【アビスパ福岡を分析するブログ】愛媛戦はポゼッションを重視しない相手への対応が鍵?岡山戦から読み解くアビスパ福岡が苦手にするチーム 第13節岡山ファジアーノvsアビスパ福岡

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上手くいかないこともあるさ

連休中の連戦の最終戦。

3位、4位の対決となった岡山ファジアーノとアビスパ福岡の対戦。

両者ともに勝っておきたい試合だったと思いますが、結果は2-2の引き分け終了。

首位大分が勝利しただけに追随しておきたかったですが…。

天候は雨。それにもかかわらず、9千人の来場者。アウェーとしてはなかなか難しい試合になりそうかなと思っていましたが、一筋縄ではいかなかったですね。

試合の感想としては「どうやったってダメな日」っていうのはあるよね。

というのが正直なところです。

いきなり野球で例えてしまいますが、ピッチャーには「軟投派」と呼ばれるタイプの方がいます。

ちょっと古い例を挙げると、オリックス、阪神に在籍した星野伸之さん。ストレートの球速は120km台ながら、カーブとフォークのコンビネーションで176勝。

個人的には軟投派の中でもレジェンド中のレジェンド。投手が投げるスピードより、キャッチャーが投げ返すボールの方が速いとまで言われたキングオブ軟投派。ちなみにキャッチャーが素手でボールを取ったこともある(事実)。そんな伝説はこの人ぐらいでしょう。

この他にも、元広島カープの北別府学さん。最近では、50歳まで現役を続けた元中日ドラゴンズ山本昌さん、マリーンズの小宮山悟さんや、ファイターズの武田勝さんも軟投派ですかね。

他にも軟投派で名前をあげようと思えばいくらでも出てきますが、最近は軟投派のスタイルは減った気がします。ヤクルトの石川投手やドラゴンズの吉見投手がそのタイプでしょうか。メジャーへ行った牧田投手も軟投派と言えるでしょう。

サッカーの記事なのに突然、なんの話だ。と思われるかもしれませんが。

この野球の軟投派の方々は時々ですが、どうしようもなく打たれることがあるのです。試合序盤で大量失点してしまって「どうしようもない!」という感じで試合が崩壊します。

多彩な変化球や打者の狙いとタイミングを外す投球術で勝負するのですが、これがことごとく裏目に出る日があるんです。

そういう日は、もうどうしようもない。

サッカーでもまあ、そういう試合があるよねー。と、言いたいだけなんですが。

ただ、そんな「どうしようもない」試合をドローに持ち込めたアビスパ福岡。ツキがあるのか、なんだかんだ無敗が続くチームの勢いなのか。

そのへんを鑑みつつ、第13節岡山ファジアーノ vs アビスパ福岡戦を振り返ってみたいと思います。

アビスパ福岡フォーメーション

いろいろと見方はあると思いますが、個人的には3-4-3だと思う3バックを組んできた井原監督。

連戦ターンオーバーとと輪湖の出場停止のやりくり。そして岡山の3-4-2-1というかこちらも3-4-3ともいえる布陣への対応ひっくるめての形だと思われます。

守備はやや変則的な感じで、4-4-2のような形にもなれば、3-3-4の用な感じにも。3-2-5だったりと特に序盤は定まりませんでした。

個人的にはこの辺の連動性がこの試合の失点の要因になってしまったのでは?と思ったりしています。

動きとしては、

攻撃の際には左から松田、ドゥドゥ、森本という布陣。

その後ろに駒野、鈴木惇、山瀬、平尾。

最終ラインが篠原、堤、實藤です。

守備になると、松田、駒野連動してポジションを代えて守備バランスを取っていた感じです。

試合開始直後は、3-3-4、3-2-5と、流動的に動いていたんですが…。

先制して前半15分頃、松田が指を「2」にして何かを確認していました。その後ドゥドゥとコミュニケーションを取ったあたりから前線の守備が2枚になったように思われます。

ここからは、4-4-2に近いような形で守備が行われ始めます。

ドゥドゥと森本が残り、松田、鈴木惇、山瀬、平尾(ドゥドゥが下がるケースもあり)。

そして、駒野がややポジションを下げて篠原、堤、實藤といった並びになります。

おそらくですが、5バックで守ってしまうような状況は避けたいという狙いがあるんじゃないかなと思っています。

ウィングバックが下がって、3-2-5 のような形になると、中盤のビルドアップもしんどいし、人数が少ないと中盤で奪ってカウンターというのが難しくなる。

後ろで奪ってロングカウンターという考え方もできるかもしれませんが、押し込まれ続ければジリ貧になることも考えられる。

前線でボールを保持できるフィジカルタイプのフォワードがいないこともあり、1-4-5になると縦への推進力が出ない。

といったような考えがあったのかなと。

狙いとしては自分たちの形を作りたいという狙いがあったのだと思いますが…。この狙いが逆に出てしまったのかなと。

早い時間に得点して自分たちの狙いに持ち込もうとしたけど…

まずは松田のゴールから。

ようやく。と、表現して良いと思いますが、松田の今季初ゴールで先制。

これまでずーっとサイドのポジションからゴール前に入り込んでいましたが、なかなかチャンスに恵まれなかった松田。

ここまでフリーかつ、きっちりボールをもらえたことすら稀な展開だったといえるかもしれませんが、そこは左サイド駒野の恩恵でしょうか。

非常に早いタイミングで先制。

3-4-3の形は松田にとっては4-4-2のサイドより、プレーしやすいと思います。

以前も記事の中で指摘はしましたが、サイドからゴール前にアプローチするにはやはり距離があります。

松田としては、サイドの選手というよりはフォワードの選手です。

チームの約束事もあるかと思いますが…。ゴールまでのプロセスを考えるのであれば松田としてはゴールまでの距離が近くなる3-4-3が良いのかもしれません。

個人的にも3-4-3というのは可能性を感じる面があるのですが…。しかし、3-4-3は守備のバランスが難しそうです…。

先制点後の対応

この試合はこの先制点後の対応が裏目に出てしまったんじゃないかなと思っています。

フォワード3枚は積極的に岡山の最終ラインにプレスをかける感じでした。ここは試合開始直後の主導権争いとして前から行きたいと狙いがあったのでしょう。

それは岡山も同じで、結果互いにボールが収まらない感じとなり、序盤はお互いにボールを放り込みがちな展開に。後ろのつなぎもちょっと単調かなと感じなくもなかったので修正を入れることは間違いではなかったのかもしれません。

これが、前半15分をさかいに、松田が何か確認してドゥドゥとコミュニケーションを取ったあとからのプレス。

全体的に押し上げが弱くなるのですが、左に入ったドゥドゥも下がり気味になります。

ただ、ちょっとポジションが中途半端じゃなかろうか。合わせて、鈴木惇や山瀬の動きもちょっと遅いかなーと。

単純比較は出来ないですが、最近毎回のように「似てる」と言い続けているマンチェスター・ユナイテッドの守備を参考にしてみると。

先日のウエストハム戦、灰色のユニフォームがマンチェスター・ユナイテッドです。

ブロックを作ってから守備をする際にもセンターラインがきっちり前線について動き、赤円の付近でしっかり人が配置されるのですが。

上の画像と比較してもアビスパは前線の後ろがポッカーンと空いてしまいます。

井原監督はしきりにラインを上げろと指示をしていましたが、この辺を気にしていたんじゃないかなと思います。

ドゥドゥは前に出るときに後ろを気にしたりしていたので、もしかしたら後ろと前のギャップを感じていたのかもしれません。後ろは後ろで最終ラインは上がったんですけど、中盤がの上がりがやや遅れるケースもあって、バランスは良くなかったと思われます。

井原監督は同じタイミングで指で松田と同じように「2」を示してしきりに指示をしていました(第4の審判に注意されるくらい)。個人的には守備における前線の人数を指していたんだと思うのですが…。

井原監督は試合の始めは指示出しに忙殺されていましたが、チームの認識をそろえるのにアビスパは時間がかかっていたように思います。その結果、岡山に主導権を渡してしまったかなと。

讃岐戦でもあった対アビスパ福岡用「カウンター外し」

「カウンター外し」というのは個人的な用語です。

上記のように前からのプレスを抑えたアビスパ福岡。もちろん、開始直後のプレスを最後まで突き通すのもまた難しいので、どこかで試合を落ち着ける必要は合ったと思うのですが。

ある程度ブロックを作って、中盤で奪ってカウンターという感じだったとは思うんですが、岡山がそれに乗ってきませんでした。

アビスパとしては、ボールをもうちょっと回して縦パスを入れてほしいけど、その前にロングパスを蹴られてしまう。という感じです。

これは讃岐戦でも見られた展開ですが、レノファ山口戦、ジェフ戦と中盤で奪って攻撃に移るという方向性では良い形を作れたのですが、相手もそこは対策を練っているようです。まあ、そりゃ相手のストロングポイントを無策に受け入れるチームもいないと思いますけどね…。

迂闊にアビスパ福岡のブロックの中に縦パスを入れると、そこからカウンターに持ち込まれます。

ユ・インスやドゥドゥのスピードを活かした縦にスピードある展開に持ち込まれるのは相手チームとしても嫌な展開です。

そこで、讃岐そして、岡山が採用してきたとみている作戦が「ロングボール戦術」。

つまり、アビスパ福岡が待ち構えているカウンターの網を飛び越して、前線にボールを当ててしまおうという狙い。

ただ、キック&ラッシュの展開に持ち込むわけではなく、ブロックをつくって下がるアビスパ福岡相手にある程度ビルドアップはするものの、センターライン付近まで上がったら、そこからゴール前のターゲットめがけてロングボールを入れる形です。

その結果、中盤で奪いたいアビスパの守備は中盤でパスを受けようとする選手に向かって下の画像のように赤い枠に集中します。

しかし、最終ラインではリカルド・サントスが最終ラインに対して仕掛けています。

その結果、最終ラインと中盤の間にスペースができます。ここにいち早く入ってくるのは岡山の選手です。セカンドボールを狙っているわけです。

この上のシーンからロングボールが入って、堤がクリアするんですが、岡山の選手が山瀬一人に対してロングボールを蹴った選手含め3人が突っ込んできます。

このシーンをもうちょっと落ち着いてボールを繋いでマイボールにできたら良かったんですが、突っかけられてバタついた結果、相手のペースに持ち込まれたかなと。

讃岐戦でもこのボールの入れ方はされていましたが…。そうするとアビスパは処理にバタつくんですね。

バチーン。と、一発で跳ね返せたらいいんですけどね。

これまで岡山のワントップには赤嶺が入ることが多かったようですが、リカルド・サントスを入れてきたのは連戦のターンオーバーなのか。

それともこのロングボールのターゲットマンだったのか。はたまた両方を狙っていたのかは判りませんが、このリカルド・サントスへの対応に堤と篠原が苦慮していたのは間違いないかと。あわやなシーンも作られましたし。

また、競り勝ってもセカンドボールも突っかけられる。その結果、岡山に押し込まれる時間帯を作ってしまいました。

多少押し込まれることに対してアビスパはどちらかというと「耐性」は高いチームだと思います。

ただ、今回はそこを「ゴラッソ」で持っていかれました。

必要以上に相手に押し込む時間をもたせてしまったという反省点はあるのかもしれませんが、これもやっぱりどうしようもないところです。相手を褒めるしかない。

相手の対策もしっかりしていたし、自分たちの狙いが裏目になった上に、1シーズン通して見ても、そうそうでないようなゴールで失点…。

こればっかりは日が悪いわ。

というのが、前半戦を終えたところでの正直な感想です。

平尾と駒野を入れ替えた理由

後半、井原監督が動いてきたわけですが。

この左右の入れ替えの真意は監督に聞いてみないと判りませんが、おそらく本来の予定ではもっと平尾にはユ・インスのように前に出て勝負してほしかったんだと思います。

その上で、實藤の攻撃参加を活かすというプランが井原監督の中にあったのでしょう。昨年からアビスパ福岡の3バックはサイドのCBが高い位置まで押し込んでサイドで数的優位を作るシーンが多いです。

しかし、前半平尾の右サイドが機能したとは言い難い。また、實藤もほとんど攻撃参加できませんでした。

どちらかと言うと、駒野のいる左サイドのほうが攻撃としては機能していました。

ところが、左のCBに入った篠原はボールをもって攻撃を押し上げるようなタイプの選手ではありません。

それなら、堤を左に置いても良いと思ったんですが…。

篠原は昨年このファジアーノ岡山の3バックの中央を担当していました。中央での適正がないとも思わないのですが…。井原監督的には何か理由があったのでしょう。

考えられる理由としては、ビルドアップで中央から正確なキックでボールを運ぶという役割が堤にはあったのかもしれません。

上の写真でアビスパのプレスのシーンにて岡山の3バックがボールを運ぶ映っていますが、結構近い距離を保ちます。

アビスパは岡山と比べて下の写真のように、3バックがワイドに広がります。

ここをある程度精度の高いパスでつなぐとなると、適任は篠原ではないのかもしれません。

となると、攻撃のお仕上げは實藤に頑張ってもらうしかないのですが。平尾では機能しない。とはいえ、連戦中の早い時間で簡単に選手は交代したくない。そこでポジションチェンジ。という感じでしょうか。

真偽はわかりませんが、そんな感じで攻撃に関してはキッチリとテコ入れを考えていたアビスパ福岡。

後半の入りは右サイドから攻撃を構築して、リズムを取り返したようにも見えたんですが…。

この試合で不満点をあげるとしたら、石津の守備意識

石津が投入された理由は守備ではなく攻撃だとは思います。勝ち越し点を取ってこいということだったはずです。

とはいえ、守備でやらかされてしまうとやはり厳しい。

ゴールエリア手前で、セルフジャッジはなあ…。

確かにボールで関係ないところで鈴木惇が倒されて、その影響でボールをロストした感もありましたが…。

だからといって審判が笛吹いてないのにプレーを止めるというのは、フォローしようがない。審判の顔見てる場合じゃなくないかなー。

審判が流したと見るなり走り出しますが、時すでに遅し。

石津が気を抜かず、追いかけていたら相手を止められていたかは神のみぞ知るですが…。正確なキックをさせない邪魔くらいはできた気がするんですけどね…。

学生スポーツでもセルフジャッジは結構な大罪ですけど(あとで監督からしこたま怒られるパターン)…。それ以後のプレーを見ても石津はちょっと試合に入れてる感じしなかったですね…。

あ、そうか。雨が降ってるから自慢の髪型が(あとは自主規制)。

やっぱりセルフジャッジはしっかり試合に集中していればそうそう起さないミスだと思うので…。3位、4位の直接対決かつ、連戦の厳しい時期という状況を考えても…。いろいろと石津は厳しいなと言わざる得ないのでしょうか。プシュニクが監督だったら即戦えていない選手指定されていたのでは…。

もちろん、相手のシュートが素晴らしかったというのもありますけどね。

そこもまた今日は「アビスパの日じゃない」感はありました。

それでも追いついた

とはいえ、それでも追いついたのは大きいと思います。

首位の大分が勝っていただけに、勝利しておきたい展開ではありますが、アウェーかつアビスパにとって裏目な展開で引き分けた価値は高い。

堤のクロスがオウンゴールになったあたりも、ツキもある。

結果、無敗状態は続いています。

十分に負けてもおかしくない展開でしたから。これはこれでチームとしては大きいのかなと。

ただ、ボールを持たせた相手に簡単にロングボールを入れられた時どうするのかはチームとしてそろそろどう対処するか整理したいですね。


【参照:Football LAB http://www.football-lab.jp/summary/team_ranking/j2/?year=2018&data=possession

次節は現在降格圏の愛媛戦ですが。上記の画像は今シーズンのポゼッションのランキングです。

アビスパが巧いことカウンターからタテの展開を作れた千葉、山口は赤線で囲んでいますが、ポゼッションを重視したチームです。このチームにはそもそもアビスパは相性が良い。

しかし、次節の愛媛はそこまでポゼッションを取ってきません。この2試合イマイチ序盤の試合の入り方で良くない時間帯になってしまった讃岐と岡山もポゼッションも下の方です。

シンプルに後ろからボールを入れてきてもおかしくない。

蹴る前からプレスをかけるのか。最終ラインで跳ね返してそこから、きっちりセカンドボールをマイボールにするためにはどうしたら良いのか。

それとも最初からポゼッションを取って、相手を押し切るのか。

相手がポゼッションを重視してこないチームだとアビスパは試合展開が悪くなりがちです。ここをまたしくじると、調子の悪い愛媛とはいえ苦戦しそうな予感も。

井原監督が「ポゼッションしてこない」相手にどういった策を練るのか。愛媛戦はそのへんを注目してみたいと思います。

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