【アビスパ福岡】ニューイヤーカップ最終戦鹿島戦でみせた「相変わらず」なところと「変わった」ところ

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ニューイヤーカップ終了

ニューイヤーカップ最終戦となる鹿島アントラーズ戦。

鹿島といえば、レアル・マドリードとの決勝戦を含め、善戦したクラブワールドカップは記憶に新しいところ。

今のアビスパ福岡の力を試す相手としては十分すぎる相手だと思います。

個人的には「1-1」の引き分けであれば、今シーズンかなり期待できるのではなかろうか。

なんて、思いながら見ていたのですが…。

結果は、0 – 1 の敗戦。

鹿島アントラーズに勝てる」るとは思っていませんが。

点が取れなかったというのはそれが昨年のJリーグ王者鹿島アントラーズとはいえ、個人的には不安要素じゃないかなと思っています。

チームの自力では鹿島が格上のチームですが、この日の試合内容としては引き分ける要素は結構あったはず…。

そこを決めきれないところは相変わらずなのか。

とはいえ、4-4-2の守備については鹿島に押し込まれつつも、カウンターで逆襲するシーンも作れてまずまずだった気がします。

そんな鹿島戦を振り返りつつ、昨年のアビスパと比べ何が変わったのか。

また、変わっていないのはどこなのかを考えてみたいと思います。

アビスパ福岡の4-4-2

まず、スタメンは以下のような感じ。

井原監督は3バックも想定しているとのことでしたが、プレシーズンマッチを見る限り開幕戦は4-4-2でしょう。

これだけプレシーズンでやってて、いきなり3バックなんてことは多分ないはず。

とはいえ、就任初年度は突如パク・ゴンをアンカーに置くシステムを採用してきたこともありますが…。

当時と比較するとチームの完成度はだいぶ高まりました。

近年この「4-4-2」で成功しているのは、昨年のプレミアを制したレスターに、スペインの2強に割り込んだアトレティコ・マドリード。

今シーズンどちらのチームも苦戦しているようではあるんですが…。

就任当初に井原監督がアトレティコのようなチームにと理想を掲げていましたが、徐々にフォーメーションも似てきたという感じでしょうか。

おそらく、アビスパ福岡の4-4-2も、アトレティコ・レスター式に近いものがあると思っています。

メンバー的に気になるのは、前の試合で負傷退場したダニルソンと神山。

ダニルソンは元気そうで何よりなのですが、神山はベンチ入りしてなかったようです。

控えのGKは山ノ井だったとか。開幕ももうそこまで迫っているので、けが人はちょっと心配です。

杉山と神山であれば、現状は甲乙つけがたいところなだけに頑張りどころだっただけに…。

前半の入りは鹿島アントラーズ相手にも、アビスパの戦術はこれまでと大きく変わらないように見えました。

4-4-2崩しをどこまで対応できるか

前半、鹿島アントラーズに押し込まれた理由は3つあるのかなと思います。

  • そもそもの自力差
  • ハイプレスを剥がせない
  • 4-4-2の間を使われた

実力差があるのはどうしようもないと思います。

個人的に一番気になったのは、4-4-2の間を使われるやり方に対しての対処です。

ちょっと話変わりますが。鹿島はレオシルバの加入は大きかったですね。

守備、ビルドアップでは中央に入り、小笠原がボールを持つと左右のサイドへ広がってサイドアタックの起点と奔走。

この辺の動きをうまくつかめなかったのも、押し込まれた要因かもしれません。

その結果、4-4-2のスペースを狙っていた金崎、レアンドロによいボールが出たように思います。

4-4-2のスペースというのは、いくつかあると思いますが、鹿島戦でポイントになったのはここ。

石津-三門-亀川-岩下で守るこのエリア。

鹿島の右サイドはここに33番の金崎がポジショニング。

中央から流れてきつつ、場合によってはタッチライン付近まで流れていきます。

亀川が距離を詰めると、その空いたスペース(&裏)が狙いめになってきます。

ここに右サイドから中央に金崎と入れ替わる形で流れたレアンドロが切換して裏を狙う。

という形を随時狙っていました。

22番の西に40番小笠原、4番レオシルバがうまくポジショニングしながらパスするので、アビスパもここでプレスしきれず。

さらに金崎にボールが入った時に強く当たれるわけでもなく、金崎がワンタッチでさばいて攻撃をつくられるという展開。

西とレオシルバがサイドに来れば小笠原が空くし、その間レアンドロは中央に流れ、金崎は開く。

ボールが入ると、レアンドロが斜めに切り込む。

この形にアビスパがなかなかストップをかけられませんでした。

金崎がタッチライン付近まで流れ、西が中央からサイドへ斜めに走るレアンドロにパスを出すもボールが流れるシーンがありました。

アビスパのDFでレアンドロを見ている選手が誰もおらず怖いシーンもありましたが、ボールが長かったおかげで助ったなんてシーンも。

逆に左サイドはシンプルに鈴木優磨にあずけて勝負。

フィジカル強いですね。

鹿島がフィジカル的に強いというイメージはあまりないんですが。

こうして対戦してみると、DFにしても、前線にしてもアビスパとくらべ、フィジカル強いですね。

駒野がうまく対応していましたが、押し込まれぎみ。

ただ、アビスパも最後のところでは決定的な仕事をさせませんでした。

そういった意味で守備は粘り強かったといえそう。

昨年はこのスペースを付かれると、意外と脆かったアビスパの守備。

個人的には川崎戦、柏戦でやられているイメージなんですが。

このスペースで相手にボールを持たれると、センターバックないしサイドバックがつり出されて、ゴール前に決定的なスペースを与えるパターンが多かったように思います。

ただ、この試合では鹿島の攻めに対して致命的なミスはなし(冨安がクリアをゴール目の前で躊躇するというのはありましたが)。

全体的に冷静に対応できていたように思います。

一歩間違えれば失点という場面もありましたが、昨年よりDFの安定感は改善された印象が強かったです。

ここは岩下の加入が大きかったでしょうか。

鹿島の厳しいハイプレス

攻撃でいくと、序盤アビスパは鹿島のハイプレスに苦戦。

ビルドアップで石津が中央に絞ってパスを受けようとすると、西、小笠原、レオシルバに厳しく当たられてしまいます。

レアンドロ、金崎の戻りも早く、ビルドアップを試みようと石津へボールを入れるのですがうまく運べず。

これまでのチームなら、中央に絞るサイドハーフにそこまで厳しいプレスはかけてこなかったんですが、鹿島はそれを見逃してくれませんでした。

昨年までならこうなってしまうと一気に手詰まりでした。

裏に走るFWにロングボールを蹴りこむか。

もしくは、ウェリントンを狙うロングボールくらいしか攻撃パターンがなくなるところなんですが。

この試合では、ロングボールしかないということはありませんでした。

奪われるリスクもあったものの、石津へボールを入れていました。

もちろん、闇雲にやっているわけではなく。

石津が通常より下がったり、亀川も石津と距離を近づけたりと、ビルドアップの距離のとり方を修正したように見えました。

その結果、石津は厳しく詰められるのですが、ワンタッチでパスを捌けるように。

ワンタッチで鹿島のプレスを引き剥がそうとしていました。

実際、何度かプレスを引き剥がして裏に抜けて攻撃の形を作りました。

試合としては前半は鹿島が押し込んでいる時間が長かったのですが、石津のところでプレスが外れれば一気に裏のスペースをとって、アビスパに好機が転がり込みそうな展開はありました。

そういった意味では鹿島もリスク承知で嵌めに来ているところもあり、ヤルかヤラれるかの非常にスリリングな攻防があった前半戦だったと思います。

アビスパにもう少し、ハイプレスを引き剥がすバリエーションとプレーの精度があれば鹿島相手にも押し込まれず、もっと押し戻せたはず…。

昨年のJ1でそんな可能性を感じることが殆ど無かったので、石津が加入した効果は非常に大きいと言えそうです。

また、前線でボールを奪われても、山瀬やダニルソンが即奪い返すシーンも。

FWや石津がボールをロストしても、すぐさま守備に切り替える速さも去年は少なかった。

確かに押し込まれていたとはいえ、昨年のJ1の試合よりはるかに「勝負できていた」試合だったと思います。

去年の今頃、この形を見たかった気もしますが…。それは贅沢なのかな。

守備のポイントはFW

この日のアビスパの前半でポイントを挙げるとしたら、FWの守備があると思います。

前半は相手ボールになっても、深い位置まで松田、城後が追いかけていました。

そこから相手のパスミスを誘ってチャンスも作りました(決めきれていればというチャンスもありましたが)。

また、レオシルバや小笠原がボールを持てばプレス。

サイドにボールが流れれば、追いかけてサイドをフォロー。

守備にかなり時間を割いたと思います。

レスターにしろ、アトレティコにしろ、FWのこうした守備は不可欠。

アビスパの4-4-2でも生命線だと思われます。

この日の城後、松田のコンビは非常に貢献度が高い守備をしていたと思います。

ただ、このコンビがウェリントン、ポッピになったときにこの守備がどうなるか?

気になるところではあるんですが。

横浜戦は明らかにウェリントンのサボりから失点を招いてますし…。

後半ウェリントンと、ポッピの2トップになったんですが。

このタイミングでは、前半の守備のやり方から変更があったようです。

高い位置でのプレスには三門が飛びすシーンが増えていました。

やはり、ウェリントンにはプレスに行くより、仮に奪ったとき「ターゲット」としてゴール前にいてもらった方が良いという感じなのでしょうか。

ただ鹿島も前半ほど激しいハイプレスではなく、アビスパもビルドアップもしやすくなっていました。

それもあって、三門も前まで出てきやすくなっていたというのもあるかもしれません…。

とはいえ、2人の守備をみる機会はそれほどなかったように思います。

基本的な動きはやってくれていたようですが、ウェリントンは城後、松田ほど動いてはくれないかなという印象です。

鹿島も簡単にサイドに起点作っていましたし。

もうちょっと相手のエリア高い位置からウェリントン、ポッピが絡んでいく攻撃的かつ組織的な守備が見れると期待は高まるのですが…。

ウェリントンは、三門がレオシルバを追いすぎてかわされた後にすかさずプレスバックしてフォローするなんてシーンもあり。

中盤のミスをフォローできる守備意識は流石なんですが。

また、この試合ではだいぶコンディションあがってきているようで一安心です。

まだ試行錯誤途中ではあると思うのですが、今シーズンの4-4-2は想像以上に完成度が高いという印象です。

新加入選手の影響も大きいと思いますが、昨シーズンから比較しても4-4-2の攻守は大きく改善したように思います。

相変わらずな点

と、以上良くなってきた点なのですが、これからは昨年と変わらない点です。

まずは失点の仕方。

後半開始してすぐの失点はあまり褒められないよなと。

昨年のアビスパは後半始まってすぐと、終了間際の失点が多かったんですが…。

まあ、時間帯だけなら「偶然」という話でもあるんですが。

セットプレーというのがまた…。

【Football Labo】

フットボールラボ(Football LAB)はサッカーをデータで分析し、データから見るサッカーという新しいサッカーの観戦方法を伝えるサッカー情報サイトです。サッカー選手やJリーグのチームを独自データから評価するチャンスビルディングポイント(CBポイント、CBP)を新たに開発し、サッカーに新しい視点を提供するとともに、コ...

昨年のアビスパの失点のうちセットプレーからゴールを決められた割合は全体の30%を越えます。

他のJ1チームを見ると、だいたい20%〜多くても30%以下がほとんど。

なかなかに多いわけです(割合だけでなく単純に失点が多いだけに余計深刻)。

これは改善ポイントだと思うのですが…。

この日も、鈴木に城後があっさり競り負けてコーナーキックから得点を決められてしまいます。

今年もコーナーキックではワンツーマンでの守備がメインみたいですが…。守備のやり方より選手の資質の問題なんですかね…。

そうなってしまうと、人を変える以外に改善策がなくなってしまうのですが…。

時間帯と合わせ、失点傾向が偏っているというのは偶然だけで片付けられない、何か原因があるはずです。

だからこそ、昨年と違うところを見せて欲しかったのですが…。

横浜戦も同じような傾向にあるので、心配な点ではあります。

攻守共にセットプレーがポイント

ここ数年、アビスパ福岡は流れの中で点が取れません。

全く取れないわけではないのですが、昇格時のJ2でも昨年J1でもゴールの割合で多いのはセットプレーからの得点です。

流れの中で得点を

と、言いたくなってしまうのですが。

これは、堅守速攻型のチームとしてはある程度覚悟しないとならない気もします。

アトレティコ・マドリードもセットプレーからの得点の割合が高いみたいですし。

記事冒頭で「1-1」なら期待が持てた。

と、書きましたがどんな形でもよいから鹿島相手に「点を取る」というプロセスを見たかったというのはあります。

それはセットプレーでもいいですし、流れの中でも良かったのですが。

鹿島戦では、カウンター、前線からのプレスで相手のミスを誘って得点チャンスを得ました。

左サイドから、石津、ポッピ、亀川でクロスまで持って行きました。

しかし、無得点。

横浜戦も無得点。

長崎戦では4得点したものの、最後のフィニッシュのところの精度を欠いている感は相変わらず。

これを打開できそうな「形」を何か見せてもらえれば…と、期待していたのですが…。

攻撃的な選手を多く獲得したので、改善の期待は大きかったのですが今のところ、「これだ!」という形は見えず。

今年も得点力不足というのは相変わらず今年も課題になってきそうです。

セットプレーもアトレティコ風?

ここからは昨年との比較というより、気がついたことなのでですが。

この日、アビスパはコーナーキック時にペナルティエリアに6人が侵入していました。

城後、ダニルソン、岩下、冨安、石津、松田といったところが入ります。

大体、セットプレーでペナルティエリアに最初から構えているのは5人くらいなのですが。

例えば、この日の鹿島も5人(アビスパもフリーキックの場合は5人。コーナーが6人)。

しかし、アビスパは1人多い6人。これは、アトレティコと同じです。

アトレティコもコーナーキック時は6人がペナルティエリアに侵入してきます。

おそらく、シメオネ監督は自分たちの得点源の1つはセットプレーという認識なんだと思います。

それは井原監督も同じかもしれません。

実際、ここ2年くらいずっとそうですから…。

今年はメンバーも変わってちょっとは流れから点が取れるか?と思っていたんですが。

とはいえ、ニューイヤーカップを見ただけでは、流れから点を取るイメージが湧いてきません。

そうなると自ずと、セットプレーの得点に期待したくなるわけですが。ニューイヤーカップはセットプレーからの得点はなし。

コーナーキックでは変化をつけようとしたり工夫している感じはするのですが。

アトレティコのコーナーキックはボールが蹴りこまれる直前にファーの選手がゴール前スペースに走りこんだり。

ニアの選手とファーの選手がクロスしてゴール前に飛び込んだり。

人が大きく動きます。

逆にアビスパの場合、あまり人が動きません。

人数を増やしても、鹿島のように相手がマンツーマンだと数は合わされてしまうのだから、もっと相手のマークを外すような動きが必要な気もします。

まあ、私が考え付くくらいですから。井原監督はじめスタッフの方も検討しているか、し尽くしているところだとは思います。

その一端が「6人」で待ち構えるセットプレーだったりするのかなと。

前回のJ2の時は、城後、酒井、中原、グゥアンソンに相手の注意が集まっているところを、濱田がうまく合わせるという形があったと思っています。

そういう形があると強いなと思うのですが。今はまだプレシーズンマッチ。

手の内を全部出してないのかもしれません…。

1勝2敗ではあるけれど

昨年のニューイヤーカップよりはるかに良い傾向にあったように思います。

心配なのは、2敗とも無得点であること。

守備から攻め上がることに関してはプレーの質はあがりました。

ただ、点を取るためのアプローチが見えず。

井原監督は「アタッキングサードの質の改善がテーマ」というようなことを言っていたそうですが。

そのことがよくわかるニューイヤーカップだったのではないでしょうか。

キャンプも終了し、いよいよ開幕なわけですが。

勝手な妄想を言えば、ポッピにアトレティコ・マドリードのグリエスマンのような存在になってほしいなと思いつつ。

2月26日を楽しみにしたいと思います。

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