福岡県の「十日恵比寿」って何?調べてみたら結構興味深かった。

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もう福岡に住んで8年がすぎるんですが・・・

いつの間にか10年が見えるくらい福岡に住んでしまいました。

住んでしまいました。

というのも変なのですが、5年位で鹿児島に帰るつもりだったんですけどね。

案外根をおろしてしまったのかもしれません。

とはいえ、8年間で全く福岡のことが身についていません。

5月ゴールデンウィークに行われる「博多どんたく」。

国内最大級の規模を誇るお祭りですが、一度も参加したことがありません。

さらに福岡のお祭りといえば、「博多祇園山笠」。

見たことがありません。

福岡の方と場所の話しているとよく出てくるのが、「明治通りの〜」とか、「国体通りの〜」といった道の名前で場所を示されるんですが。

どの道だか全然判りません。

福岡にきて、1 年に 2 回は「あーこれが明治通りか」。

と、感動することがあるので、計 16 回も明治通りに感動している計算になりますが、残念ながら今も覚えられません。

まあ、これは鹿児島に住んでいるときも通りの名前が「まったく覚えられなかった」ので、私個人の属性でもあるのですが・・・。

なんで、正月も過ぎたのにお参りに行くの?

最近子供が、「何しよっと?」と、博多弁を使うことに異様な違和感を覚えてしまいます。

8年も住んでいながら、まったく慣れていない不適合ぶりに我ながら呆れてしまいますが。

そんな中、お正月も終わり徐々に「通常モード」になりつつあるこの時期。

福岡では「お参り」があります。

十日恵比寿です。

毎年1月10日前後になると、福岡の方が仕事の途中、もしくは仕事終わりにいそいそとどこかに行こうとします。

毎年、「なんかあるんですか?」と、聞いてしまうのですが。

毎年「十日恵比寿に決まってるじゃないですか」。

と、言われショックを受けます。

え?なにそれ?正月気分いつまで引きずってんだよ!

と、無知な人間からするとツッコミを入れたくなるんですが、どうやらそれは大間違いのようです。

聞くと何でも「商売繁盛」を願いに行くそうで、福岡で働く方々の間ではスタンダードなスポットらしいです。

こちらも例にもれず、8年間一度も行ったことがありません。

十日恵比寿ってなに?

こちら、福岡にある「十日恵比須神社」のことです。

福岡県の県庁の近くにあります。

福岡の中心地である天神や博多駅からはちょっと外れた場所にあります。

名前からも判るように、「恵比寿様」を祀った神社です。

この神社が1月の10日前後に「正月大祭」というのを開催します。

十日恵比寿は「商売繁盛」のご利益があるということで、福岡の地元の方は仕事始めの初詣のあとにこの「十日恵比寿の正月大祭」へ行くわけです。

知らない人間からすると、

「お正月は別のところで初詣するのに、数日経ったら十日恵比寿だ!なんて節操のないことしたら神様ご立腹なされませんかね?」

と、心配してしまいますが、まあ「三社参り」というのもあるから良いのか。

十日恵比寿を調べてみる

恵比寿といったら、どちらかというと酒も飲めないのに「ビール」を連想してしまうのですが。

エビスビールをよく思い出していただけると、恵比寿様は「釣り竿」と「」を携えています。

そこから判るように、もともと恵比寿様は「海の神」です。

よって、漁業と繋がりが深い神様です。

「大漁旗」というのがありますが、今でも恵比寿様は描かれる対象です。

えびす様大漁旗

[参照:染の安坊]

実際、「十日恵比寿」も「漁業繁栄」のご祈願を行っているそうです。

「えびす」というのは、夷、戎、胡、蛭子、蝦夷、恵比須、恵比寿、恵美須といろいろ表現されるんですが、この神様は諸説ある神様みたいです。

ひとつは、「イザナギとイザナミの子供」。

というもの。

イザナギとイザナミの国造りにおいて一番最初に生まれるのですが、不具の子として海に流されます。

その由来からの「海の神様」です。

漂着したクジラを「寄り神」と呼ぶことがあります。今はクジラが流れ着くと、可能な限り海に返したりしますが、昔は基調な食料だったりしたわけです。

クジラが流れ着いたことで飢餓を回避できたりなんてこともあり、まさに「神様からの贈り物」という解釈ですね。

そうした海の神様としての「恵比寿様」です。

あと、もうひとつは日本書紀に登場する「事代主神(コトシロヌシノカミ)」とするもの。

福岡県の十日恵比寿はこちらの「事代主神」を恵比寿様として祀っています。

事代主神(コトシロヌシノカミ)とは、出雲の神話に出てくる神様です。

先ほど「エビスビール」のイメージの話をしましたが、このイメージは「事代主神」が「記紀(古事記と日本書記の総称)」の中で釣りをしているところから考えられたイメージだそうです。

そもそも「えびす」は古事記、日本書紀にも出てこない神様。

そのため、イザナギとイザナミが最初に生んだ子「蛭子(ヒルコ)」と解釈するもの。

日本書紀に登場する、「事代主神」であるとする説などがあるそうです。

恵比寿様と大黒様はワンセット?

この十日恵比寿神社には、「恵比寿様」が祀られているのですが、もうひとり神様が祀られています。

それは「大黒様」。

恵比寿様は「漁業の神」。

大黒様は「豊穣の神」。

農業と漁業が主流だった時代にこの2つを合わせて「商売繁盛」というわけですね。

なので、この神様はワンセットで信仰される事が多いようです。

さらに、「恵比寿様」と「大黒様」には「親子」という側面があったります。

恵比寿様は「七福神」としても有名なのですが、この七福神というのは 6 神が「海外由来の神様」です。

以下、七福神の由来です。

  • 恵比寿:イザナミ・イザナギの間に生まれた子供、大黒(大国主の子供)
  • 大黒天:ヒンドゥー教の神 シヴァ神
  • 毘沙門天:ヒンドゥー教のクベーラ神
  • 弁才天:ヒンドゥー教の女神 サラスヴァティー神
  • 福禄寿:道教の宋の道士天南星、または道教の神で南極星の化身の南極老人
  • 寿老人:道教の神で南極星の化身の南極老人、日本の七福神の一人としては白鬚明神
  • 布袋:唐の末期の明州に実在したといわれる仏教の禅僧。

こうしてみると、七福神てヒンドゥー教多いですね。

この中の「恵比寿様」が七福神のなかでは唯一日本に由来のある神様になります。

日本を作った神様の子供ですからね。

もう一説の「恵比寿様」を「事代主神」とした場合も、その由来は日本書紀によるとスサノオの息子である「大国主(おおくにぬし)」にたどり着きます。

大黒様 = 大国主?

「恵比寿様」と七福神でも一緒になっている「大黒様」。

もとは、ヒンドゥー教の「シヴァ神」に流れを組む神様です。

シヴァの化身であるマハーカーラの名前から

マハー=大(偉大な)

カーラ=黒

ということで「大黒」というわけです。

さらに日本の神道の神様「大国主(おおくにぬし)」と混同されて、今の形になります。

もともとは、「破壊」と「豊穣」の神だったそうです。そのへんは「破壊の神」だったシヴァの特徴を継承していたのでしょう。

それが、「豊穣」だけが残って伝わっているそうです。

「だいこく(大国、大黒)」繋がりといえば良いのでしょうか。

大黒様=大国主。

ということで、始まりは海外の神様だけど、日本の神様の良い所だけを引き継いで混同された。

という感じなんでしょうか。

ちなみに大国主は、「国造りの神、農業神、商業神、医療神」として信仰されています。

その大国主の子供が「事代主神」なわけです。

よって、大黒様と恵比寿様は親子ともされるわけです。

「恵比寿様」と「大黒様」は非常に繋がりの深い神様であるわけです。

大国主を祀る出雲大社から御分霊

大黒様と、恵比寿様をあわせて信仰することはあるようですが、「一緒に祀る」というのは非常に珍しいみたいです。

【十日恵比寿神社公式サイト:十日恵比寿について】

上記サイトにも紹介されていますが、「大国主」を祀る「出雲大社」御分霊して祀っているそうです。

「親子の縁」。

ということなんですかね。

ご利益としてはそんな「恵比寿様」と「大黒様」が同時にいるわけですからね。

福岡の方がこぞってお参りするのがだんだん判ってきましたよ・・・。

なんで十日なの?

十日恵比寿の存在を知った時に真っ先に思った疑問です。

これは、明確に答えてくれた福岡出身の方が私の周りにはいませんでしたが、調べたところこちら、上記の公式サイトに書いてありました。

天正19年西暦1591年、武内家隠居、五右衛門が香椎宮・筥崎宮参拝の帰りに潮先において恵比須神の御尊像を拾い、翌、文禄元年 西暦1592年1月10日 社殿を営み、恵比須神を祀る。
十日恵比須神社創建。

どうやら、十日恵比寿神社の始まりが、1月10日だったようです。

十日恵比寿の設立のきっかけとなる、「恵比寿様の像」を拾ったのがお正月 3日の香椎宮と筥崎宮の帰り道だったようです。

まあ、タイミング的にこの 1月 10 日というのは何かあったのかもしれません。

大黒様にまつわる余談

十日恵比寿に祀られている大黒様は、大国主です。

つまり、「国造りの神、農業神、商業神、医療神」です。

非常に多くの方がこの十日恵比寿の正月大祭に訪れるそうですが、会社経営や自営業の方が惹かれるのは「国造りの神」というところにもあるのかもしれません。

また、大黒様、大国主を祀る出雲大社には「縁結び」のご利益があると言われています。

「出雲」は神有月(神無月)に神が集う場所。

ということで、縁結びという連想のようです。

商売だけではありませんが、「人の縁」というのは重要です。

そうした「良縁」も求めて多くの人が集まっているのかもしれませんね。

公式サイトでも結構大きくアピールされてますし・・・。

tokaebisu-en

この記事を書いているのがすでに 1月 10 日。

今年はスケジュール的にちょっとお参りできませんが、来年は行ってみようかな。

案外スケジュールが開きまして、行ってきました。十日恵比寿。

少しは、福岡人ぽくなれるかも・・・。

十日恵比寿に行く時は、時間と日にちに気をつて

3連休のど真ん中。

1 月 10 日に十日恵比寿に行ってきました。

人混みは覚悟の上。

どんな状況なのだろうと見に行ってきました。

すごい数ですね。

tokaebisu-konzatsu

1 月 10日の午後に行きましたが、参拝でなんと 3時間待ち。

tokaebisu-enter

はい、普通に諦めました。

近い内にゆっくりお参りしようと思います。

この日は、周りをウロウロして十日恵比寿、正月大祭の雰囲気を感じてみようかと。

東公園は出店がいっぱい・・・。でもあえて苦言を・・・。

十日恵比寿は「東公園」に隣接しているんですが、「出店」はこちらの講演の歩道に多く並んでいます。

たい焼き、たこ焼き、焼き鳥などなど。

お祭り定番のお店がわんさか出ています。

その他にも、財布を売っている店やら、木工製品を売っているお店などもありました。

残念ながら、やや潔癖の気がある私は、筥崎宮の「放生会」といい、こちらの「十日恵比寿」の出店と言い、ちょっと無理です・・・。

お店が多いからですかね?

ただ焼くだけかもしれませんが、咥えタバコで調理する人の多いこと・・・。

なんか、それ以外もかなり適当してそうで、怖くて買えないです。

正直な感想を言わせていただくと、福岡県のお祭はちょっと他県の出店と比べて劣る点が多くないですか・・・?

他県のイベントとかはもうちょっと気を使ってると思いますよ・・・。

ゴミもそこら中に捨ててあって「こんなんで、ご利益もへったくれも無いだろうに・・・」。

と思ってしまいます。

神様にお参りしているのに、ゴミをそのへんに捨てる感性が私には判りません・・・。

放生会も行って参拝者(参加者?)のマナーの悪さにかなりがっかりしたんですが、そこまでではないものの、十日恵比寿もちょっとがっかりしました・・・。

参拝される方(一部の方だとは思いますが)はもっと考えたほうが良いと思いますよ・・・。

せっかく良い神社があって、多くの人が集まる素晴らしい行事なんですから。

神様にお参りに行って、ポイ捨てて・・・。

バチあたりますよ。

東公園では何やら色々イベントが

イベントなのかよくわからないですが、私が訪れた時は多くの方が皿回してました。

toukaebisu-saramawashi

これも十日恵比寿に関連した何かなのでしょうか?

何かのイベントだったみたいですが。

この他にも「猿回し」もやっていました。

想像していた以上に大きなお祭りでした。

あと、東公園自体も「都会のオアシス」を自称しているだけに天気の良い時に散歩に来ると気持ちが良さそうです。

元寇の名残

福岡県に来て思っていたのは「元寇」関連の話が少ないなということ。

まあ、鎌倉時代の話ですし、主に戦場が九州北部だったというだけで何かあるわけではないのでしょうが。

特に私も調べなかったんですが、東公園で初めて見かけました。

亀山上皇銅像。

kameyama

えらく巨大な銅像がかなり目立っていました。

亀山上皇とは、元寇来襲当時の「実質の治世者」です。

実質というのは、当時の天皇は「後宇多天皇」。

いわゆる院政というやつですね。

このとき、亀山上皇が「身を以って国難に代える祈願」を伊勢神宮に奉ったという故事があるそうです。

まあ、積極的に元寇へ対応したリーダーだったということみたいです。

kameyama-explain

銅像前の説明にも書いてありました。

ただ、「この祈願が亀山上皇、後宇多天皇どちらに帰すの?」というのは、現在も決着の突かない問題だそうです・・・。

本来なら天皇だけど、実務者は亀山上皇じゃん!

という感じでしょうか。

ちなみにこの亀山上皇は筥崎宮の楼門高く掲げられている額「敵国降伏」を書いた方なんだとか(現在のものは、筑前領主小早川隆景が楼門を造営した時に臨写したもの)。

福岡に縁のある方なんですね。

さらに付け加えると、亀山上皇は晩年出家しています。

出家しても、女性関係が激しかったそうです。

とりあえず、英雄色を好む。と表現しておきましょうか・・・。

この亀山上皇の像は高台に置かれているのですが、景色が良かったです。

夕暮れ時の雰囲気も良かったですね。

kameyama-fuukei

福引目当ての方も多い

十日恵比寿の目玉といえば「福引」。

1 回 2,000円で福引に参加することができます。

福笹(笹に御札を括りつけたもの)と、張子の福起こし、福寄せ、干支、金蔵、そろばん等「縁起物」がもらえるそうです。

こちらも時間があればやってみたかったですが、今回は不参加。

何しに行ったんだ!

と言われてしまいまそうですが・・・。

うーん。2,000円 払って、数時間待たされてそれらを渡されても・・・。

いや、縁起物だとは思うんですけどね・・・。

私のような不信心者には、苦行にしか見えませんでした。

えびす銭をお借りしました

十日恵比寿はこの福引の他にも「えびす銭」というのがあります。

今回はこちらをを「お借り」しました。

こちら、200円で「借りる」ことができます。

借りるというのは、来年この「えびす銭」は返さないといけないから。

昔は、この十日えびすでは縁起の良いお金を借りて、それを元金に商売をして翌年「倍にして返す」。

という風習があったそうです。

お金を返したらまた、借りて行くのだそうですが、それを現代ではこの「えびす銭」で表現しているんだとか。

ebisusen

袋にもそう書かれていますね。

実際の中身。

in_ebisusen

古銭が本当に入っています。

疑ったわけじゃないんですけどね・・・。

これは来年返さなくてはなりません。

来年も来る理由ができましたね。

想像以上にすごいイベントでした

行くまでは全くどんなお祭りなのか想像できませんでしたが、福岡県でも根付いたお祭りということを実感しました。

正月大祭は、1月8日〜11日まで開催されています。

10日がメインではあるようですが、スムーズに参拝されたい方は日付と時間をずらして行かれることをおすすめします。

十日恵比寿の方もおっしゃっていましたが、「朝早い時間」が狙い目だそうです。

気が早いですが、2017 年は早起きしていってみたいと思います。

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