【アビスパ福岡を分析するブログ 】アビスパ福岡のセットプレーに対する考察

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アビスパ福岡の最大の武器はセットプレー

さて、J2も第3節が終了しました。

明日(3月19日)第4節、ロアッソ熊本戦を迎えるアビスパ福岡ですが。

プレシーズンマッチを含め、チームが目指しているものが実践でどこまで通じるのか徐々に判ってきたと思われます。

良い所もあれば、悪いところもあるとは思われますが、その中でも最もアビスパの今後を左右しそうなのが「セットプレー」。

開幕当初から攻守ともにセットプレーについては気になることが多かったので、試合とは別の切り口で整理してみたいと思います。

まずは守備について。マンツーマンからゾーンへ

大分戦の2失点はセットプレーからだったんですが。

J1でもセットプレーから失点する場面が多かったアビスパ福岡。

そのJ1から採用していたセットプレー時の守備のやり方に「マンツーマン」での対応がありました。

しかし、個人的にはこのマンツーマンに切り替えてからの失点が多い気がしています。

ゾーンで鉄壁を誇っていたかというとそうでもなかったので、プレーヤーの資質も含めての対応だと思うのですが。

今シーズンから、ゾーンでの守備へ切り替えました。これは個人的にすごく歓迎。

とはいえ、大分戦の2失点…(フリーキック、コーナーキック共に守備はゾーン)。

ゾーンでも、マンツーマンでもあんまり変わらないのかと、思いつつもアビスパのセットプレーを考えてみたいと思います。

マンツーマンが向かないかなと思う理由

個人的にマンツーマンが向かないと思うのは、セットプレーの守備でも「ウェリントン」が要だからです。

ウェリントンはご存知の通り、FWです。もちろん、フィジカルの強さと高さは頼りになりますが。

ただ、ワンツーマンにしてしまうと、「ボールを視界に入れる」&「マークする相手も把握」する必要が出てきます。

これは、本職のDFでもなかなか大変だと思うのですが、DFではないウェリントンはこれがあんまり上手くない気がします。

というか、アビスパの選手全般得意じゃない気がしています。

相手に付くにしても、前ではなく、最初から後ろに付いたりして、ポジションで不利受けながら守備をしたり。

濱田はマンツーマンなのに、マークをしないなんてこともありましたね…。

ここは、個での駆け引きなどいろいろあるのでしょうが、そこで勝てない。

そうなると、マンツーマン向かないよね?というシンプルといえば、シンプルな結論になるのですが…。

ゾーンが良いと思う理由

個で勝てる見込みがないなら、組織で戦うしかないわけですが。

そもそも現在のアビスパ福岡は組織で戦う方が向いている気がしています。

ゾーンで考えると、マンツーマンと逆で、ウェリントンを有効活用しやすいのが大きなメリットだと考えられます。

とりあえず、フィジカルと高さに置いて強固なウェリントンをニアに置くことで、「危険」といわれるセットプレーのニアサイドに対応することが出来ます。

適性や細かな対応はあまり深く考えずに配置した「一般的」なゾーンでの配置。

状況次第で対応しなくてはならないでセットプレーの守備においてどの程度「一般性」があるのかわかりませんが。

世界でも稀な「セットプレーコーチ」ジョバンニ・ビオの挙げる一般的なセットプレーの配置を参考にして勝手に配置。

ジョバンニ・ビオ曰く、ニアにひし形に人を配置するのが考えられるとのこと。

実際、大分戦の配置を見てみると。

大分戦の2失点目の配置でもウェリントンはニア側に陣取っています。

1失点目のフリーキックの時にもニア側でした。

明確にひし型とは言えませんが、アビスパもニアに人数をかけてカバーしている傾向にあるようです。

こうした配置を取った場合、キッカーの心理というのが判りませんが、普通に考えて

「よーし!ウェリントンのところでヘディング勝負だ!ニアで行くぞ!」

と、考えるキッカーというか、監督やコーチ、そういったチームはほぼないでしょう。ウェリントンですら歯が立たない屈強な選手がいれば別かもですが…。

少なくともJ2というか、Jリーグでみてもそう居ないと思います。

ウェリントンを避けて勝負しようと思うのが普通。

アビスパ側から言えば、ウェリントンでニアの危険性をある程度抑えられるなら、あとはウェリントンを越えるボールをどうするか。

この辺に入ってくるボールですね。

このスペースに入り込んでくる相手に対してカバーリングしていくのが、岩下の役割なのかなと見ています。

さらにゾーンの場合、相手関係なく守備を配置しています。

ニアにウェリントンを置いたとして。もし相手がファーサイドに強力なヘッダーをまとめて送り込んできたとしたら。

場合によっては、ウェリントンをファーサイドに配置するということも考えられます。

このケースについては、京都サンガ戦で闘莉王が出てきた場合に起きるのかなと思っていたのですが、闘莉王は欠場。

相手に強力なヘッダーがいた場合、アビスパ福岡がどう対応するのかを見極めるチャンスだと思っていたんですが、そういうシーンはありませんでした。

状況によって臨機応変に対応するという話はこれまたアビスパが得意としない領域なきがします。

そういった状況判断を託されているのが、これまた岩下なんだろうなと思うわけです。

アビスパの試合を見ていると「個で勝負」なワンツーマンよりも、チームで役割が整理できていたほうが選手は守りやすいんじゃないかなという印象を個人的には受けます。

大分戦でのセットプレーの失点の原因はGK?

極論を言ってしまえば、マンツーマンでもゾーンでも守ってくれたらそれで良いのですが。

大分戦の1失点目。こぼれ球をミドルで押し込まれたのですが。基本的にはフリーキックからのボールに対しては相手より先に触れていました。

ただ、クリアボールが下に落ちてしまったという不運もあったかもしれません。

また密集していたので、杉山がミドルからのシュートが見えなかった可能性も高いですが…。

杉山のすぐ横を抜かれてのゴールは、GKからの視界等どういう状況があったのかわからないので簡単には言えませんが。

「触れなかったのかな…」と、いうふうにも見えなくもなく。

大分戦の2失点目も前に出てきた以上、最悪パンチングで弾くまでは行きたかったシーンですが…。

もう20年くらい前の話ですが、川口能活が「GKは前に出た以上、死んでもボールに触るべし(学生時代前に出て、ボールに触れず失点し大切な試合に負けたそう)」的なことを言っていた記憶があります。

週間マガジンの「川口能活物語」だったような…。

川口の言うとおり、GKが前に出て処理を誤ると、ゴールはがら空き。

大分戦の2失点目は相手が2人いるところにキャッチングにいって失敗した感もあったので、杉山の判断甘かったかなーと。

ゾーン、マンツーマンというやり方の問題というよりはGKの問題もある気もします。

またセットプレーではないですが、レノファ山口戦の失点のミドルも触れなかったかな…(もちろん、その前に人数かけて奪えない等の問題もありましたが)。

杉山に関しては、ちょっと不安定だなという印象は拭えず。全幅の信頼を置いて良いのか?というのはちょっと懐疑的。

神山がプレシーズンマッチで負傷交代。その後ベンチ入りしていませんでしたが、京都サンガ戦ではベンチに復帰。

神山の状態にもよりますが、ロアッソ熊本戦はもしかしたらGKは入れ替えがあっても驚かないですかね…。

プレシーズンを見る限り、神山と比べても全く遜色ない印象かつ、個人的には杉山押しなところもあったので、奮起してほしいところです。

セットプレーではGKとDFの連携も重要な要素かと思うので、安定した組織を構築したいところです。

アビスパの得点の殆どは「セットプレー」

ここからは攻撃のセットプレーについて。

現状、大分戦を見る限り「ボールポゼッション」を高めてもアビスパはあまり得点の予感がしません。

自分たちでボールをゴール前まで運んで、相手を崩してゴール。という攻め方はすぐすぐ実現しそうにはないのかなと思います。

とはいえ、カウンターやセットプレー、特にセットプレーは現状はアビスパにとっては最も頼れる武器でしょう。

実際、京都サンガ戦の2点目だったカウンターからの得点以外はすべてセットプレー絡み。

ウェリントンというフィジカルモンスターがいるわけですから、そのメリットは最大限活かさない手はないわけです。

レノファ山口戦で見せた「対マンツーマン用セットプレー」

レノファ山口戦では、ウェリントンがコーナーキックで無双してたわけですが。

これは開幕からも見られたんですが、アビスパはコーナーキックをマンツーマンで守るチームに対して「密集→拡散」型の動きをします。

大分トリニータ戦では、GKの前で密集。狙いとしては、GKが出れないようにしつつ、相手守備者も巻き込んでウェリントンだけをフリーで密集の外へ送り出す。

キックが合えば、ウェリントンがフリーでしたのでゴールの可能性はあったのかなと。

レノファ山口戦ではこれが、もう少し進化?というかバリエーションが増えていて。

ダニルソンの壁」で相手を圧倒。

アビスパの選手が「電車」のように連なりつつ、その先頭でダニルソンが相手のマーカーをまとめてブロック。

まさに壁。

ボールが蹴らそうになると「電車」の後方にいる冨安がニアへダッシュ。ウェリントンは密集から距離をとってフリーに。

ウェリントンへのマーカーはダニルソンの壁に岩下が加わりブロック。

松田はGKが出れないようにGKに密着。

亀川は相手のマーカーを引き連れて「スペース」を作る。

この形がハマって、レノファ戦はウェリントンが無双。

得点した時もほぼ同じ形でした。違ったのはこの時はニアに岩下が走り、ダニルソンと冨安が壁を作っていました。

相手のマーカーがブロックされている間にウェリントンは中央へポジショニング。

フリーで合わせることが出来ました。

ウェリントンのヘディングは「待って」合わせるタイプ

ウェリントンはどちらかというと、ヘディングする際は「走りこんで合わせる」よりは、「待って合わせる」タイプだと思います。

相手マーカーを押さえ込みつつ、身体を入れ替えたりしてヘディングするタイプ。

ボールと合わせるために多少は動いたりしますが、少なくとも、遠いサイドから走りこんでボールに合わせることは過去あまりない気が。

とはいえ、マンツーマンでくる相手には味方がブロックでマーカーの対応を遅らせてくれれば、かなり勝算は高いはず。

マンツーマンである以上、相手の守備は攻撃側がコントロールする余地があるわけですから。ウェリントンのマークを外してあげる工夫は出来そうです。

ただ逆に言うと、相手がゾーンの場合にどうするか。

ウェリントンはゾーンでも「待って合わせる」傾向が強い。よって、あまり動きません。

この場合、相手からすれば捕まえやすい。

実際ゾーンで配置された守備者プラス、ウェリントンへのマンツーマン的な存在で挟んで動きを封じられることもしばしば。

また、ゾーンの守備は基本的にポジショニングが決まっています。そのため「静的」に相手に対応しなくてはならない。

逆に相手は、静的な相手に対して「走りこんで」対応することで優位性を作り出すことが、ゾーンへの基本的な攻略方法。

ただ、ウェリントンはこの「走りこんで」というのがそんなに得意じゃないんじゃないの?

というのが個人的に感じている不安要素です。

また、アビスパ福岡にはウェリントン以外で怖い「ヘッダー」がいるわけじゃないのも事実。

冨安あたりがセットプレーから頭で点を取ってくれると、相手も脅威かつウェリントンだけに注意を払うこともできなくなると思うのですが…。

現状、ウェリントンを抑えられてしまうと厳しいわけです…。

ゾーンの間にどれだけ効果的に人を送り込めるのか

そういうこともあって、相手がゾーンで来た時にどれだけ工夫できるのかが今後のアビスパのセットプレーのポイントなのかなと感じています。

ゾーンで守る相手に対して有効なのは「ゾーンの間に入り込む選手+局所に人数をかける」こと。

精度の高いボールが供給されなくては意味がないのですが、キッカーは駒野がいます。

あとは、そこにどう選手が飛び込めるのか。そこで強力な武器があると強いのですが…。

相手がゾーンで守る場合は、京都サンガ戦で新しいパターンが出てきました。

ゾーンの相手に対して、岩下、冨安、ダニルソンが中央に。

GKには山瀬が密着。

遠い位置にウェリントンとポッピ。

京都サンガはゾーンとマンツーマンのミックス型。

ゾーンで人を配置しつつ、ウェリントンにマンツーマンで一人ついています。

ポッピはこのマンツーマンの前に入ってウェリントンのマークを遅らせます。

山瀬はGKについていますが、GKが出てこれないように進路に入るのはダニルソン。山瀬はファーに流れてポジショニング。

こぼれ球を狙うのは山瀬の役割でしょうか。

岩下はニアに動いてスペースを作る。

冨安は相手の前に素早く入って、あわよくばヘディングシュート。

そうでなくても、後ろに走りこむであろうウェリントンのための囮。

そして、ウェリントンはゴール前に「走りこんで」ヘディング。ウェリントンが長い距離走って、ヘディングなんて初めて見たような気がします。

個人的には、苦手だろうと思っていただけにこの形はかなり意外。

とはいえ、やっぱり走りこむヘディングは難しいのか。ジャストミートせず。

ただ、形としては非常に良かったと思います。

こうしたセットプレーの選択を誰がしているのか判りませんが、状況に合わせて組織的に動けているのは純粋にすごいなと思います。

かなりセットプレーに時間を割いていると思われます。

相手からすると、毎回バリエーションの違う形でウェリントンがフリーになるように動いてくるアビスパのセットプレーは脅威でしょう。

もしアビスパを相手にする側から考えると、ズルい。と、言いたくなる…。

ロングスローもまだまだ試行錯誤の余地はあり

京都サンガ戦、スローインから幸先良く先制点を挙げたアビスパ福岡。

松田と、山瀬がボールをもらいにタッチラインに向かって走り始める。

同時にウェリントンも中央から、ニアに走る。

スローインが入ったと同時に山瀬と、松田は方向転換。

ウェリントンがボールを落として、山瀬がゴール。

と、スローインからのプレーでゴールを奪いました。

おそらく事前に打ち合わせたプレーだったと思われます。

このスローインからウェリントンに当てて、からゴールを狙う形は面白いと思うですが。

ただ、現状はウェリントンに当てることが前提なことが多い。

まあ、ウェリントンであればある程度警戒されていてもフィジカルでなんとかしてしまうこともあるかと。

とはいえ、相手の裏を書くという意味では別の形も模索したいところ。

例えばですが、ダニルソンが後ろから入ってフリックとか(冨安でもよいかも)。

最後は松田が飛び込むとかですね。イメージとしては、京都サンガ戦で右サイドを上がったダニルソンから、ニアへのクロスに頭から飛び込んだシーン。

そういった形でニアサイドでも勝負できると面白いと思うんですが。

ここは、まだまだバリエーションを増やす余地はあるのかなと。

要は相手に「迷ってもうらう」必要がある

ウェリントンにしても、ダニルソンにしても「わかっていても止められない」だけのフィジカルがあります。

とはいえ、そこだけに頼ってプレーするにも限界があると思います。

いつまでも「最後はウェリントン」では心もとない。

前回J2時にはウェリントンに、城後、酒井、グゥアンソンがセットプレー時に並んでいました。

更にそこに濱田が入ってくるので、相手はどこを抑えて良いのかわからない。という感じもありました。

正直、組織的な動きというよりはフィジカルゴリ押し。ただ、それ故に「誰に合わせるのかわからない」というバリエーションは存在していた気もします。

今のアビスパ福岡のセットプレーの多くは「いかにウェリントンをフリーにするか」に主題が置かれています。

以前と比べると非常に組織的な気がします。ただ、ウェリントンありきなのは気になるところ。

さらにセットプレーを強化するためには「新しいフィニッシャー」の登場にも期待したいところでもあります。

個人的には冨安に期待したいところも

ウェリントンに次ぐフィニッシャーとして期待したいのが、冨安です。

ウェリントンと比べるとどちらかというと、動いてボールを捉えられるタイプの選手だと思います。

ウェリントンが、中央からファーに流れ気味なので、冨安にはその前のスペースに入り込む役割が与えられているように見えます。

そこで点を取れるようになると、相手のDFもウェリントンなのか冨安なのか。迷ってくれると思います。

相手に判断を迷わせることができれば、先手を取って動くことができる。

そうすると、更にアビスパのセットプレーは強力なものになりそうです。

次節はどんなセットプレーを見せてくれるのか

次節ロアッソ熊本戦ですが、前節のモンテディオ山形戦では終了間際にコーナーキックでGKのヘディングで引き分けを手繰り寄せました。

セットプレー時の守備はゾーン。

ただ、山形の動きに対して、DFが前に入られることが多く、セットプレーから失点。かつ、危うい場面もいくつかあったようです。

通常の流れの中でもニアで守備が甘い印象を受けましたが…。どうなんでしょう。

ウェリントンには巻がマークに付くのでしょうか。

このマッチアップも面白そうですが、冨安あたりがニアで合わせてゴール。といったシーンを期待したいところです。

流れの中から豪快なゴールも楽しみですが。

セットプレーも注意深く見ると面白いかもしれません。

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