自動昇格ならずとも、最終戦に見た今年のアビスパ福岡の強さ。 FC 岐阜に納得の勝利。

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アビスパ福岡のリーグ戦を総括する試合に

本当にあと、少し。

大分トリニータ vs ジュビロ磐田の残り時間わずかでの同点劇。

アビスパ福岡の J1 への自動昇格が現実のものとして、確かに見えました。

しかし、それもジュビロ磐田のロスタイム弾であっという間に消えてしまいました。

リーグ最終戦。FC 岐阜に勝利しましたが、アビスパ福岡はプレーオフでの J1 昇格を目指すこととなりました。

開幕 3 連敗。順位は最下位。

そんな状況から、ここまで昇りつめてくるとは想像すらしませんでした。

シーズン前も 4,5 位のプレーオフ争いに食い込めれば・・・。

というのが、正直なところでした。

大宮アルディージャ、ジュビロ磐田、セレッソ大阪。

チーム力を考えると、このチームにいかに付いていくのかが、2015年 J2 のカギだと思われました。

3位以下の順位を、千葉、東京V、長崎あたりと争うのが目標なのかなと。

しかし、結果はプレーオフとなりましたが、2015年シーズン堂々の「3位」で終了。

セレッソより上に来るとは思いもよりませんでした。

2位には届きませんでしたが、誰も落胆はしていないでしょう。

シーズン終盤 8 連勝。勝ち抜いてきた結果ですからね。

11月29日、プレーオフ第一戦。まずはシーズン 6 位の「V・ファーレン長崎」との対戦となりました。

残り 2 試合、一発勝負のプレーオフ。

負けは許されない戦いとなりますが、今の戦い方をすれば間違いないと思います。

そして、リーグ最終戦は今年のアビスパの強さを象徴する勝利となりました。

そんな 2015年シーズン J2 最終戦 アビスパ福岡 vs FC 岐阜を振り返りたいと思います。

気持ちで負けない。そういう戦い方ができるようになった

昨シーズンまで監督を務めた、プシュニク監督は非常に気持ちが全面に出る監督でした。

しかし、逆に選手たちは萎縮していたのか、気持ちの面で負けていると感じる試合も多かったのが正直な印象。

今シーズン井原監督身体性となっても、序盤は戦う気持ちというのはなかなか見えて来ませんでした。

特に開幕戦の覇気の無さは今後を心配してしまうものでした。

しかし、徐々にチームが成熟してくるなかで「戦う姿勢」も見えるようなり、今シーズンの躍進にもつながったように思います。

FC 岐阜戦では同点に追いつかれてからの、追加点にそんな「戦う姿勢」が現れていたように思います。

先制は城後のヘディング

前半は、酒井が左サイドでフリーになる形が作れていました。

試合終了後のインタビューで城後は岐阜は「クロスの対応が弱い」とコーチ陣とも話をしたというコメントをしていました。

そして狙い通り「クロス」がこの試合のポイントとなりました。

前半は酒井が DF の裏でフリーになることで、相手 DF を翻弄。

右からのクロスを酒井がフリーで受けていました。

その酒井へのクロスからの折り返し。

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酒井のサイドチェンジから、末吉のクロスと左右に振って岐阜のマークが完全にずれました。

勝つしか無い大一番で、非常に良い形で先制しました。

しかし、このあと試合が膠着状態にはりいます。

盛り返してきた岐阜の守備

前半酒井をフリーにしていた岐阜の守備陣ですが、失点後修正。

酒井をフリーにしないようにサイドに人数をかけてきました。

そこから、徐々に岐阜がボールを支配する形に。

前半は、リードで折り返したものの、これまで基点と生っていた酒井に上手くボールが入らず。

高い位置からの岐阜のプレスに後手になるシーンも。

さらには、ゴール前でパスをカットされるなど危ういシーンも・・・。

アビスパとしては嫌な流れだなと感じていたいたものの。

前半はなんとか、無失点で折り返しました。

しかし、後半も圧力をかけてくる岐阜ペース。

苦しい時間帯が続く中、一瞬の隙をやられてしまいました。

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早いリスタートから、レオミネイロに裏を取られて失点。

攻撃で良い形を作っていた岐阜からすると、勢いに乗る同点弾。

アビスパにとっては我慢しどころだったのですが、失点。

試合展開としては、非常によろしくない状況ですが・・・。

ここから盛り返せるのが今のアビスパの強さ

昨シーズンまでだったら、このまズルズルいってしまったかもしれません。

しかし、苦しい流れを耐えてもう一度自分たちの流れを作れるのが今シーズンの最大の強み。

岐阜を突き放す追加点は、ウェリントンの豪快なヘディング。

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このゴールには 2 つポイントがあった思います。

まずは、井原監督の采配

前半のはじめ、相手の背後のスペースで仕事ができた酒井。

しかし、岐阜がスペースを消すとなかなか効果的な仕事ができなくなりました。

そこで動いた井原監督。

後半の早い段階で坂田とスイッチ。

中でロングボールに競ったり、外に開いてボールを受けるというのは得意な酒井。

しかし、中盤でに下がってパス交換に参加して、DF ラインの裏へ駆け上がっていく。といった、縦の動きはあまり見ません。

逆にそうした縦の動きが得意な坂田。

左サイドに違うタイプの選手を入れることで、これまでと違う「攻撃の基点」が作れるようになったアビスパ福岡。

この結果、攻撃に新しいリズムが出たように見えました。

ウェリントンのゴール直前のプレーでは坂田が左サイドでパスを受けて、前線へダッシュ。

できたスペースに城後、ウェリントンが入ってきました。

前線に張るか、サイドのスペースで基点をつくろとしていた酒井との関係性ではあまり生まれなかった「縦の関係性」が出てきました。

少し下り目でボールを受けたウェリントンのワンタッチプレーから逆サイドへ。

中村北斗のクロスから、ウェリントンのゴールと繋がりました。

酒井と違うリズムができたように思います。ここは井原監督の采配がズバリ決まったという感じでしょう。

そしてもうひとつ。

ウェリントンのゴールが生まれる少し前のプレーだったんですが。

押し込まれていた時間帯で、城後が見せた姿。

ここでも左で一度基点を作って、逆サイドの中村北斗にサイドチェンジ。

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一度目のクロスは相手にクリアされ、こぼれたところを中村北斗がふたたびクロス。それに城後があわせたシーン。

坂田が投入されてすぐのシーンだったんですが、坂田が上下に動いて相手 DF を揺さぶっていました。

この時点ですでに坂田が投入された効果がありました。

今季のアビスパは守備にしてもそうですが、選手自身の役割が明確に整理されたと思います。

途中出場した選手も、何をすべきなのか明確に判った上で投入されているように感じます。

さらにアビスパの「気迫」を感じたのがボールが逸れたあと。

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城後が大きなアクションで審判に相手のワンタッチを主張。

プレー自体も良かったとは思うんですが、これをみて「アビスパは死んでない」と誰もが感じたと思います。

スカパーの解説だった元日本代表の森山さんも「気持ちの面で押し返しましたね」とこのプレーを評価。

岐阜よりだった流れをアビスパに引き戻しました。

キャラクター的に「ガツガツ」したタイプではない城後。

背中で語るキャプテン

と、言われたりしていましたが、どちらかというとストイックにプレーするタイプ。

個人的にはそういったキャラクターがキャプテンには向いていないと思っていました。

プレシーズンの大分トリニータとの試合でも味方のパスが逸れても、ただ黙々と走っていた城後。

味方同士が声をかけあうトリニータの方がよほど活気がありました。

しかし、今シーズンアビスパが調子を上げる中、城後がこうしてアピールする場面が増えてきました。

味方のパスに不満を表すこともありました。

これもシーズン前はとて想像できませんでした。

井原監督も現役時代は、クレバーなキャプテンでした。感情を表に出すタイプじゃなかったと思います。

そういった意味では、城後と似たタイプの井原監督。

城後自身も「キャプテン」としてどうすべきなのか良いお手本になっているように思います。

その影響が城後の今の姿に繋がっているのではないかと。

このシーンでも岐阜に押され気味の状況を打破しようとする城後の意気込みが伝わってきました。

もちろん、声だしたりオーバーリアクションすれば良いというものじゃないですが。

ただ、この 2 点目に至る流れは今シーズン、アビスパがテクニカルな面でも、メンタルな面でも成長した姿が凝縮されたシーンだったように思います。

追加点を奪ってからの連続ゴール

アビスパの 3 点目はふたたび城後。

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この攻撃も左サイドで坂田がドリブル突破。

そこからウェリントンを経由して、中村北斗という流れ。

直接ゴールには関わってないんですけど、坂田の投入は本当に大きかったと思います。

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4 点目はコーナーキックからウェリントンが 2 点目。

このコーナーキックも坂田がゴール前への鋭い侵入から得たものです。

坂田はこの試合の影の MVP でした。

GK 好きとしては非常に興味深い試合に

FC 岐阜の GK は4月以来の先発だった川口能活。

井原監督に、坂田に、川口能活と古いマリノスファンにはなんとも感慨深いものがあるメンバーでした。

とはいえ、ウェイリントンに決められた 4 点目の川口の判断はまずかったような。

飛び出すのが遅かった上に、飛び出してもボールに触れることもできず。

シーズンほとんど出れなかったブランクというか衰えを感じてしまいました・・・。

清水商業時代に全国高校サッカー選手権で城彰二がいた鹿児島実業高校を PK を止めて勝ったシーンを今でも覚えていますが、その時から知っている古いファンとしてはちょっと悲しいものが(安永聡太郎とかいたなあ・・・)。

11月14日のカマタマーレ戦ではベンチ入りして、今日先発でしたが・・・。

FC 岐阜にとっては、ほぼ順位の関係ない試合。

ラモス監督がどういう考えで先発に選んだのかわかりませんが、もしかしたら、引退もあるのかなと・・・。

終了間際、完全にフリーな状態から放たれたシュートを冷静にセーブするあたりはベテランの渋さがありました。

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今後の去就は気になります。

試合ごとに凄みを増す中村航輔

一方、若手の GK としては売り出し中。

中村航輔がこの日も魅せてくれました。

GK なんで見せ場ないのが一番なのですが。

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ボールは自分の体の近くに飛んできたとはいえ、この至近距離で相手なのか味方なのか誰が触ったかもよくわからないボールによく反応できなと。

井原監督のコメントからも、反応の良さを評価する話はあったんですが、本当によい反応しています。

前節、解説の中払さんが中村航輔のセーブを見てオリバー・カーンのプレーを例に出していましたが、本当に全盛期のオリバー・カーンを思い出しました。

川口能活の目に中村航輔のプレーがどう見えたのか、ぜひ聞いてみたいです。

これで長いシーズンが終わりました。

プレーオフを戦わなくてはならないので、もうラスト 2 試合となりました。

とはいえ、リーグ戦 42試合 が終了。

シーズンだけで見れば、2位と勝点差なし。堂々の3位という成績。

昨年の 16 位から大躍進となりました。

自動昇格はできませんでしたが、今シーズンはあと 2 試合もアビスパの試合を見てハラハラするチャンスが来ると思うと、近年のシーズンでは比較にならないくらい幸せなのかも知れません。

それくらいポジティブにプレーオフに望めるほど今シーズンのアビスパは充実していました。

試合後のインタビューで井原監督は「選手は少しがっかりしている」というコメントを出していましたが、気落ちする必要は全くないと思います。

胸を張って、プレーオフを戦ってほしいと思います。

まずは、V・ファーレン長崎戦。

九州ダービーでのプレーオフとなりますが、これまでの戦いができれば結果はついてくるでしょう。

来年はぜひ、J1 の記事を書かせてくれ!

そう願いを込めて、29日を待ちたいと思います。

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