスライドして、3バックに。實藤が右での先発を増やしているのはこの3バック時の「センターバック」の役割を担っているというのも大きいのかもしれません。

駒野が前に出る分、松田が高いポジションを取り、逆サイドのユ・インスも前に出ます。

そして、この形で非常に重要な役割を担っていると思われるのが、ユ・インス。

ユ・インスは前に出るだけでなく現状の形ででは守備でも大きな役割があると思われます。

最終ラインが「左」にスライドする分、サイドバックの實藤が内側に絞ります。その結果、

ユ・インスの後方が空いてしまう可能性があります。

もちろん、枝村もいることはありますが、枝村は前に出る動きが増えています。展開によっては広いスペースが空いてしまう恐れがあります。

そのため、このスペースを常に意識しておく必要があると思われるのですが、その役割を担っているのがユ・インス。

時折ユ・インスがそこまでピンチでないのに、サイドバックぐらいの位置まで下がっていることがありますが…。

それはおそらく、最終ラインの動きで自分の後方にスペースができることを強く意識しているためだと思われます。相手がボールをキープすると判断したら、素早い帰陣が必要となります。

その結果、かなり後方にいることがある。

実際、このスペースは大きく空くことがあるので、徳島の14番杉本に狙われていた様に思います。

まあ、杉本のプレースタイル的にも普段からそういう傾向もあったり、サイドチェンジで狙わるケースもあったんですが…。

DAZNのスタッツで見ても、杉本はこのスペースを狙っていたようなので、「広いスペース」は見えていたんじゃないでしょうか。

このスペースにサイドチェンジで入るボールは主に實藤が対応していましたがちょっと危ういシーンもありました。

ここをフォローするのもユ・インスの役割だと思われます。

一時的に松田が右にいるときにも實藤が抜かれると、一目散に帰陣していたのでチームとしてもここは抑えるべきポイントと認識されていると思われます。

話をユ・インスに戻しますが。

ユインスは攻撃時に「内側に絞る」という動きも見せています。鈴木惇からのパスを受ける役割&その裏の森本やドゥドゥへ抜けた縦パスのフォローがあるのかなと。

攻守に渡って、ユ・インスの役割は多いと思います。

開幕のときから「アビスパ福岡の攻守の切り替えの鍵はユ・インス」と言ってきましたが、現状もその形には変わりはないと見ています。

ちょっと気になる点。天皇杯編

この記事を書いている途中で、6月6日の天皇杯2回戦 アビスパ福岡vs鹿児島ユナイテッドを見に行きました。

ちょうど上記のシステムの部分を考えているタイミングだったので、参考にもしたいなと。

おそらく、今の形は良い傾向であるのは間違いないと思うので、おそらくメンバーが代わっても同じカタチで井原監督は試合に臨むだろうという予測はありました。

メンバーがある程度入れ替わってくる中で、どういったプレーをするのかを見れば水戸戦、徳島戦でやろうとしていたことが判るはず。という狙いがあって見に行きました。

特に、右サイドで攻守の切り替えを担うユ・インス。

中央でパスの配給をする鈴木惇。

攻守でサイドとセンターの役割を切り替える實藤

この3人の「代役」は誰なのか。

そこを見たかったんですが、ここにおいては変更なし。

週末もリーグ戦が控えているので出場した選手はコンディションも考慮されて選ばれていると思いますが…。この3人もまた代えが効かない選手かもしれません。

今のシステムの要所は右サイドのユ・インスによる攻守のアップダウン。

右の實藤のセンターバックとサイドバックの兼任。

鈴木惇の中盤からのパス。

以上の要素は現システムでは代えの効かない部分になりつつあるようです。

ポジショナルプレー

天皇杯では、左の平尾のクロスを城後が打点の高いヘディングで決めて勝利したわけですが。

後半は相手の反撃もあって、押し込まれるシーンもあったり。

できれば、追加点取って複数得点で終えたい試合でした。

まあ、勝つことに越したことはありませんが、せめてあと1点は決めたかったなと。

追加点を奪えなかった要因は何かなと考えていくと、攻撃時のポジショニングの不味さにあるのかなーと。

これは、この試合だけに限った話ではないのですが。

鹿児島ユナイテッド戦でも時折、サイドにボールが展開したときに選手が縦一列に並んでしまうことがありました。

一列に並ぶこと自体が悪いことではないんですが…。

これは鹿児島ユナイテッドに限った例ではなく、あくまで一般的な例の形です。

ドゥドゥがサイドに流れ、實藤がサイドに張り出し、その間にユ・インスがボールを貰いに入り込むというような形です。

理想としては、パスコースは「三角形」を構築してパスの選択肢を2つ以上作りたいと思うのですが、アビスパは縦に3人並ぶと、パスコースが消えてしまいます。パスが詰まります。

本来であれば中盤のボランチや、もうひとりのFWでも良いと思うのですが、上の画像の赤い枠でユ・インスのパスを受けてドゥドゥへ流したり、ユ・インスのポジション移動を待って、「パスの選択肢」を作り出したいのですが…。

この赤い枠に入る選手がいない。

鹿児島ユナイテッド戦の前半では石津が守備時は左サイドながら、攻撃時は中央ないし、逆サイドの右まで移動してプレーしていたので、ボールを引き出してつなぎ役をするのかと思っていましたが、いまいちポジションが定まらず。

右まで来てフォローして欲しいときに中央で止まっていたり、左で守備をしてほしいときにいなかったり。イマイチ意図のわからないポジション取りが多かったです。

石津だけでなく、木戸も城後や石津の動きに合わせるだけで、自分で動いてボールを貰う動きが乏しかったです。

前線の選手のポジション取りが定まらなかった結果、効果的なポジショナルプレーにつながらず攻撃を薄味にしてしまったかなという印象があります。

最近の流行りでいうと、「5(ファイブ)レーン理論」なんて言葉もありますが、個人的に把握している要点だけ挙げると「相手より有利なポジショニングをする」ことが目的であって「そのためにはどう動くべきか」に集約されていくものだと思います。5レーンというのは選手がそのポジショニングを実現するために、認識しやすくするための目安でしょうか。

個人的にはもう少し広い概念、一言で言えば、「ポジショナルプレー」かなと思っているのですが、大事なのは「相手より優位な位置を取る」ことが一番大事かなと。

そういう意味では、引いてブロックを作ろうが、ハイプレスで押し込もうが、サイドバックが内側にポジションをとろうがセンターバックがワイドに開こうが。

全ては相手より有利に位置するための行動と言えると思います。

そうした動きが守備、攻撃の中流れの中で有効な形でようやく目に見える形で出てきたのかなー。というのがアビスパ福岡のこの数試合の印象です。

実際、上記の4TOPの配置は柔軟で、枝村が中に上がっていくこともあれば、ユインスが内側へ入ったり。森本が下がったり、松田が内側へ切り込んだりと柔軟に動きます。

ここの動きがきっちりできていれば、攻守はスムーズに展開できると思われます。

しかし、鹿児島ユナイテッド戦では石津、木戸が巧くハマらなかったかなという感じでしょうか。

攻撃面の良さが目立つドゥドゥですが

ドゥドゥのスペシャルなゴール。まさにワールドクラスな一撃でした。

DAZNのベストゴール、ベストセーブ同時ランクインというのも珍しいと思います。

ほとんど2点取ったの同じような活躍でした。

圍も2試合続けて体を張ったセーブが光りました。

攻守に渡って活躍するドゥドゥですが、ドゥドゥのおかげで今季アビスパ福岡ができるようになったのが「4-4-2」だと思います。

以前もできなかったわけではないのですが、今季は以前と比べレベルの高い4-4-2になっていると思います。

昨年はウェリントンが前線でアビスパ福岡の攻撃を支えてくれていたわけですが。

個人的には2トップのシステムでプレスをかけるタイプじゃなかったと思っています。ワントップのほうが適正が高かったと思います。

一方、ドゥドゥの適正は2トップの一角だと見ています。ワントップの適正は大宮アルディージャ戦を振り返る限り、そこまで高くないかなーと。

そう考える要因が「守備」。

前半終了間際。徳島がボールを回し始めたシーン。ドゥドゥは左サイド側ににいました。

ここからボールは逆サイドに流れていくのですが、この展開でウェリントンは追いかけることは稀。

もちろん、すべてに全力疾走も出来ないので、それは必ずしも悪いことではないんですが…。

フォローへ向かう選手の背後に付くドゥドゥ。この背後に付くのがドゥドゥは巧いですよね。

狙った相手にボールが入ったら、背後からガオー。慌てた相手がボールを戻すと…。

すかさず前に入って、パスコースを限定。一気に詰めます。こうした「相手の追い込み方」が過去のアビスパ福岡にいた選手の中でもトップクラスに巧いです。

奪ったら一気にカウンター。

攻撃に関してはドゥドゥの良さはもう見ていただければ、判ると思います。

もちろん攻撃にも期待していますが、個人的にはドゥドゥの「相手を詰める巧さ」は毎試合注目しているポイントです。きっちりドゥドゥが詰めてボールを奪うのは、決まると見ていて爽快です。

できれば、そこから点につながると一番ベストなんですけどね。

周囲と連動するケースでも、一対一でボールを奪えるドゥドゥの守備の巧さは是非注目していただければと思います。

次節は熊本戦

直近の数試合は「ボールポゼッション」を見ながら「相性(ボールを持ちたがるチームにアビスパ福岡は相性が良い)」で次節を予想していたいのですが、それはアビスパのスタイルがガッチリブロックを作ってカウンターという形が顕著だったのでそうしていましたが…。

この数試合を見る限り、カウンターをしないわけではないですが、ポジションを意識したプレーが増えているように思います。

ボールをキープするのではなく、どうやったら相手より優位な形でボールを受け、展開できるか。熊本相手にどれだけ優位な形を作れるかがポイントだと思います。

徳島戦のように攻撃に人数をかけつつ、守備への切り替えに間違いがなければ…。

勝利の確率は高まるのではないでしょうか。

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