【アビスパ福岡を分析するブログ 】勝って兜の緒を締めよとは良く言いますが。湘南戦の勝利に反省を。アビスパ福岡の課題はまだまだ多い。

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アウェー湘南戦での大勝はこの最高の結果だけど…

湘南ベルマーレのアビスパ福岡戦前の失点数は「10」。

この失点の少なさはJ2トップ3に入る数字(横浜FC、東京Vに次ぐ数字)。

そんなこともあって、前回の記事で「湘南戦でケチャップ、ドバッ!(大量得点)は難しいだろう」。

【第13節:岡山ファジアーノ戦】

【アビスパ福岡を分析するブログ 】打てど打てどもゴールは遠く。アビスパ福岡にゴールラッシュはあるのか?蓄積する「ケチャップ」を検証してみる
アビスパの瓶にケチャップは入っているのでしょうか 先日もサウサンプトン所属の日本代表吉田麻也がインタビューにて、 ゴールは「ケチ...

なんてことを書いたのですが…。

ケチャップ、ドバっとでましたね。

お皿どころか、テーブルが真っ赤なレベル。

首位、湘南ベルマーレ戦にアウェーでの0-3の大勝利。

3点取れたのも大きかったんですが、「クリーンシート」で終えたというのが「堅守アビスパ」を取り戻すための「きっかけ」になったのではないかなと…。

ファン・ニステルローイが言ってたことはホントなんだなー。

と、改めてファン・ニステルローイの偉大さを感じつつ。

とはいえ、この「クリーンシート」の本当の意味は考えておきたいなと感じるところもあり…。

そんな第14節湘南ベルマーレ vs アビスパ福岡を振り返ってみたいと思います。

アビスパ福岡のフォーメーション

アビスパ福岡はいつもの3-4-3(3-4-2-1)。

先発は前節のファジアーノ岡山戦から引き続きの坂田、ウェリントン、ジウシーニョ。

その他のメンバーも変わりなし。

首位戦線に残るためにも負けられない一戦。

連戦の中日であるものの、不在の冨安は別として。これが現状の井原監督のベストメンバーでしょうか。

湘南ベルマーレが4バック?

この試合で予想外だったのは、アビスパ福岡のフォーメションより、湘南ベルマーレのフォーメーション。

これは、前半アビスパ福岡が押し込まれた理由の1つだったと思うのですが。

近年、3バックが代名詞とも言える湘南ベルマーレ。

個人的にはJ2で勝点101を獲得したときのイメージが強いんですが、あのときの3バックは正直「美しさ」を感じるくらいキマってたなという印象を持っています。

そんな湘南ベルマーレが4バックを採用。

形は、「4-3-2-1」のクリスマスツリー。

戦術的にはピルロが中盤の底で存在感出していた頃のミランやユベントスに近いかも?しれません。

このミランにしても、ユベントスにしても「3」の中央にピルロを配置。

中盤の底からピルロの展開力を活かしたサッカーが実践されるわけですが。

この試合でこの「ピルロ」の役割を任されたのが湘南の5番、秋野。正確な左足が売りの選手ですが、ピルロ役としてはうってつけなのかもしれません。

そして、その秋野の両サイドを石川、斎藤が固めます。

ピルロがいる頃のミランであれば、ここに対人プレーに強いガットゥーゾったり、攻守に存在感を放つセードルフがいました(セードルフが前に出て、アンブロジーニが入ることも)。

ユベントスだと、攻守を高いレベルでこなすポグバに、チームトップの運動量かつ高い技術を持ったデル・ピエロ以来のユベントス生粋の「バンディエラ(象徴的な選手)」が配置されていました。

前の「2-1」の攻撃のフォローから、守備になれば、刈り取り役としても機能する万能かつ、運動量豊富な選手が務める印象です。

そういったこともあり、個人的には、「クリスマスツリー」の戦術はこの「3」が非常に重要になると見ています。

ピルロはちょっと特殊な存在ですが、この「3」は通常のボランチ以上に攻守に渡って存在感出さないと後ろに人を配置している分、攻撃が薄くなりかねない。

前線の「2-1」がスペシャルな方々ならまた役割は違ってくるかもですが…。

攻撃では前線まで飛び出し、フィニッシュにも絡む。守備では前線からのプレスに加わり相手を追う。

ピンチとならば、自陣に戻って守備。

まあ、どのポジョションにもそういった動きはあるとは思いますが。

これらを高いレベルでこなす選手が揃わないとなかなか機能しないのかなと思いっています。

湘南の動きを整理すると、

4-3-2-1 の「3」のサイドが攻撃参加してきます。特に斎藤は今シーズンシャドーの位置でもプレーしていた選手。

どんどん前に出てきます。

湘南のサッカーはこうした「どんどん後ろから選手が出てくる」が特徴だと思います。

そういった意味では、3バックの時も同じようなスタイルです。

実際、どんどん選手が前に出るので攻撃時はこうなります。

中央に秋野を残し、中盤のサイドは前に上がります。そのスペースをサイドバックが埋める。

秋野はは中央で前に出た4人、もしくはトップの野田にボールを供給。

チャンスと見ればさらにサイドバックも上がって侵入してきます。

「前のめり」といっていいくらい前傾姿勢でアビスパ福岡に突っ込んできた湘南ベルマーレ。

さらに前にかけた人数で、ボールを奪われても即、前線からプレス。

湘南ベルマーレの4バックにはこうした「前線から一気に押し切ってしまう」狙いがあったと思われます。

そして、それに押し込まれてしまったのが、前半のアビスパ福岡だったのかなと思います。

ようやく本格化してきた杉山

湘南の攻撃を跳ね返せた大きな要因は「杉山のファインセーブ」抜きには語れないでしょう。

開幕前はやや不安定なところがあった杉山ですが、徐々に本格化してきたように思います。

前回J1昇格時から「守備の固いアビスパ福岡」というみられ方をしてきましたが、その「堅守」には神山や中村航輔のファインセーブがありました。

理想を言えば、シュートを打たれる前に攻撃を止められたら失点する可能性も最小限で抑えられて良いのかもしれません。

しかし、現実的にそういうわけにもいきません。

そうなるとシュートを撃たれた時、最後の紙一重の部分でゴールされるか止めるかを左右するのはゴールキーパーの質です。

堅守に安定したチームにはGKは不可欠だと思います。

しかし、開幕からの杉山には危ういプレーもあり、心配な面もありましたが徐々に本格化してきたんじゃないのかなと。

新チームということで戸惑いもあったと思いますが、アビスパ福岡の中で「自分自身のリズム」をつくることが出来たのかもしれません。

この日、いはら監督も試合後のインタビューで語っていましたが、杉山のファインセーブがなければ試合の結果は真逆だったかも…。

そんな試合の結果を左右したと言える杉山のセーブは、DAZNのJ2週間ベストセーブで堂々1位です。

杉山のファインセーブを含め、この湘南の怒涛の攻めを耐え切ったことにアビスパの勝機があったと思います。

とはいえ、勝敗は運頼み?

湘南の攻めを「0点」で終えたわけですが。それは湘南の攻撃をシャットダウン出来たかというと、そうでもなく。

杉山もほぼノーチャンスな決定的なシュートを打たれています。

枠を捉えなかったので、失点にはならなかったですが。

以前、敗戦してしまったした徳島ヴォルティス戦と勝利した松本山雅FC戦の試合におけるクオリティがそう変わらない。という記事を書いたんですが。

【アビスパ福岡を分析するブログ 】上位対決を制すも課題は山積?松本山雅FC戦の勝利と徳島ヴォルティス戦における「試合の質」を考える
ミスは多かったけど、それは「チャレンジ」だと信じたい ゴールデンウィークの連戦の最終戦。勝点が並ぶ松本山雅FCとの対戦。 かろう...

この記事で言いたかったのは、偶然でも精度の高いシュートを打たれると負ける可能性があるということ。

相手がしっかり決めてきたら、負けゲームだったという認識は大事な気がします。

今回の湘南戦もその要素は十分にあったかなと。

J1で勝てなかったのも「ワンチャンスをきっちり決められてしまった」ゲームが多かったからだと思います。

J2では相手が「シュートを外してくれる」ということで救われることも多い。このことに試合結果を左右されていては混戦のJ2をぬけ出す「安定した強さ」は手に入らないと思います。

決定的な場面を迎える前に対応するという守備は今後の課題だと思われます。

この辺は岩下も厳しくこちらの記事で指摘しているようです。

内容的には劣勢だったチームが、ワンチャンスを生かして勝利する。サッカーでは、そんな試合が比較的容易に起こりうる。 だとしても、これほど内容と結果が釣り合わない試合も珍しい。J2第14節の湘南ベルマーレvsアビスパ福岡は、まさにそんな試合だった。 前節終了時点で首位に立つ湘南が同3位の福岡をホームに迎…

ジウシーニョのFWとしての能力

守備の話はここまでとして、攻撃の話をしますと。

この試合でアビスパの攻撃にアクセントをつけたのは間違いなくジウシーニョ。

アビスパ福岡ではMF登録のジウシーニョ。

甲府時代はサイドバックで出場していたこともあり、アビスパでもサイドでの起用が前提の登録かなと開幕前には思っていました。

実際、確かにサイドよりのポジションでの起用ですが。

とはいえ、もともとはFWの選手。

ところどころで見せる「FWの顔」は頼もしい限りです。

ふらふらと攻撃参加するジウシーニョ

ふらふらと言う表現が正しいのか判りませんが。

ジウシーニュはフラーっと、ゴール前に入ってきます。

湘南戦の先制点もその形から。

動画では、ゴールシーンだけがクローズアップされていますが。

一番最初にキックフェイントを入れたのはジウシーニョ。

その後、駒野が数回キックフェイントを入れるのですが、その間にジウシーニョはパスを受けるようなふりをしつつ、徐々にゴール前に侵入。フラフラとゴール前へ。

そして、キックが上がると一気にゴール前に走り込んでゴール。相手がウェリントンや岩下などを警戒する裏を付いてゴール。

駒野曰く、「練習通り」。とのことですが、ジウシーニョのこうした動きは今回が初めてではなく。

【第9節水戸ホーリーホック戦】

【アビスパ福岡を分析するブログ 】アビスパ福岡のベストメンバーが見えた?なんとか引き分けに持ち込んだ水戸ホーリーホック戦から見えたもの
井原監督、濱田と心中しかける 前節V・ファーレン長崎戦をウノ・ゼロで勝利したアビスパ福岡。 上位対戦となる東京ヴェルディ戦を控え...

水戸戦でも石津のフリーキックのときに最初は石津の横にいたのに、ふらっと壁に入ったと思ったら、スルスルとゴール横の無人エリアへ。

【水戸戦、セットプレーでのジウシーニョの動き】

水戸のDFが壁にほとんど入り込んでいたので、キッカーの石津がフリーのジウシーニョへパスしていれば、面白かったと思うんですが…。

この時、石津がジウシーニョの動きに気がついている感じがなかったのでチームとしての共通認識はなく、ジウシーニョ単独の動きなのかなと思ったりもしていたんですが。

しかし、駒野の言うとおり狙い通りの動きであれば、警戒されるウェリントンを囮にしながら、別の選手でゴールを決めるというこれまでありそうで無かった攻撃の形が徐々に形になり始めているのかなと。

また、ゴールシーンなどは小柄なジウシーニョがFWとしてプロとして生き抜いてきた技を見た気がしました。

ゴールで競ったときジウシーニョの前にいたのは湘南の野田?だったと思うのですが。

おそらく、ジウシーニョは野田が前に入ることでボールが一瞬、見えなくなっているはず。

自分の斜め後ろから入ってくるボールはただでさえ正面から視界に捉えられない状況で、カーブがかかっています。

それが視界から消えるというのは、落下点が非常に予想しづらいと思うんですが。

一応、学生時代に野球部、ラグビー部に所属してプレーした経験から考えてもそうしたボールに合わせるのは結構至難だと感じます。

それでドンピシャ合わせきるジウシーニョの技術はすごいなと。

途中出場の石津のクロスに湘南のDFの間に入って合わせるシーンもありました(湘南GKの秋元のファインセーブに阻まれましたが)。

この時もウェリントンを警戒しているDFの後ろからスッと現れて、クロスに合わせます。

大げさかもしれませんが、小柄なジウシーニョというプレーヤーがどうやってプロとして生きてきたのか垣間見れるシーンだっなと。

渋いというか、ベテランの味というか、見ていて唸らされてしまいました。

まあ、本音をいうと、これを見せられてしまうと石津よりジウシーニョ使っちゃうの判るなーという感想でもあったんですが。

とはいえ、湘南のミスに助けられた感はあり

後半アビスパが2点を追加して結果0-3の勝利だったわけですが。

後半の始まりはまだ湘南のペースが残っていました。

しかし、三門のミドルがほぼゲームを決定づけたでしょうか。

あれだけ打って入らなかったミドルがこのタイミングで炸裂。

こちらもDAZNのJ2週間ベストゴール1位にノミネート。

うん、ベストゴールにベストセーブ同時受賞なら、「第14節のJ2週間ベストチームはアビスパ福岡でしょう!」。

と胸を貼りたいところでもあるのですが。

ただ、そう思おうとしても、やっぱり湘南のミスに助けられた感は拭い去れないかなと。

ちょうど三門のゴールと、湘南の運動量が落ち始めたタイミングが同じくらいだったと思うのですが。

前半も三門は攻撃参加でゴール前に上がっていたんですが、湘南に押し込まれていたこともあり、フリーにさせてもらえませんでした。

しかし、ゴールシーンでは湘南がサイドの守備に気を取られた感もあり、中央の三門がフリーに。

このパスを出したものジウシーニョでした。

先程は、ジウシーニョのFWらしさの頼もしさについて書いたのですが。

サイドらしさも持ち合わせているところが良い選手だよなと。

前にも少し書いたのですが、ジウシーニョは「タッチライン際」でのプレーを苦にしない。

なので、駒野が外を上がるだけでなく、内側をインナーラップできる。

これだけでもアビスパの選択肢は広がります。

こうした「サイトどらしいサイドの選手」ってアビスパに近年いなかったなと(サイドバック除く)。

城後は中に絞りますからね…。それはそれで良いこともあるわけですが。

と、この試合最後の得点はジウシーニョに代わって出場した城後のゴール。

これまでなかなか出場機会がなかった城後。

これは、本人もそうだと思いますがサポーターとしても嬉しかったゴール。

このシーンは、ゴール中央にウェリントン、石津、城後、ボールを持ち込んだ山瀬と4人がゴール前で密集。

湘南の選手もそれにあわせゴール前に。そこで、駒野がフリーで上がるスペースが出来ました。

サイドに寄せた状況から動いた三門のパターンとは真逆の形。

そこから駒野の城後へのクロス。

ここでもウェリントンの前に城後が入ることで、相手が警戒している選手と違うところで勝負出来ました。

上記のSportivaの記事では「攻撃パターンが少ない」と指摘されているアビスパ福岡ですが…。

それはたしかにそうなのですが、この湘南戦では「ウェリントン以外」で攻撃の形を作れていることが非常に大きい。

確かにクロスとセットプレーくらいしか攻撃パターンがないかもしれませんが、そこに細かいバージョン違いが出来てきてると考えたい。

そのアクセントをつけているのがジウシーニョという感じでしょうか。もちろん、チームとしてもそれは意識されていたと思います。

個人的には、石津はここにもっと絡めると期待しているんですが…。

正念場は続きますね

課題は多いものの、確実アビスパ福岡が力をつけているのは間違いないのですが…。

そこに邦本の残念なニュースが入ってきてがっかりしているサポーターも多いのではないでしょうか。

全く同じ状況ではないかもしれませんが、浦和での問題を再び繰り返すようなことになったのは残念としか言いようがありません。

チームも連勝し、良い状況だっただけに「なにやってんだよ」という思いが強くなるわけですが…。

キャンプで井原監督が頻繁に声をかけてコミュニケーションを取っていた姿を見ているだけに…。

なぜ人の想いを裏切るようなことをしたのか…。

双方合意の上での規約解除。アビスパ福岡がその判断をしたということは、それなりの理由があったんでしょう。

残念で仕方ありませんが、私はこの問題をクラブがうやむやにせず、きっちりと対応したこと。

その覚悟を決めたアビスパ福岡の判断は尊重したいですし、私はアビスパ福岡が「サッカークラブ」として「成長」していると思いたいです。

次節、ツェーゲン金沢戦は再びアウェー。

現状19位と下位にいるチームとの対戦です。

ここで確実に勝利することが、湘南戦の勝利をさらに価値あるものにしてくれるはずです。

邦本のニュースを吹き飛ばす結果をおねがいします。

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コメント

  1. タカ派(野球) より:

    いやあ、いいフラグでした。(笑)
    これからはざかしんくさんには1点以下ゲームが2試合続いたらブログに「ケチャップは~」のくだりを加えていただいた方がいいかもしれませんね。(笑)

    試合の内容は記事にもありますが課題の多かった試合じゃないかなと思います。
    でも、そういう試合で勝ち点3が得られ、シーズン前半で問題点を見つけられたのは良かったんじゃないかと思います。前半戦の苦しみが後半戦に報われる、陳腐な展開ではありますが、この試合でアビスパが一歩、いや、半歩でも強豪に近づけていたら、と思います。

    • ざかしんく より:

      タカ派さん、コメントありがとうございます。

      喜ばしいんですが、個人的にはちょっと青ざめました。