【アビスパ福岡を分析するブログ】鍵は「實藤3バック」?ヴェルディ戦から勝手に予想する対名古屋グランパス戦におけるアビスパ福岡の戦い方

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やはり今季のアビスパ福岡は3バックの方が良いと思う

J1昇格をかけたプレーオフ。

相性という観点で言えば、名古屋グランパス、千葉ジェフ、東京ヴェルディの中では東京ヴェルディが一番良い気もしていましたが…。

危ないシーンもありましたが、1-0で勝利。

シーズン後半調子を落としていたアビスパ福岡にとって、プレーオフは分が悪いと感じる点も多かったのですが、なんとか最初の壁を乗り越えました。

アビスパ復調の鍵は「3バック」にあると思っています。

その3バックを採用しての勝利ですが、プレーオフ決勝名古屋戦はどう戦うのか。

その点を見据えつつ、プレーオフ準決勝東京ベルディ戦を振り返ってみたいと思います。

アビスパ福岡の最終兵器?「實藤3バック」

リーグ最終戦である岡山戦でも感じたことですが。

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アビスパ福岡はなぜ、4-4-2で戦い続けたのか。

そう考えた時、4バックで戦うのが良いというよりは、「3バックをやりたくてもできなかった」のではないかという考えに至りました。

それは、3バックのキーマンだったと思われる實藤の不在が理由だったのではないかと。

しかし、岡山戦でベンチ復帰した實藤。實藤がプレーできるなら、東京ヴェルディ戦は「3バックでいけるのなら面白い」と、思っていました。

ただ、そのためには實藤の復活もそうですが、岩下が戻ってくるかどうかも必要事項だと思っていました。

岩下が復帰できないなら、3バックの中央にハマるピースが思いつかない(正直、今シーズン濱田は序盤の長崎戦で井原監督の信頼を失ったと見ていますし、堤ではヴェルディのドウグラス・ヴィエイラのマッチアップを組ませるのはしんどそう)。

しかし、井原監督は岩下不在ながら、3バックを採用しました。この土壇場で3バックの中央に冨安を置くとは思っていませんでした。

シーズン後半殆どの試合で4バックを採用していたアビスパ福岡ですが、實藤の復帰と共に3バックが帰ってきました。

しかし、岩下不在でも3バックを採用したということは、3バックに置いては岩下不在より、實藤不在のほうが井原監督にとっては影響が大きいということなのかもしれません。

【第41節 松本山雅FC戦】

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こちらの記事でも触れていますが、アビスパ福岡の失速は實藤の離脱と、それによって3バックを採用できなくなっていたためというのはあながち見当違いというわけでもないのかもしれません。

35節のレノファ山口戦で3バックを行っているようですが、ウェリントン不在の状況もありこの試合での3バックはアビスパ福岡が常時やってきた3バックとはちょっと違ったケースだと見ています。

アビスパ福岡のフォーメーション

3バックでヴェルディを迎え撃つアビスパ福岡ですが、東京ヴェルディの攻撃の中心はドウグラス・ヴィエイラ。

189cmの体格を活かしたポストプレーヤーですがウェリントンと比べるとフィジカルでは落ちるものの、足元の技術とスピードやフリーランニングの質はウェリントンより上の選手だと思います。ウェリントンより万能性は高いと見ています。

そんなドウグラス・ヴィエイラをどう抑えるかが対ヴェルディ戦のポイントだと思うのですが、「高さ、スピード、技術を持ったFWをマークする」のなら、アビスパ福岡の適任者は冨安でしょう。

おそらく3バックの真ん中で中央でプレーするプレーヤーがドウグラス・ヴィエイラと最も対峙する可能性が高いと思います。

そう考えると、冨安を中央に置くことは理にかなっているようにも思います。

しかし、冨安を中央で使ってくるのは予想外。

なぜなら、冨安はこれまで3バックの中心でプレーしたこともなければ、4バックの際にはコンビを組む岩下、堤といったベテランがラインコントロールの主導権を持っていたように見ていました。

非常に堂々とプレーしているので忘れてしまいますが、まだに若い選手です。よって、左右のCBのコーチングも増えたり、左右のCBより全体のバランスを見る事も要求されるであろう中央のCBに富安を配置するのはまだ早いと井原監督は判断しているのかなと思っていました。

それと合わせて、アビスパ福岡の3バックの特徴は、左右のCBが積極的に攻撃参加する点も冨安は中央に置くより、左右のほうが良い気もしていました。

最終ラインから冨安がサイドのタイミングで攻撃参加することで攻撃に厚みが出ていたので、真ん中で使うより、左右どちらかの方がいいのかなという見方もありました。

そういった考えもあって、中央を務める岩下の復帰も3バック復活の条件かなと思っていましたが、そんなことはなかったようです。

冨安と實藤は互いにドウグラス・ヴィエイラのマークを分担し、相手のポジションに合わせてしっかりマークの受け渡しが出来ていたと思いますし、チャンスと見れば富安も高い位置に上がってきて攻撃を押し上げていました。

スケールの大きな選手になるとは感じていましたが、ホントにスケールの大きなプレーヤーになってきたと思います。

アビスパ福岡にいてほしいとは思いますが、海外にもチャレンジすべきだよなとこの一戦で感じました。

3バックのほうが厚くなるサイド攻撃

この日は左サイドの亀川の攻撃参加が目立ったよに感じた方も多いと思うのですが…。

過去のデータを見ても、4バックになると亀川は攻撃に絡むことができなくなります。

残念ながら、プレーオフに関してFootball lABさんがデータを掲載されていないのでこのヴェルディ戦の数字はないのですが…。

4バックで戦ったリーグ最終戦の岡山戦と3バックで勝利した第20節愛媛FC戦の「チャンスビルドポイント」を比較すると。

【リーグ最終戦 岡山戦】

【第20節 愛媛FC戦】

亀川のチャンスビルドポイントは、3バックの方が1ポイントほど高くなります。

「チームも違えば、勝ち試合と低調な引分の試合を比較しても意味あるの?」

という見方もできそうなので、今シーズン通して亀川の3バック時のチャンスビルドポイントと、4バック時のチャンスビルドポイントの平均値、中央値、最小値を見てみると。

3バック 4バック
平均値 1.99 1.53
中央値 1.905 1.305
最小値 0.97 0.75

こうしてみると、亀川は4バックになると攻撃へのポテンシャルが3バックに比べて下がりやすい傾向にあるようです。

これは、亀川自身の問題というよりチーム戦術や相手の対応なども関係してきますし、「亀川の攻撃参加からどれだけのゴールが生まれたっけ?」

という話もありますので、一概に良い悪いという基準だけでは語れないかもしれません。

ただ、プレーオフ準決勝では最近の4バックの試合より亀川が攻撃に絡めていたというのは気のせいではなさそうです。

厚みのある攻撃

アビスパ福岡の3バックの利点の1つは、相手陣地に押し込んだときにサイドで4バックに比べしっかり人数をかけられる点です。

センターバックの左右が高い位置まで押し上げてくるので、サイドでパスコースを作りやすくなります。

またこの時、ペナルティエリア内に3人攻撃陣が入り込んでいることも、サイドで優位な状況を作りやすい要因となっているのではないかと。

中央に人が入れば相手の守備陣も無視は出来ないはず。

4-4-2の場合は、この数が中央2枚、サイドも2枚と一枚ずつ少ないケースが多いように思います。

この日はブロックを作って、ヴェルディにボールを持たせつつ、カウンターで攻撃を仕掛けるという形が多かったですが押し込んだ時は人数をかけた攻撃が出来ていたと思われます。

しかし、亀川、駒野のクロスから良い形が作れそうな予感もしましたが、ゴール前の攻め手はやはり乏しいように思います。

攻撃に関しては山瀬のミドル(ロングかな?)が決まりましたが…。

「サッカーマティクス」の著書デイヴィッド・サンプター氏の調べによれば、イングランドプレミアリーグの過去の試合から割り出したペナルティエリア外からのシュートの決定率は「3.4%」。

たまに日本人はエリア外からのシュートを強化しなくては海外と渡り合えないといった話を聞くことがありますが…。

たしかに海外の方が豪快なミドルシュートに出会うことは多いですが、プレミアリーグでも30本打って1回入るかどうかの世界です。

Jリーグのペナルティエリア外からのシュートの決定率がどのくらいか手元にデータが無いので判らないのですが…。

プレミアリーグよりずば抜けて高いということは無いだろうと思います。

確率としては、良くて同じくらい。

おそらくですが、Jリーグのミドルの決定率は3.4%を下回ると思います。更に1試合で打てるシュートは10本くらいでしょう。

毎度、ミドルシュートに活路を見出すのはちょっと現実的じゃないというのは、数字を持ち出さなくても体感としてわかりますね。

もちろん毎回ペナルティエリアに侵入してシュートまで持っていけるとは限らないので、状況によってはエリア外からシュートすることに全く意味が無いとは思いませんが…。

とはいえ、今更アビスパ福岡が攻撃パターンを増やせるとは到底思えません。

そう考えると、オフサイドにはなりましたが、2度ゴールにボールを押し込んだ「セットプレー」が名古屋戦でも鍵になってくるのかなと思われます。

アビスパ福岡の3バックの弱点?

プレーオフ準決勝はこの試合とは別に「名古屋vs千葉」が行われたわけですが。

奇しくもこの2チームはシーズン前半にアビスパ福岡の3バックに対して有効な攻めを見せたチームだと思っています。

アビスパ福岡の3バックの特徴は、ワントップのウェリントンと2シャドーがほぼ「3トップ」に近い動きを見せることです。

この3人が高い位置を取ることによって攻撃に厚みが出ますが、ボランチのサイドにスペースができやすくなる傾向にあると見ています。

このスペースに基点を作られ、採取ラインの前でスペースをつくってしまうのがアビスパ福岡の3バックの弱点だったと個人的には見ています。

【第18節ジェフ戦】

【アビスパ福岡を分析するブログ 】スコアレスドローで終えたジェフユナイテッド市原・千葉戦から次節ウェリントン不在の名古屋戦の戦い方を考えてみる。
スコアレスドローも基本的にチームは徐々に出来上がってきているはず。あとは「イレギュラー」をどう乗り越えるか… アウェーでのジェフユナイ...

上記の記事ではジェフ戦でのスペースの使われ方を指摘しています。

そのときのアビスパ福岡の3バックと、ジェフの攻撃陣の位置関係のおおまかな図です。

この試合ではアビスパ福岡の2シャドーには坂田とジウシーニョが起用されていました。

ウェリントンを含め前線の3人が高い位置で守備を取ると、ボランチのサイドでスペースが出来てしまいます。

そこへ素早く展開されてしまうと、守備が後手になってしまい簡単にゴール前までボールを持ち込まれてしまう傾向がありました。

【第19節名古屋グランパス戦】

【アビスパ福岡を分析するブログ 】名古屋グランパス戦で見せたアビスパ福岡の真っ向勝負。井原監督が見据えるアビスパ福岡の理想像が見えた!?
名古屋グランパスとの上位対決を制し、首位をキープ 累積警告で攻撃の中心であるウェリントン不在の名古屋グランパス戦。 「ウェリント...

上記の記事は名古屋戦でも同じようにボランチの脇のスペースに入り込まれていた事を指摘しています。

この時の2シャドーは松田とジウシーニョになるのですが、守備の意識はジェフ戦より高かったと思います。

しかし、名古屋にこのボランチの脇のスペースを使われた感は否めませんでした。上の画像のようにグランパスの選手にこのスペースに簡単に入られてしまいます。

3バックでは対応しきれないと井原監督も判断したのか試合も途中から、4-4-2へ変更し、さらに途中4-2-3-1へ変更。

試合結果3-1と勝利したものの、相手に退場者が出たこともあって勝利できましたが…。

普通にやっていたら果たして勝てていたどうか…。

アビスパ福岡の3バックに進化はあったのか

久しぶりの3バックですが、シーズン前半から比較して進化はあったのか。

その点をヴェルディ戦から読み解くのはちょっと判断が難しいところです。

アビスパ福岡は守備時はブロックを作ってリトリートすることが多かったのですが、ヴェルディはそのブロックに対してパスコースを見いだせず、後方でボールを持ってパスコースを探すシーンが多かったです。

中盤でボールを保持しても、中央のドウグラス・ヴィエイラの動き出しを見ている傾向が強かったように思います。

サイドにフリーの選手がいても簡単にはボールを入れてきませんでした。サイドに入れるにしても一度中央で当ててからという展開を狙っていたように思います。

アビスパとしては、素早くサイドに展開された方が嫌な展開になるようにも思えましたが、右のアラン・ピニュイロには亀川と堤。

左の安西には駒野と實藤ときっちり守備についていたので(安西は危ういシーン作られそうになりましたけど)、そのことが功を奏したかもしれません。

ただ、パスのテンポがそこまで早いとは言えなかったヴェルディ。

名古屋はもっとテンポよくボールを入れてきそうですが…。

名古屋戦でも3バックなのか?

個人的にはスタートは3バック(5バック)で良いのではと思っています。

ヴェルディ戦のようにブロックを形成して5-4-1で守る形で試合に入って良いと思います。

正直引分で良い名古屋はアビスパが引いてくれたほうが都合は良いのかもしれませんが、ボールを保持して時間を使って最悪0-0でも昇格だし。

といった試合展開が出来るほど器用かつ成熟したなチームだとは思いません(それができるなら千葉戦4-2なんてスコアにはならないと思います)。

おそらく、これまで通り攻撃的で点を取って勝ち切りに来ると思います。

ならば、アビスパは最も得意な「ブロック作ってリトリート」で良いと思っています。お互いのストロングポイントで勝負しましょうよという感じでしょうか。

以前名古屋に3バックではパスを簡単に入れられてしまいましたが、リトリートしてブロックをつくるなら5-4-1の方が間違いなく固い。

人数かけてる分、横のスライドにも対応します。あんまりサイドチェンジは見せてこなかったヴェルディでしたが、サイドチェンジされてもアビスパ福岡の守備は安定していました。

ボール奪取位置を低く設定して、ヴェルディ戦のようにカウンター狙いの形なら3バックが適しているように思います。

また、名古屋にはシモビッチがいます。これまた長身かつ強いフィジカルを武器にするポストプレーヤーですが、ドウグラス・ヴィエイラほどスピードはないような。

ただ、足元のボールの扱いと、DFの駆け引きはシモビッチが上かなと見ています。

やはりシモビッチには冨安をぶつけたいですよね。前半戦の名古屋戦ではきっちりシモビッチにやられてますし。

冨安としても、あの時の借りを返しておくべき相手でしょう。

選択肢としてはヴェルディ戦と同じように3バックがマッチするような…。そんな気がしています。

ただ心配なのは「ラインを保てるか」

リトリートしてブロックするのは良いのですが、ただべったり下がってよいというわけでもないはず。

前線と最終ラインはコンパクトにしておく必要があると思います。そうしておかないと名古屋はスペースを見つけてパスをどんどん入れてくるはずです。

長所と短所は表裏一体とは言いますが、アビスパの悪い癖はリトリートしたときに守備に気を取られすぎるのか、最終ラインが下がりすぎる(上がりが鈍い)ことです。

【第41節 松本山雅FC戦】

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松本山雅FC戦を振り返りつつ、ホーム最終戦に思うこと 残念ながら今回は予想記事が書けなかったので振り返り記事のみとなりますが。 ...

上記記事でラインの押し上げが遅い場面の一例を上げているのですが。

最終ラインの押し上げが遅いこともあれば、中盤の押し上げが遅いこともあります。

前線、中盤、最終ラインの距離が広がってしまえば、いくらセカンドトップの松田、仲川がスペースを消すために守備に戻ってもスペースが広ければ、カバーするのは難しいでしょう。

こういう状況に持ち込まれると、完全に名古屋のペースでしょう。

岩下が復帰しなかった場合、どう名古屋の攻撃陣にアビスパ福岡の守備陣が対応するのかもポイントだと思います(最終ラインの押上の問題については岩下の動きにも問題があると見ているので、案外不在のほうがこの点に関してだけで言えば、課題を解決しやすかったりして)。

とはいえ、岩下は総合的に見て居て欲しい選手ではあるんですけどね…。

贅沢言うなら

ブラジルワールドカップのオランダvsスペインのような展開にならないかなーと思ったり。

スペインに対して5バックを敷いたオランダがカウンターとセットプレーで5点取って(5-1)勝利した試合ですね。

J1では風間監督が育て上げた川崎フロンターレが鹿島と熾烈な優勝争いしていますが…。

J2では風間監督の掲げるサッカーを「ボールポゼッションってなに?」と言わんばかりに5バックのアンチフットボールでひっくり返してやるのも面白じゃないですか。

おそらくポゼッション的には名古屋有利な展開になると思います。

しかし、クラブワールドカップで欧州相手に優勝をかっさらう南米のチームのように意地でもこじ開けさせないブロックとワンチャンスをモノにしてしまう「したたかさ」を見せて欲しい。

勘違いかもしれませんが、個人的には井原監督のサッカーってそんなサッカーだと思っているんですが…。

勝っても負けても今季最終戦。

選手の皆さんには悔いのない試合をしてほしいと思います。

できれば。

今年はいい気分で新年迎えたいです。

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