ポゼッション率最下位のアビスパ福岡はポゼッションサッカーを考えているのか?「ダニルソンの穴」問題と合わせて考えてみる。

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「ダニルソンの穴」問題

そういえばマルコヴィッチの穴って映画があったなーと。

そう思って調べたら1999年の映画でした。

今のティーンエイジャーは知らんわな…。自分も歳取ったわ。

そんな試合とは全く関係ないことを考えていたら、試合終了のホイッスルがなりました。。

2-1でロアッソ熊本線を制し、九州ダービー勝利。冨安のJ初ゴール。ウェリントン3戦連発。

そして、今季3連勝。結果としては万事オッケーなのですが。

試合内容としては…。

極論言えば「勝てば良い」という言い方も出来ますが、逆に「こんな試合してて、J1でやっていけると思ってるの?

と、意地悪なことを言おうと思えば言えるような試合内容だったのかなと。

ここは今後精度を高めていくことを期待しつつなわけですが。

その精度を高めるために考えなくては習い大きな課題。

その一つとして提唱したいのが「ダニルソンの穴」問題です。

開幕から4戦。アビスパ福岡は右サイドでスペースを開けてしまって相手の攻めの基点を作られたり(大分戦、熊本戦)。

ここから相手に突破を許して失点することも(レノファ戦のミドル)。

アビスパ福岡としては、この「右サイドから攻めこまれてしまう」原因を把握し、解決する必要があるのなと。

個人的な見解としては、この問題の要因として挙げられるのが「ダニルソンの穴」であると考えています。

3連勝ということで喜ばしいといえば喜ばしいのですが、まあ、課題も多いわな。

そんな感じの第4節ロアッソ熊本戦を振り返ってみたいと思います。

アビスパ福岡のフォーメーション

ここまでの3試合ですが、杉山がやや不安定かなー。という印象があったので。

神山の調子次第では、GKの入れ替えあっても不思議じゃないかなとも思っていましたが、GKの入れ替えはなし。

この日の杉山に関しては「バックパス」を取られる(久しぶりに見た)という不運もありましたが、安定はしていたかと。

今日くらいの安定感あれば、神山とチェンジする必要はないのかなと。

今でもどこか中村航輔の幻影を追い続けているせいか、GKには厳しい見方をしてしまっているのかもしれません…。

GKの入れ替えもなく、前節からほとんど同じスターティングメンバーのアビスパ福岡。

と、思ったら山瀬が外れて、城後がスタメン。これは全く予想出来ませんでした。

ベンチにも山瀬がいないところをみると怪我でしょうか。

もし戦術的な理由で城後をスタメンかつ、山瀬のベンチ外を選択したなら、それはそれで井原監督はだいぶ思い切った判断をしたのかなと。

深読みし過ぎかもしれませんが、今日の試合の展開を見る限り、戦術的に外した可能性もわずかながらあるような気も。

アビスパは今季しっかりポゼッションしていこうという狙いはあるようですが、それを考えられるのは足元でボールを受けられる山瀬、石津がいるから可能なわけで。

プレシーズンマッチでも右サイドには邦本を使うなど、サイドにはある程度ボールを足元で受けることができる選手を入れてきていました。

そこに城後を入れるというのはこれまでのコンセプトとは違う戦い方になるのでは?という懸念。

まあ、その当初の狙いが石津と山瀬で機能しているかと言われると、それはそれで微妙ですが。

ビルドアップの段階で簡単に潰されること(自分たちのミス)も多くてショートカウンターを受けやすいのが実情。

特に最終ラインからのビルドアップに関しては、自分たちの狙い通りにはできていないと思います。

実際、大分戦以降は「自分たちでボールを持つ」という発想はなくなっているような。

確かに、下手にビルドアップしてショートカウンターのリスクを晒すより、さっさと前線に蹴ってしまった方が結果的に攻撃できている。

ただ、これもいざ「ブロックをつくって受けに回る」と、それはそれで全然カウンターが出来なかったり。という妙な悪循環もあります。

これはレノファ山口戦が非常に顕著でした。前半と後半では全く別のチームになってしまいましたが…。

この試合アビスパ福岡はハナからショートパスでビルドアップする気なし?

開幕戦の大分戦にくらべ、ショートパスの繋ぎがなくなったように思われるアビスパ福岡。

どちらかといえば、シーズン前は細かく繋ぐのかなと思われた節もあるのですが。

Football LAB J2 チームポゼッション

画像では見難いかもですが、Football LABさんのデータを見ると、アビスパはJ2でもポゼッション率最下位。

プレシーズンを見る限り、ある程度自分たちでボールを持つというサッカーを目指しているのかなと思うところもありましたが…。それは幻想だったのかもしれません。

そんななかロアッソ熊本戦をアビスパ福岡はどう戦おうと考えていたのか。

ロアッソがハイプレスに来ることは事前のスカウティングである程度わかっていたと思います。

アビスパ福岡としてはチームのやり方があるとしても、現状のポゼッション率で「ハイプレスを躱す」。というのは、だいぶ冒険かもしれません。

いっそ、結果が出ているのなら「堅守速攻」に徹したほうが良いんじゃないかと。

こうした状況を見越して山瀬に出場機会がない。前線に出て、コンパクトな最終ラインの裏で勝負できる城後の方が効果的。

という判断があったのであれば、なかなか思い切った判断だよなと。

もちろん、そんな複雑な話ではなく山瀬のフィジカル的なトラブルかもしれませんが。

戦術的な選択であれ、怪我などのトラブルであれ、山瀬がいないのならどうするのか。

足元でボールを受けられ、あるていどパスを繋いでポゼッション出来る選手が必要なら。邦本を入れるという考えもあったかもしれませんが…。

そもそもチームとして、「ハイプレスを剥がしきれない傾向」はレノファ山口戦でも出ていました。

邦本を置いたところで解決するかというと、そうでもない可能性が高い。

ならば、どうやったらロアッソのハイプレスに対応できるのか。

ハーフタイムの監督の指示のなかで井原監督は「難しい試合、割り切っていこう」。と話したそうですが何を割りきろうと思ったのか。

それはおそらく、ビルドアップ、ポゼッションだったんじゃないかなと。

実際、前半はロアッソのハイプレスにハマって危ういシーンがありました。

チームとしては、できるなら後ろからビルドアップしようという考えが始めのうちはあったのかもしれません。

しかし、前半を見る限り、ビルドアップにこだわるとロアッソのやり方に合わせてしまって、割り食うのは自分たちだと。

そこは割りきって、プレスされる前にボールをさっさと前線に蹴りましょう。ウェリントンいるし。

というのが井原監督の判断だったように思います。

過去3試合、アビスパは試合開始の15分を「ハイプレス」する時間として使っていました。

この時間を過ぎると、徐々にブロックを形成して相手を迎え撃つパターンに移行していきます。

理想はこのハイプレスしている時間で先制点を奪うこと。大分戦では失点後、大分が下がってしまったので、その後もポゼッションを高めて攻め込みましたが…。

あの姿は、アビスパ福岡としてはやはり本当の姿ではないのかもしれません。

プレシーズンからそういう戦い方を模索していたような気もするので、ポゼッションサッカーを目指しているのかなとも思ったんですが。

その後の試合からアビスパ福岡の理想を推測してみると。そうでもないようですし。

うまく体現できたのが、前節の京都サンガ戦ではないかと。

決して100点満点な出来とは言えませんでしたが、素早く先制点を取って、まえがかりにくる相手をカウンターで沈めて追加点という形はできていました。

とはいえ、この試合ではアビスパ福岡が試合開始直後から「ハイプレス」を行ったかというと、それはなし。

試合開始直後からある程度相手にボールをもたせる形でスタートしました。

ロアッソ熊本が「ロングボール」を多用してくるとを予測していたのかもしれません。

無理に前から行っても、ロングボールを蹴られてしまう恐れがる。

ロングボールをどうせ蹴ってくるなら、無理せずブロックを形成して対応しようという考えだったかもしれません。

では、実際ロアッソ熊本はどういう狙いで来ていたかというと。

ロアッソの攻めの基本はやっぱりロングボール。

自陣でボールをキープすると、とりあえず前線のFW、主に巻めがけてボールを入れる。

その後3パターンの狙いがあったように思われます。

  • ケース1:FW(巻)が競ってボールに触れた場合→セカンドボールを狙う
  • ケース2:FW(巻)が競ったけど相手にボールが流れた場合→相手のビルドアップをハイプレスで狙う
  • ケース3:ケース2の状況から相手にクリアボールを蹴らせる。精度の低いロングボールを蹴らせ、もう一度拾って、再び攻撃につなげる

この3段構え。

特に「ケース2」を狙う場合は人数をかけて来ます。

FW2枚と、センターハーフそして、サイドで人数をかけてきます。

アビスパのセンターハーフ、三門とダニルソンは足元の技術が高いわけではないので、正直「ハメやすい」センターハーフだと思います。

この日は、最終ラインからビルドアップする場合、センターバック2枚に三門が下がる形でボールを受けていましたが、ここにプレスをかければ簡単にアビスパのビルドアップはままならなくなります。

前半はビルドアップしようとして最終ラインでボールを回すも、危ういシーンもありました。

ロアッソのプレスは散発的にならず、組織的に一定方向にプレスをかけてくるのが非常に厄介。

サイドにボールを収めても、確実にパスコースを切ってきます。

巻もサイドバックにボールが入ると、岩下の前に入ってバックパスのコースを積極的に潰してきます。

こういした守備をタイトにこなす運動量はさすがオシムチルドレン。と、いうことなのでしょうか。

アビスパはこの形に持ち込まれると非常に分が悪い。

この形を避けるにはさっさと前にボールを預けてしまったほうが良いというのは自然な判断かもしれません。

城後も攻撃のチャンスと見ればサイドの位置を離れ、中央ゴール前に向かって走りこんでいました。

ウェリントンとのポジショニングの関係もあったとは思いますが状況によっては逆サイドの位置まで上がっていました。

バランスを取って中盤でボールを受ける役割があるのなら、そういうった動きはしないはず。

山瀬なら、中盤の位置でボールを引き出す位置にポジショニングしていたのかもしれませんが。

ちょうど、京都戦のカウンターの基点となったような形ですね。

しかし、城後は中盤で繋ぐよりは、前線で自ら勝負したい選手。

  • ハイプレスしない(ブロックを形成する)
  • 城後はサイドから前線(FWの位置)に出て行く

というやり方を考えるとやはり、最初から山瀬の上を越えていくようなボールが増えることを想定していたんじゃないかなと。

となると、この試合はある程度狙い通りやっていたと言えるかもしれません。

仮にそうだった場合。この試合で反省すべきは、ハイプレスで押し込まれそうになったことより、縦パス一本のあとのセカンドボールの奪取。

カウンターになった時の攻撃にイマイチ迫力がなかった事のほうを反省したほうが良いかもしれません。

ある程度ハイプレスで押し込まれてパス回しできないことは折り込み済みだったはずなので。

試合途中、最終ラインでボールを持った岩下が前線の選手が動き出さないことにイライラしていましたが、「裏を狙え」という指示も出ていたんじゃないでしょうか。

細かく繋いでビルドアップしないんだから、前線もっと裏で勝負しろよと。

「山瀬不在」が事情によるものなのか。それとも狙いだったのかは判りませんが。

城後が先発したことをチームとしても、城後自身も活かしきれなかったのかもしれません。

神様、仏様、ウェリントン様

J初ゴールと、完全にGKを抜かれたシュートを頭で弾いて1点を守った冨安の活躍もありましたが…。

今日の試合はほぼ、ウェリントンで勝った試合といっても良いでしょう

かつて福岡に拠点を置いた西鉄ライオンズの大エース、稲尾和久氏への賛辞に「神様、仏様、稲尾様」というのがありましたが、ウェリントンの活躍もそんな賛辞がふさわしいのかなと。類義語に「権藤、権藤、雨、権藤」というのもありますが、今のアビスパ福岡はまさにウェリントン様様な状態。

現状アビスパの攻撃は「セットプレー」ありき。

個人的にはそれでいいと思っています。ポゼッションサッカーは向かないし、カウンターするにもイマイチスピード感ないですし。

あと個人的な好みである「アンチポゼッションサッカー」に合致してますし。

だからこそ、もっとセットプレーに命かけたれよ!と、思ったりもするんですが。

まあ、ウェリントンが居なくなった途端だいぶ困ることになりますが。

この日はセットプレーから冨安のJ初ゴールも生まれましたが、それもウェリントンが相手2人と競ってボールがゴール前に飛んだからこそ。

前線のパスに体を張り、セットプレーではターゲットとなり、守備では壁となり。

石津のクロスも、ロアッソに退場者が出て10人の状況だったとはいえ、相手のマークをものともしない強さでゴール。

ウェリントンの前線での獅子奮迅の活躍にシーズン前に「調子上がらなー」とか言っていた自分自身をただ恥ずばかりです。

ちょっと思うところがあるとすれば。もうちょっとセットプレーには変化をつけて欲しかったかなと。

現状、そこがアビスパの生きる道なので。

これはウェリントンだけの問題ではないのですけどね。

アビスパ福岡のセットプレーに対する考察
アビスパ福岡の最大の武器はセットプレー さて、J2も第3節が終了しました。 明日(3月19日)第4節、ロアッソ熊本戦を迎えるアビ...

まあ、ウェリントンが競り合いで高確率で勝ってしまうので、ウェリントンを使わない理由はないのですが。

この日のCKの殆どがファーサイド。

ウェリントンが合わせて、クロスバーを直撃したシーンだけがニア。

穴が開くほど他チームをリサーチしているわけでもないので、単なる印象ですがロアッソは前節の山形戦でCKからニアに入るボールに対して結構ルーズだったので。

この日も、ニアでウェリントンが合わせてクロスバーに直撃。

ロアッソはゾーンで守る選手のスペースに相手選手が入り込むときのケアがそこまで良くないのは相変わらずだと感じました。

ファーサイドでは複数人に対応されていたウェリントン。

もう少しニアを狙って欲しかったり。冨安とか、城後とかに。

場合に寄っては遠いサイドからウェリントンを走らせて、ニアにボール入れるなど変化をつけてほしいなとは思ったんですが。

しかしよくよく考えてみると、駒野が蹴るとき(右足でのアウトスイング)の場合はファー。石津が蹴る場合は(右足でのインスイング)ニアサイドという狙いがあったのかもしれません。

この辺は、ヘディングするウェリントンのやりやすさもあるのかも。

ファーの競り合いから冨安のゴールは生まれているので、あれもこれも言うものも贅沢かもしれませんが、個人的にはもうちょっと出来たのではないかと思うので。

城後を入れるなら…。

セットプレーで言うなら、城後にスローインを入れさせるのはどうかなと。

確かにロングスローが「飛ぶ」のは城後でしょう。

ただ、ロングスローから直接ゴールというケースは稀な気がします(ロングスローから坂田が直接押しこむというケースは過去4年で2回くらい?見た記憶もありますが、それは期待値が低すぎる…いや、案外高いのか…?)。

セットプレーでのゴールゲッターをウェリントンとするなら、ロングスローの「反らし役」は別のプレイヤーの方が良い気がします。

その役割としては、城後が出るなら、城後にやってもらうのが良いんじゃないかなーと。

駒野ではゴール前までロングスローは届かないかもしれませんが、城後が競ってゴール前に流すとか言う形を作ってウェリントン中央が構えていたほうが相手としては嫌なんじゃないかなと。

ウェリントンが頭でそらしても、一人くらいしかアビスパの選手がいなくて…。

それも、松田か石津なことが多い。

数的優位がつくれないなら、小柄な松田や石津で対応するよりウェリントンがいたほうが良くないかなと。

ウェリントンが「ゴールに向かって」競ったほうが、今回の冨安のゴールじゃないですけど、相手がウェリントンに集中するだけに次のアクションで有利になることもあるんじゃないかなと思うんですけどね。

だんだんストークスのようなチームになっていきますが、かつてのJ1昇格はそんな「ストークスサッカー」で掴んだとも言えます。

セットプレーをガンガン追求してくれたほうが、ある意味らしくなってきたと言える気もするですが…。

攻撃に関しては、

私にとってポゼッションはライバルを快適にするもの

と、井原監督がドヤ顔でいっちゃうくらいアンチポゼッションサッカーを追求してほしいなあ。

「ダニルソンの穴」とは?

さて、ここから守備の課題の話になっていくのですが。

今シーズン一度も無失点で試合を終わることができないアビスパ福岡。

1試合平均1点以下の失点を目標に掲げたいたアビスパ福岡ですが、4試合で5失点と1試合平均1.25失点。

湘南や横浜が1点、2点しか失点していない状況を見ると、ちょっと心配な数字です。

「堅守速攻型」なら余計、これは問題です。「ウノ・ゼロのアビスパ福岡」の復活は至上命題なのですが…。

そんな本日のアビスパの失点シーンですが。

単純に城後がサイドの選手を見失ったことが原因とも言えそうです。

1年に1度くらい城後はサイドの守備で相手を見失うということをやっているので、「あーまたか」とも言えそうな事案。

ただ、この日は見失うにあたって「ダニルソンの穴」が影響している気もしています。

これは、山瀬もレノファ山口戦で悩まされた?かもしれない穴なのです…。

ダニルソンがボールの「刈り取り役」を担っているからこそ起こる穴とも言えるのですが…。

失点シーンのちょっと前のシーン。アビスパ福岡絡みて、右→左→右とサイドチェンジをくり返されたことでこの事態が起こります。

まず最初のサイドチェンジで、アビスパの守備陣は左に寄ります。

ポッピはボールホルダーの進路と縦へのパスコースを切りに。

ウェリントンは戻しのパスをチェックに(贅沢を言うと、ここがもうちょっと早いとアビスパは押し返せた気がする…。)

三門とダニルソンは中盤の選手をそれぞれチェックに。

ただ、この時ダニルソンがボールが入りそうなところを積極的に抑えに行った結果。

相手のセンターハーフが一人逆サイドでフリーに。これが「ダニルソンの穴」です。

ダニルソンは三門より積極的に前に出て守備をする傾向にあります。

特に、FWの横や、間でボールを受けようとする相手のセンターハーフやボランチに対して、積極的に距離を詰めます。

もちろん、ボールを簡単に中央に入れさせないため、かつチャンスと見ればボールを奪うためにダニルソンは積極的に出ていきます。

しかし、そうするとダニルソンが移動する分。スーペースが空きます。

「ダニルソンの穴」というと、ダニルソンが悪いみたいですが、単純にダニルソンが守備のためにあけたスペースのことを勝手にそう命名しています。

しかし、ここから歪みが始まることが多いので、ネガティブな意味はありますが。

この時、4-4-2のゾーンプレスのセオリー的には城後が詰めるべきでしょう。

しかし、城後は片山のことが気になったのかもしれません。

前半自分が中央に攻めに行くたびに、空いたスペースをロアッソの片山に突かれていました。

ハーフタイムでもなんだかの確認が入ったのかもしれません。

片山が気になった結果、ダニルソンがスライドし、セオリー的には城後が見るはずのスペースを埋めに行きません。

それを見た駒野がスペースを埋めに走ります。

この時点で、セオリー的にどうすべきか判りませんが、城後と駒野の守備位置は入れ替わったと見るべきじゃないのかな?と、個人的には思います。

実際、駒野はそのまま、サイドハーフ的な守備の振る舞いを見せます。

最初にチェックに行った選手は戻ってきたダニルソンに任せ、自分の目の前の選手をチェック。

この時城後が駒野と入れ替わったことに気がついていれば、取る行動はひとつ「下がる」ことだったんですが。

駒野とのポジションの入れ替えが出来ず、選手を見失ったのは確かなんですが、それは相手ではなく駒野だったんじゃないかと。

実際、駒野が出てきているのに城後は一瞬、駒野が付こうとしていたドリブルしてきた選手に向かおうとします。

その時、駒野が視界に入ったので、慌てて下がったという感じ。

本来であれば「出てくることのない」駒野が前に出てきてプレー。

あまり前に出ずにゴール前、中央に絞るのがお約束。ならば、駒野はすぐ下がるはず…。

と、思ったけど、実際は前に出てきたままで、ポジションの入れ替えが起きる状況。

しかし、その状況を城後が把握できなかったと。

どのみち城後のミスじゃねーか。という話なのですが。

今季のアビスパはサイドバックが前に出ない

さらに城後の思考を妄想的に推し量ると。

今季のアビスパ福岡のサイドバックは簡単に前はサイドのスペースへ守備に出てこない傾向にあります。

昨年まではサイドに相手が入ってくると、こういった形で右サイドなら中村北斗が出て行くことが多かったんですが。

こうなると、センターバックとサイドバックの間に大きくスペースが出来ます。

ここに侵入されて致命的な仕事をされてしまうことが昨年はしばしばありました。

今季はその反省からかは判りませんが。今季はこのスペースを開けないことがサイドバックの優先事項となっているように思われます。

ゴール前の攻防ではペナルティエリアの角の付近に陣取ることが多いです。

この形は、アトレティコ・マドリードのやり方と似ている気がします。

サイドバックが中央寄りになる分、サイドの深い位置にスペースが空きますが、そこはサイドハーフが追うのが基本形式。

そしてサイドハーフが後方のケアに行って空いたスペースは、センターハーフがスライドして来て対応という形があるように思います。

サイドハーフとしては、サイドの深いエリアまで守備範囲になるのがポイント。

おそらくですが、城後もこうした意識が強かったんじゃないかなと。

駒野はゴール前の中央で絞ることが優先事項。一瞬前に出てきたけど、すぐに自分のボジションに戻るはず。

とはいえ、片山は城後が見る的な指示があったのかもしれません。

片山の存在は気をつけなくてはならいないし、サイドのスペースに片山が飛び出せば深い位置まで追いかけるのは自分の仕事。

とはいえ、フリーで前をドリブルで上がってくる奴がいる。ここは、前をケアして後ろはある程度駒野に任せよう。

しかし、その駒野が前の選手にチェックに来てしまった。

あ、片山を追わなければ…。

城後の前に行くべきか下がるべきか迷ったような動きは、裏に抜けるサイドハーフもオーバーラップしてきたサイドバックも把握していたからこそ起こったんじゃないかと。

むしろ把握しておくべきだったのは駒野の動きで、駒野が前に出てしまった以上、城後はすぐポジションを下げるべきだったんじゃないかと。

ケースは違うものの、山瀬も同じような境遇にありました。

自分の後方のスペースをサイドバックが優先的に見てくれるわけじゃないので、自分の背後に回りこもうとする選手は基本警戒する必要があります。

しかし、ダニルソンはお構いなしに前にでます。

その結果、どっちのスペースを潰すべきか判断に迷うことがレノファ山口戦の山瀬は多かったように思います。

アビスパの右サイドは守備の受け渡しを迷いやすいのかもしれません。

山瀬も、城後も現状の4-4-2でのゾーンの守備での「守備する相手」を把握しきれていない状況に陥りやすいのかなと。

おそらくですが、サイドを駆け上がる相手を「無視」して、ダニルソンの開けた穴のケアが優先な気もしますが…。

ダニルソンも「出たら、出っぱなし」なこともあるので、戻るところはちゃんと戻る必要はあると思いますが。

ここは駒野との連携もあるので、そのへんも含め習熟度を高める必要があるのかもしれません…。

と、こうした一連の動きの中でダニルソンから始まる守備のズレを個人的には「ダニルソンの穴」と名づけてみたわけです。

ダニルソンの穴が閉まらないことには…。

この問題、実はアビスパがずるずるとラインを下げてしまう要因にもなっているのではないかと考えています。

本来であれば、ダニルソンが前に出るなら、その後ろもある程度連動して前に出る必要がある。

そのためには、サイドハーフはダニルソンの開けたスペースを埋めるべきなのかなと。

かつてアビスパ福岡を指揮した4-4-2のゾーンプレスの使い手である松田浩氏は「ボール周辺の雲行き」と表現していましたが、4-4-2のゾーンプレスではこのボール周辺の雲行きをチーム全体で感じる必要がある。

相手が前にボールを運べるようであれば、ラインを上げるのはまずい。

逆に相手にチェックが出来て、ボールをうまく出せそうになくもたつくようであれば、ラインを上げてどんどん押しこむということをチームで連動してやる必要がある。

しかし、今のアビスパ福岡はまだバラバラな気もします。

その顕著な例がダニルソンの動きなのかもしれません。

ダニルソンのフィジカルは誰でも認めるところではありますが、フィジカルで解決しようとしすぎるきらいもあるのかなと。

もう少し周りとの連動を意識しないと、独りよがりになってるような(これは守備だけでなく、その他の場面でも)…。

ラインの上げ下げに関しては、FWの動きとも関わってくるので、また根深い問題です。

失点の場面は城後のところが問題だったんですが、相手の最終ラインでのボール回しに対して、ウェリントンの守備が遅い気はしてるんですよね。

その結果、ウェリントンのあたりのフィルタリングが甘いのでダニルソンは縦パスが入りそうな選手をチェックするために前にでる。

しかし、ボールはCBを経由してサイドへ。

サイドハーフの城後ないし、山瀬はサイドのスペースを消しに走るわけですが、そこでダニルソンとの距離ができる。

相手のボランチがそのスペースに入り込めば、パスコースができる。

パスコースが空いている。相手も前を向いてボールを持っている。となれば最終ラインを上げろというのはかなり難しいのではないだろうかと。

相手のFWは裏を狙ってくるし、そこにパスが出てくる可能性もある。

結果ラインを下げるしかない。

井原監督はこれを嫌がっていたようですが、前からのプレスをもう少し整備しないと最終ラインは下がる一方じゃないかなと。

プレシーズンを見る限り、前線の守備は「松田-城後」「坂田-松田」といった日本人FWだと献身性の高さからハマりやすいんですが…。

とはいえ、ウェリントンなくしてアビスパの勝利はないわけで。

あちらが立てば、こちらが立たずな状況。

まあ、そう簡単にチームができれば苦労はしないよ。というのは井原監督のみならずサッカーの監督の正直気持ちなのかもしれません。

ポッピのプレーとレッドカードについて

リプレーを見た感じだとほとんど接触していないので、レフリーの判定が厳しいのかなとも思ったのですが。

2月にJFAが公開した「2017シーズン 競技規則スタンダード」を改めて見てみると。

「決定機の阻止」という判断だったのかなあと。

ほぼポッピは抜けだそうとしてましたし。その先にはGKしかいませんでした。

そこへ足を上げてスライディングしてしまったことや、相手の進路に飛び込んだスピード、結果的にボールに触れなかったことなど、ボールへのプレーではなく「妨害目的」と見られたのかもしれません。

今回はアビスパ福岡はこの判定に助けられましたが、明日は我が身というやつで。

J1では判定に泣かされたこともあるので、こういう際どいところは気をつけたい。

とはいえ、ポッピのスピードは魅力的です。

松田ではなくポッピ先発というのもありなのかなと思うんですが、前線での松田の運動量を考えると現状そういった形でポッピの体力を消耗するより、後半から出てきたほうが今は効果が高いのかもしれせん。

京都戦でも後半から出てきて、決定的な仕事してますから。

今のところはジョーカー的な存在でしょうか。

ポゼッション最下位なんて気にせず

ポゼッションする気はやっぱりないかー(したくても出来ないというのはあるかもしれませんが…。今のメンバーなら出来なくもないと思うんですけどね)。

とは思っていたんですが、まさかポゼッション率最下位とは思いませんでした。

とはいえ、そんなことを気にする必要はないのかなと。井原監督には我が道?を進んでほしいなと思います。

就任当時からだいぶメンバーが変わったし、何か変わるかもと思っていましたが、まあこれだけチームカラーが変わらないのは井原監督のやり方なのかなと。

ロングボール上等。セットプレー上等。カウンターサッカー上等じゃないですか。

ポゼッションサッカーが好きな方は残念かもしれませんが…。

ただ、やる以上はそれでJに革命を起こしてほしいなと思います。

最近DAZNの放送だと、ホームゲームでは相手監督の後ろに佇む川森社長の姿をよく見かけます。

ちょっと難しそうな顔をして試合を見てらっしゃいますが。

川森社長から見た今のアビスパ福岡はどう見えるのか、ぜひぜひ話を聞いてみたいところではあります。

次節、モンテディオ山形戦はアウェーですが、今の課題をどこまでクリアにして、どんな試合を見せてくれるのか楽しみです。

3月20日のテストマッチではジウシーニョが点を決めているようですが、右サイドではまた新しい可能性あるかもですね。

ジウシーニョがテストマッチはどのポジションでやっていたのか謎ですが…。

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