キャプテンをローテーションしている意味とは。失点シーンを殊更に問題視してみる。第12節アビスパ福岡 vs モンテディオ山形戦を振り返る

スポンサーリンク

勝ったことは喜ばしいのですが、問題は勝負どころでやられていること

枝村の劇的なゴールで勝点3を手にしたアビスパ福岡。

上位の大分、岡山が敗戦したため非常に大きな勝利となりました。

できれば素直に喜びたいところなんですが。

結果は良かったんです。ただ、J2優勝とさらにはJ1でも通用するチームを作ることが目標である以上、試合運びの下手っぴさがひどくて、スカッとしないわけです。

井原監督就任1年目のシーズンならまだ喜べたんでしょうけど…。

そのへんの心根をTwitterで吐露した瞬間にフォロワーが2人減りましたが、勝利を喜べないやつはダメだってことなんでしょうね。

ということで、やや反省しつつも今回は皆さんの勝利の喜びに水を指してしまうかもしれませんが、天邪鬼な感じでお届けしたいと思います。

アビスパ福岡フォーメーション

ゴールデンウィークの連戦期間中。選手のやりくりも考える必要があると思われますが、選手を入れ替えてきた井原監督。

基本の 4-4-2 は変わらないものの、意外だったのは田村。

確かに前回、前々回の記事でも書きましたが、失点のきっかけは中盤の守備の薄さだと感じていました。ウォン・ドゥジェの穴は痛いなと感じていたのですが…。

そもそも田村を「ディフェンダー」扱いだと思っていた。かつ、井原監督の評価がそこまで高くない(特にボランチ、センターハーフとして)。

というのが田村の評価だと思っていたのでセンターハーフでの起用はまったく頭にありませんでした…。

年明けの練習でも中盤の田村の動きはいいとは思えませんでしたし、練習中早々に3バックの左にポジションを移されていましたが、そこでも判断の遅さが目立っていたので、ちょっとキツイなと個人的にも思っていました。

しかし、守備のことを考えれば山瀬や枝村ではなく田村という選択肢はありかと。フィジカルも強いですし。

連戦で選手を入れ替えつつ戦う必要がある中で出てきた案ではあると思うので積極的な起用なのか謎すが…。

しかし、結果としては田村の存在が明暗を分ける結果になりました。

あと、石津がFW復帰ですが、石津を使うならこの位置しか無い。というのがこの2年での結論ではないかと思っています。

チームスタイルが変われば別だとは思いますが、現状中盤のポジションで起用しても違いが出せない上に、鈴木惇と役割がバッティングする危険性もあり。

役割がバッティングしてでも結果を残してくれたらいいですが、中盤では確かにボールに触れますが、触れるだけなことが多い。

そういった状況での起用は石津にとってもアビスパ福岡にとってもプラスじゃないはず。

とはいえ、井原監督としてはその壁を突き破ってほしいということだと思うのですが…。

前半は、ややモンテディオ山形ペース?

試合の入りはおそらく両チームともにある程度想定した形では入れたと思います。

アビスパ福岡としては、引いて守るモンテディオ山形に対してある程度ボールを持ちながら、攻撃を仕掛ける。

モンテディオ山形としては奪ったボールを早めに展開して、高めのポジションを取ったサイドバックの裏から仕掛けるという狙いだったのかなと。

サイドチェンジを交えた左右に揺さぶる展開もありました。

ジェフ戦でもサイドチェンジでの展開を狙われていましたが…。

アビスパ福岡としてはサイドに揺さぶられたときに脆さがでることがあります。

その傾向は今シーズンは横浜FC戦で顕著でした。

【第8節 横浜FC戦】

【アビスパ福岡を分析するブログ】勝ちきれなかったじゃなく、負けなくてよかったも成立するんじゃないの?第8節横浜FC vs アビスパ福岡戦を振り返る
勝てた試合か。負けなくてよかった試合か。 一度はリードしたところを追いつかれているので「勝てた試合」と考えるのが普通なのかもしれません...

4-4-2のゾーンで守る場合ボールサイドに守備が寄る傾向があるので、逆サイドへ展開された場合に問題が発生しやすい守備ではあります。

横浜戦以降は度修正できているかなと思うので、大丈夫だとは思うのですが…。しばらくすると思い出したかのように穴が空くのでやや心配ではあります。

とはいえ、引いた相手に決定機を作れず、カウンターをある程度許している状況というのはボールをキープしているとはいえ、アビスパ福岡としては今季の「あかんやつ」です。

相手が引いてしまうとさすがに難しい

3バックのモンテディオ山形でしたが、実情はほぼ5バック。

相手が後ろに引いてしまうとなかなか崩すのは難しい。

アビスパは高さがないので、どうしても地上戦で優位に立つしか無いのですが、相手が人数をかけて守ってきては崩すのは容易じゃないです。

こういうときに高さは欲しいですが…。

しかし、しつこいようですがほんとに今季はマンチェスター・ユナイテッドにそっくりです。

DAZNをご契約している方はぜひ、5月5日のvsブライトン戦を見ていただければと。引いた相手にボールを持つも決定機を作れないまま、相手の勢いに押されて失点。

前線のルカク不在のため、高さがなく相手の守備を崩しきれずに1-0で敗戦していますが、見ていてボールをキープしているのに勝てない展開まで似ています。

まあ、サッカーではよくある展開といえばよくある展開なのですけどね…。

ただ、それを単純に受け入れてたら、優勝できないんです。ユナイテッドは今季下位相手に取りこぼしてますからね…。

もう1手タメが欲しい

縦に早くという意識は悪いことではないと思っています。

ただ、ゴール前の攻めでアビスパはもう1手、タメを入れてみてはどうか。と思うシーンが個人的には少なくありません。

特に石津が入るとこのケースになりやすいのが、以下のような形。ゴールエリアの角付近で細かいパス交換で基点を作って裏のスペースやサイドのスペースへ展開する流れですね。

このシーンではタテに抜けようとするドゥドゥへ前を向いた鈴木惇がパスを出します。

展開としては悪くないのですが、このタイミングでは誰もゴール前に侵入しきれていません。後ろからユ・インスがエリア内に入ろうとしていますが、距離があります。

石津も斜めにゴール前に侵入しようとしていますが、相手選手と被ったりして、動き出しがやや遅れます。

縦に素早い展開なので、後ろがついてこれないのもある程度は仕方ないのですが…。アビスパの攻撃はこのケースが多い気がしています。

特に石津が出ると多いです。なぜなら、ゴール前でも低い位置でボールに関わろうとするケースが多いためです。

一概にそれが悪いというわけでもないのですが、石津が下がり、ドゥドゥが外へ流れれば、まあ普通にゴール前に人がいなくなります。

その代わり上記のように細かいパスから、ドゥドゥのタテへの素早い展開が生まれてはいますが…。

ゴール前に走り込む選手が少なくてはせっかくの展開ももったいない。

ならばもう少し全体でゴール前に入り込む形というのが作れないのかなというのが、現状のアビスパ福岡への疑問であったりもします。

前ばかりではなく、後ろを向きでプレーしてもよいのでは

消極的になるくらいなら、積極的に前に出た方がいいのですが、個人的にはもう少し後ろを向いてプレーする選手がいても良いんじゃないかと思っています。

上記のシーンで言えば、オフサイドラインで青い矢印の方向、つまり後ろを向いて待ち構えてプレーする人。です。

展開によってはゴールラインギリギリのところでも良いと思います。

一言で行ってしまうとポストプレーヤーと言っても良いかもしれません。

別にトゥーリオのようにフィジカルに優れている選手を入れろと言うことではなく、石津や、ドゥドゥがその役割をもっとやってもいいなじゃないかなと。

森本も中盤のビルドアップのタイミングでは、下がってポストに入りますが、ゴール前ではあまり見せません。どちらかと言うと、前を向いてゴールに向かってプレーしたい感じです。

石津も後ろ目からゴールに向かってプレーしたがりますが、ゴール前でボールを叩いてくれる人がいれば入りやすいでしょう。

縦パスを叩いて、鈴木惇にリターンしてミドルシュートやそこから改めて裏に抜ける選手にスルーパスという展開もあるかもしれません。

ドゥドゥはスピードが売りなのは判りますが、そればかりというのはやはりディフェンスする側としても予測しやすいはず。

変化をもっと付けていかなと厳しいのかなと。

連動性も乏しいのかな…

石津はゴール前の最終ラインから距離をとって、スペースにポジショニングするのは巧いです。

するするっと相手と距離をとってゴール前のスペースでボールを貰います。

ボールが入れば、相手のCBを釣り出すことができます。

しかし、誰もそのエリアを使う選手がいません。

石津も囲まれているのでこのスペースにドゥドゥが走ってもパスが出せたか謎ですが…。

パスを出した鈴木惇も棒立ちで見ているだけ。フォローに入ってリターンパスを受けて再度前を向いて展開できればもっとスペースも活かしやすかったかもしれない。

せっかくの石津の動きを誰もフォローできないのもいかがなものかと。

DAZNでは山形の守備は硬い硬いと連呼していましたが、ミスも多かったですし、崩せそうな予感もあったんですが…。

チームとしては徐々に良くなっている傾向はありますが、相手が引いて押し込んだときの攻撃はほとんど積み上げがない気がしています。

ゴール前のフリーキックも増えないか…。

ゴールエリア前直前のところでワンタッチでさばけるのであれば、ゴール前の良い位置でファールを受ける回数も増えないかなと思っています。

せっかく駒野、鈴木惇、エウレーとプレースキックが蹴れる選手がいるのであれば、ゴール前の近い位置でファールをもらうシーンはもうちょっとあってもよいのかなと。

もちろん、裏で勝負して抜けてPKを貰いに行く形も良いとは思いますが、相手もエリア内は気を使うでしょうし、審判もPKの笛は慎重になります。

ゴールエリア外なら、比較的簡単にファール取ってくれると思っていますが…。

特に今日のような「相手が引いてくる」展開であるなら、ゴール前で後ろを向いてボールを叩く。あわよくば、ファールをもらって近距離のフリーキックという狙いがもってあってもよい気もしますが…。

結局ゴールはドゥドゥの個人技から

前半は確かに両チームとも狙い通りに試合を展開できていたかもしれませんが、やろうとしていることがシンプルな分、山形に分がある感じていました。

逆に言うと、攻撃の連動性と工夫が足らないと感じるアビスパ福岡のほうが分が悪く見えました。

このまま先制点を取られ、かなり厳しい展開になりそうだなと言う予感がありました。

しかし、ドゥドゥが相手との駆け引きから先制点を奪いました。

もちろん、得点は石津ですが、ほとんドゥドゥのゴール。さすがドゥドゥではあるんですが…。

結局、ドゥドゥの個人技。それは素晴らしいんです。

しかし、このままだとまたウェリントン頼みの攻撃で硬直化した昨シーズンのようになりはしないかなと。

讃岐戦も結局ゴールをこじ開けられず、ドゥドゥに助けられていますが…。

もちろん勝つことに越したことはないですが、いつかどこかで見てきた道を果たして喜んでいいのか非常に複雑です。

昨年のとは違うというところを見せるためにはもっと「組織」で試合を動かしてほしいんですが…。それは守備も、攻撃も同じくですね。

勝負どころでやられるのは…

65分頃、ドゥドゥが足を踏まれたタイミングで即森本と交代。

森本の投入はある程度予定通りだったとは思うんですが…。連戦もありますし、ドゥドゥとの交代は足を踏まれたこととは関係なくあったのかもしれませんが…。

ドゥドゥが抜けて、攻撃のリズムを失うアビスパ福岡…。

ドゥドゥはいい選手ですし、この日はシュートがなかったみたいですが、ボールを引き出したり、ルーズボールに対して体を張るシーンも多く前線で攻撃を支えていました。

この選手を入れ替えるに当たって、井原監督はこの山形戦をどう終えたかったのか。

点を取りに行くにしても、結局中途半端でしたし、守備を固める逃げ切るという感じもせず。

森本が入ってから、後方からビルドアップせず蹴り出す展開が増えましたが…。結果的に完全にリズムを失います。前目に来る相手の勢いをすかしたかったのかもしれませんが…。

結局相手のリズムにしてしまい押し切られました。

實藤の捨て身の守備は…

この日、サイドバックに入った實藤ですが守備においては、きっちり仕事を果たしていました(ただ、このシーンから立て続けに實藤のところからやられたのはちょっと…)。

しかし、失点直前のシーンで後手を踏んでしまいました。

完全に振り切られそうになったところを後ろから手をかけて止めました。實藤としてもここでやられるわけにはいかない。そう思ったと思います。

個人的には、ここは勝負どころだと思いました。

實藤がイエロー覚悟で止めたシーン。絶対チームとして押し切られてはダメな場面です。

例えがわかりにくいと言われるかもしれませんが、野球でいえば、1-0でリードしている8回裏。2アウトながら味方のエラーでランナー2塁の場面と言った感じでしょうか。

一打同点のチャンス。同点にされれば、一気に相手に流れが行って最終回を迎えなくてはならなくなる試合の流れを大きく代えてしまう大事なシーンです。

ここはチーム全体で「勝負だぞ!」となる場面。アビスパ福岡にその気持ちがなかったとは言いませんが…。

セットプレーのクリア含めて3回。

ボールをクリアできるチャンスがありながら、相手に引っ掛けられてクリアしきれず押し切られました。

勝負どころやぞー。

一発で沈められたならまだしも、3回やぞー。

千鳥のノブのような声が出てしまいます。

相手もチャンスを決めるために必死でプレーしてくるわけですが、それを跳ね返してナンボでしょうと。

優勝するんだろうよと。

そんなことでどうするんだ、昨年から何度大事なところで押し切られて痛い目見てきたあああぁぁぁ…。

勝ちに不思議の勝ちあり 負けに不思議の負けなし

このブログを始めて何度使ったか判りません。

元楽天ゴールデンイーグルス野村監督改め、心形刀流免許皆伝 松浦静山さんの剣術指南書に書かれたお言葉です。

試合の流れ的には完全に後手を踏んだアビスパ福岡ですが。ツキは離していませんでした。

やっぱり空中戦って大事ですね。

田村がいなかったらこのシーンは来なかったでしょう。それこそユナイテッドのフェライニを彷彿としました。

枝村もよく触りましたが、こんな展開もあるのかと。

勝ったことは非常に良かったです。

でも、この試合展開は喜べません。原因は違うかもしれませんが、試合内容的には讃岐戦とそこまで変わらないんじゃないかなと。

これまた不安定な試合だったと思います。

だからこそ、いつまでこんな試合続けるのかと

連戦中にチームを修正するのは難しいと思いますが、攻撃面はもっと上積みしてほしいよなというのが正直なところです。

組織的に崩して点を取れなくては、今後ドゥドゥ不在時にどうするのか。

もちろん、単純に代えの効くような選手ではありませんが、甲府戦では確実にいないドゥドゥ。

累積警告による不在も考えられます。もっと攻撃シーンでの充実がないと今後シンドいことが多いのかなと。

また、勝負どころで守りきれないところも、やっぱり問題です。

もちろん、相手のことあってなので、すべてをクリアすできるわけじゃないのですが…。

昨年からの課題を克服しなくては仮にJ1上がったとしても、その先まで考えられないでしょう…。本当の目標はその先にあるわけですから。

キャプテンがローテーションしている意味

個人的にはできればキャプテンシーの高い選手にお任せするのが良いと思っているのですが…。

キャプテンをローテーションさせている意味は、山形戦の失点シーンのような場面を克服するためのキャプテンローテーションだと思っています。

失点シーン直前の實藤のプレーを見て、キャプテンとしてすべきことは「絶対守るぞ」とチームを鼓舞することでしょう。

その気持ちを全員が強く持てるように。

そういう意味で井原監督はキャプテンをローテーションさせているんだと思うのですが…。失点シーンはどのチームのキャプテンにも負けないくらいの闘争心を全員が持てていたでしょうか。

なんだかんだ負け無しで上位に上がってきましたが、まだまだチームは克服すべき課題が多い。

その課題はうっかり足を救われても全然おかしくないくらい大きな課題だと私は思います。それはJ2を優勝し、その先の目標を達成するためにもチームとして克服してほしい課題ではありますが…。

そういった意味で、山形戦のような試合をいつまでもしていてはダメだと。思うんですけどね…。

勝負論 ウメハラの流儀 (小学館新書)
  • 梅原 大吾
  • 価格   ¥ 799
  • 販売者 Amazon.co.jp
クリックして今すぐチェック
スポンサーリンク

シェアする

フォローする

スポンサーリンク