長崎戦の敗戦は「自分たちの戦術を信じられなかった」から?サイドチェンジに泣いたアビスパ福岡の戦いを振り返る

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アビスパ福岡はまだまだこれからのチームなのだから

1つの敗戦に打ちひしがれる事なく、前を向いていきたいところですが。

とはいえ、ホームで負け過ぎなアビスパ福岡。

ということで、実際どれくらい負けているのか調べてみると。

第28節終了した8月17日現在、プレーオフ圏内を含めた上位6チームで比較してみると。

  • 湘南 :ホームでの敗戦 3(13試合中)
  • 福岡 :ホームでの敗戦 6(15試合中)
  • 名古屋:ホームでの敗戦 3(14試合中)
  • 徳島 :ホームでの敗戦 3(14試合中)
  • 長崎 :ホームでの敗戦 2(15試合中)
  • 東京V :ホームでの敗戦 2(14試合中)

とまあ、4割の確率で負けているアビスパ福岡。

じゃあ、他のチームはそんなに勝ってるの?と思って知れべてみた所。

湘南、名古屋はさすがに勝ち切ってるのですが。どちらかというと、気になったのは引分数。

  • 湘南 :ホームでの引分 2(13試合中)
  • 福岡 :ホームでの引分 1(15試合中)
  • 名古屋:ホームでの敗戦 2(14試合中)
  • 徳島 :ホームでの敗戦 6(14試合中)
  • 長崎 :ホームでの敗戦 3(15試合中)
  • 東京V :ホームでの敗戦 4(14試合中)

湘南、名古屋と引分数はさほど変わらないものの。1試合しか引分がないというのは、ちょっと極端かなと。

仮にあと2試合引分に持ち込めて、「引分数3」であれば状況はだいぶ変わっていたと思います。

こう見ると、ホームに弱い理由は「勝ちを意識しすぎてる」のか?

と思ったり。

勝てないではなく、「引分に持ち込めない」という観点で見てみると長崎戦も少し違う角度から発見があるのかなと思ってみたものの。

先制点を取られると不利なのは仕方ないのですが…。相手に引かれてしまうと中々崩せません。

全然関係ないですが、J黎明期の選手が監督になる時代ですが、中でも高木監督は年取ったなーと。ちょっと前は青年監督といったイメージだったんですが、いつの間にかベテラン監督の雰囲気になったなあと。

逆に井原監督は現役の頃からほとんど変わらなない感じはすごいよなー。

なんてことを思いながら第28節福岡アビスパvs V・ファーレン長崎戦を振り返ってみたいと思います。

アビスパ福岡フォーメーション

ベンチ入りしていたものの、結局出場しなかった松田。

最初は松田は状態が良くないのかなと思ったんですが。

これは長崎の引き気味の守備を想定して、井原監督の意図的なところもあったのかなと。

松田に代わって先発は途中出場が続いていた石津。

おそらく、5バックになる長崎のゴールをこじ開けてこい。という狙いが石津をチョイスさせたんじゃないかなと見ています。

これまで石津とジウシーニョを先発から同時に起用する形は井原監督はあまり積極的ではないように見えたので意外といえば、意外。

ただ、どうしても点を取らなくてはならないシーンでは、同時にピッチに送り出したこともありました。

おそらく、長崎の守備を崩すには石津の攻撃力が必要と判断したのでしょう。

フォーメーションは4-4-2で変わらず。

アビスパ福岡が4-4-2にフォーメーションを変更したときに解説で「相手に合わせてミラーゲームを作る」という説明をされる方が数人いらっしゃったのですが、3バックかつ、1トップ2シャドーの長崎に4バックを当ててきたところを見ると、井原監督は単純にミラーゲームを作ってるわけじゃなさそうです。

となると、ターゲットマンのファンマにと2シャドーを4バックないし、三門、ウォンドゥジェがどう守るのかも気になるなといった感じだったのですが…。

慎重な試合の入り方だった?アビスパ福岡

試合の序盤、アビスパ福岡はやや長崎のウィングバックの上がりを警戒してか、山瀬も石津も深い位置で守備をします。

上のシーンはゴール前まで攻め込まれているので仕方ないといえば仕方ないのですが。

とはいえ、両サイドが深い位置まで下がるので、カウンターの基点がなくなります。前線にはウェリントンと、ジウシーニョがいるわけですが。

ここでは、ジウシーニョもだいぶポジションを下げています。おそらく、このシーンでは攻撃に移行した場合に、ジウシーニョがボールを受ける体制を取っていたのかと。

ただ、ちょっと守備に人数をかけているように見えました。

少し後ろが重いなーと思っていたんですが。

それは、岩下が前を向いてパスをカットしたシーンでも見受けられました。

岩下が良い形でパスカットし、前方にスペースがあったんですが。この時、守備の関係もあったとは思いますが、山瀬と石津はともに左サイドに。

ジウシーニョもウェリントンも距離があり、このスペースに誰もポジショニングできませんでした。

岩下は「なんでだ!」と、言わんばかりに不満を露わにした先には山瀬がいたので、ここは山瀬が攻撃の起点になるべきだろうというのがあったのかもしれません。

ちょっとアビスパ福岡の試合の入り方は守備に意識が高く、慎重だったかなと。

ただ、ここからロングボールでアビスパ福岡はリズムを作り始めます。

ウェリントンに当てて、こぼれたボールを拾って攻撃を展開。

ビルドアップするにしても、高い位置からプレスにくる長崎の守備をかわしてボールを前に運べていました。

三門が最終ラインのちょっと前でボールを持ったシーンですが。

長崎は前半は終始高い位置から守備をしてきました。

ワントップとシャドー2枚がセンターラインを越えて守備をしてきます。

しかし、アビスパはこの守備を苦にしていませんでした。このシーンでは三門が持っていますが、ここからウォンドゥジェとのパス交換で上がっています。

相手を押し下げつつ、中央に入った石津が再びサイドのスペースに出てボールを受けるなどパスコースも作れていました。

序盤慎重な入りだなとは思ったんですが、すぐに主導権を握って良い形で試合を進められていたのですが…。

アビスパ福岡のミスからリズムを取り戻したV・ファーレン長崎

序盤は長崎がボールを持ったものの、徐々にアビスパのペースで試合が流れ始めたのですが。ちょっとしたミスからアビスパ福岡がペースを失います。

前節京都戦でも2度サイドチェンジのパスをカットされるシーンがありました。致命傷には至らなかったかつ、左右の揺さぶりから攻撃が活性化したこともあって必要な代償かな。

くらいに思っていたのものの、ちょっと気になっていたんですが。

アビスパ福岡はサイドチェンジのパスのミスからペースを失ってしまいます。

まずは、石津が右サイドの駒野に通そうとしたパスをカットされてから。

逆サイドを駒野が上がっていたのですが…。

長崎にカットされ、逆襲を受けてしまいます。

そして、ここから長崎に連続コーナキックを与えてしまいます。ちょっと嫌な時間帯にはなったんですが、なんとか連続コーナーキックを防ぎました。

その後またペースを握ったアビスパが盛り返すのですが。

またも前半終了間際にサイドチェンジをカットされて流れを失います。

ウォンドゥジェが相手を押し込みながら、やや右サイドでボールを保持。

逆サイドの亀川にサイドチェンジのパスを出すのですが。

亀川には届かず…。

またもサイドチェンジの形から押し込まれてしまいます。

岩下のミスの伏線?

このシーンは岩下のミスの伏線になっていたのかなとも思ったり。

このあと、ビルドアップのタイミングで三門が上記のシーンと同じような形になるのですが。

この時、三門も逆サイドを気にしていたので、頭には「サイドチェンジ」があったと思われます。

逆サイドの状況を見て難しいと判断したのか。三門はボールをウォンドゥジェへ戻します。

Daznの映像ではこの時亀川がどのようなポジショニングで、相手のマークがどういった状況だったかが映っていないため判断できないのですが。

三門は自分がパスコースを作るような感じで上がっていきます。この動きからも逆サイドの状況が芳しくないのだろうと思えるのですが。

ウォンドゥジェも逆サイドを気にしているようだったんですが状況が悪かつ、前のミスが頭をよぎったのか。岩下へのパスを選択します。

しかし、岩下はこの状況を想定していなかったようで。

パスを受けた岩下が、トラップをミスして相手にボールを奪われてしまいます。相手が突っ込んできているプレッシャーが気になったでしょうか。

岩下はこのシーンの後、ウォンドゥジェに指を2本立てて何かまくし立てます。

ウォンドゥジェと岩下の間に共通の言語があるか判りませんが、直前のシーンから見ると

「プレスが2枚も来ているのに最終ラインに戻すな」。

といった感じでしょうか?

結局このミスから自分たちのペースを失ったアビスパはそのまま押し込まれて公式記録ではオウンゴールとなる失点を喫してしまいます。

京都戦の後半に攻撃のリズムを取り戻した左右の意識、つまり「サイドチェンジ」がこの試合では機能しなかったことが敗因な気もします。

逆に自分たちを追い込んでしまったように思います。

3バックでウィングバックを置く長崎ですが、シンプルに考えて、守備時に5バックになる長崎相手にはイマイチ効果が薄いというか、対策されやすいような気もしますが…。

ウィングバックがいて、最終ラインに5枚並ぶからと言って3-5-2でガッチガチのリトリートをしていた過去のアビスパ福岡は左右に揺さぶられると脆かったなんてこともあるので、やり方次第なのかもしれませんが…。

この日のV・ファーレン長崎のリトリート時の5-4-1の状況は過去のアビスパ福岡を彷彿とさせるものがありましたね…。

自信を持っていこう?

ハーフタイムの井原監督の支持に「自信を持っていこう」という言葉があったようですが。

Daznの実況だったFBS福岡放送の浜崎さんはこの言葉に違和感を感じたようで、「アビスパ福岡は自信を失うようなことがありましたか?(うろ覚え)」的なやり取りを解説の中払さんとしていました。

個人的な推測ですが、最近の試合の流れと長崎戦の試合の流れを見る限りサイドチェンジの事をいってるんじゃないかなと。

攻撃の中で意識的に使ったようですが、そこからピンチを招いてしまっているわけで。

指揮官としては「もっと自信持ってやっていこう」と言いたくなるところかなと。

完全リトリートの長崎相手に…

後半に入って、V・ファーレン長崎はほぼリトリート。

ブロックも5-4-1よいうより、状況によっては5-5じゃないかと思えるような形に(試合終了間際は6バックに)。

これに対して、アビスパ福岡も打開策を打ったのですが…。

打開策はやっぱりサイドチェンジ

リトリートした長崎に対して、最終ラインで余裕をもってボールを持てるようになったアビスパは岩下と冨安がワイドに広がってポジショニング。

左サイドに寄った岩下からロングボールを入れる形が主なビルドアップに。

ただ、単純に入れてしまうと前半と同じ状況になるため、一旦中央でウェリントンに当てて、そこから右サイドの駒野へ展開という形に。

この形でサイドチェンジが徐々にうまくいくようになります。

ただ、この日は駒野のキックの精度がいつもより低かったような…。

ウェリントンが徹底マークにあっていたので、ピンポイントで別の選手を狙っていたようにも見えましたが…。

残念ながら、他の選手はウェリントンほどミートポイントが広くないので、クロスを合わせるのも難しかったと思います。

こうして岩下からの長いボールが増えたことで、山瀬と石津が消えます。

山瀬の早い交代は、この展開が1つの理由だと見ています(もちろん、夏場の連戦などのその他複合的な事情もあったとは思います)。

特に中央→右サイドとボールが展開されるので、石津は中盤では消えてしまいましたが、駒野のクロス後の展開でフィニッシュワークにおける働きは期待されていたと思います。

そのため、交代が一番最後だったかなと。

また、上のシーンでもそうですがウェリントンがいつも以上に低い位置で競れるように石津は前に出て最終ラインへアプローチをかけて囮役も兼ねていました。

これは、山瀬と交代した仲川にも同じような指示が出ていたように思います。

しかし、そういった最終ラインへのアプローチといえば城後じゃないかと思ったんですが。

そもそもロングボールが主体になった時点で、交代カードの一枚目は仲川ではなく城後かなとも思ったんですが…。

ただ、仲川はゴール前で動き回ってボールを引き出していました。ここは城後には中々できないポイントですし、井原監督が積極的に使うことはあるなと…。

2枚めのカードはジウシーニョに代えて坂田でしたが、これはウェリントンの周りでボールを拾っていたジウシーニョがガス欠気味だったので、動ける坂田を入れたということでしょう。

そして、最後に城後投入と。

結果手に点が取れなかったので、交代カードは城後が一番最初でも良かったんでは?という思いが拭えずにいますが…。

結果的には再三ゴール前でシュートを打ちましたが、こうもゴールにならないとなる難しいですね…。

なんだか最近の日本代表のW杯アジア予選の試合を見ているようでした。

サイドチェンジを封じた長崎が優位だったかなと

自分たちの考えていた(と思われる)「サイドチェンジ」の形で躓いてしまったアビスパ福岡。

こうなると得点というのは厳しいのは必然かなと。

選手の調子というのもあったかもしれませんが、長崎のやりたい形に持ち込まれてしまったかなと。

先制点が欲しいのも分かるんですが、攻撃自体が猪突猛進なところがあるのも良くないのかなと。

先制されるとどうしても攻撃リズムがワンパターン化する傾向がアビスパ福岡にはあるように思います。

もう少し緩急というか、変化をつけたいところですが。

攻撃に関しては、降格した昨年の反省もあると思います。

自分たちから仕掛けていく」というのは大事です。

それができなかったばかりにJ1では手厳しくやられました。

ただ、J2では長崎のようにリトリートしてガチガチにゴール前を固めてでも勝ちを拾いに来るチームがいます。

それはアビスパ福岡がかつて取った手法であり、これではダメだと感じた手法でもあります(長崎の戦い方を否定するわけではないです)。

昇格してこその「次のステップ」なのですが。

J1で通じるチームを作るということで、昨年からの継続的なチーム強化という意味では、まだまだ道半ばというのが長崎戦の結果かなと思います。

1点奪いきれないというのが、まだまだ十分なレベルになれていない事を象徴しているのかなと。

J2の昇格争いの中では厳しい敗戦になりましたが、長期的なクラブ強化という観点でからはブレることなく今の路線は継続して欲しい。

Daznの映像では川森社長の姿がときおり見えていましたが、そう考えていてくれると信じています。

ただ、目の前の目標としてまずはJ1昇格という非常にシビアな現実もあります。

そういった意味では次節名古屋戦は風間八宏体制に舵をとり、「チームづくり」と「J1昇格」という2軸の中で苦しみながら戦っているチーム同士の対戦といえるかもしれません。

アビスパ福岡は井原体制3年目ですので、「チームづくり」という意味ではある程度時間が経ちました。

状況によっては「集大成」と見られてもおかしくない年月です。

そんなチームは外から見れば名古屋と同列に考えてはもらえないかもしれませんが。

ただ、アビスパ福岡はこの数年ようやく本当の意味で「クラブチーム」として動き出せたと感じています。

井原監督も新人監督として3年目です。まだまだ「チームづくり真っ最中」のチームです。

年月もバックボーンも違えども、名古屋と福岡の「チームづくり」と「結果」を求めている点は似ているところがあると思っています。

アビスパ福岡は「J1に通じるチームづくり」が目標ですからね。もちろん、昇格すること前提ですが。

そこは名古屋も同じだと思っています。

2位と3位の対決というだけで重要な試合になると思いますが、このタイミングで似たコンセプトを持つチームが対戦するというのは今後の大きなターニングポイントになる試合かなと思っています。

あくまで個人的な主観にすぎないのですが。

長崎戦は残念でしたが、アビスパ福岡の選手には「自分たちがこれまでやってきたことを信じて」プレーしてほしいと思います。

ウェリントンの欠場は痛いけど、活路はきっとあるはずです。

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