本当に日本のEコマースは穴だらけなのか?IVS 2015 Spring 特別インタビューに思う日本の Eコマースの現状

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まあ、穴だらけなのかもしれませんが

先日ネットの記事でこういうのを見かけました。

日本のEコマースはまだ穴だらけ–人気ネットサービスの仕掛け人たちが今後のトレンドを予想

業界のトップランナーがそういうんですから、そうなのかもしれませんが。

ただ、最近ちょくちょく通販系のお仕事をさせて頂いていますが、正直穴はあるかもしれませんが、そう大きくないんじゃないかなー。

とも感じています。

もちろん、あくまで個人的な感覚なのですが、せっかくなので最近感じていることをお話してみたいと思います。

健康食品、コスメは完全に飽和状態

日本の通販の場合、規模が大きいのはこの2つの商品をあつかう通信販売だと思います。

しかし、この業界は徐々に飽和状態にあると感じています。

広告費は高騰し、出てくる商品も似たりよったりの商品が次々と販売されています。

それでもなお、「通販に打って出る!」という企業があとからあとから湧いて出来ます。

正直、もうかなり飽和に近いんじゃなかろうか。

通販系のお仕事を見ていると、そう感じてしまいます。

実際、この手の企業さんは今海外へ目を向けています。

日本の国内市場で喧嘩するより、強豪の少ない海外で商品販売したほうがはるかに儲かるからです。

実際、多くの企業がアジアに向けて化粧品や、健康食品などを販売し始めています。

日本国内で、もうパイがない。

というわけではないとは思いますが、正直そのパイはそんなに大きいとは思えません。

その小さなパイを血を血で洗うよな争いで獲得するより、これから通販市場が伸びるアジア圏へ進出することはそう不自然な話ではないと思います。

穴はこれ以外の業種にある?

インタビューの話にも出ていますが、メガネの通販だとか、ベビー用品の通販とか、確かに市場がありそうです。

そこは日本でアプリ開発までやてるようなサービスを打ちた出しているところは今のところ無いように思います。

そういう観点だと、穴だとは思います。

しかし、それはそんなに大きな穴。なのでしょうか。

気になる日本の流通網

この手の話をすると、「アメリカではすでにそうしたサービスが誕生している」という話になります。

確かに、日本はアメリカの影響を受ける国です。

しかし、何でもかんでもアメリカと同じになるかというと、そうでもないと思うんですが・・・。

日本の場合、アメリカよりしっかりとした「流通網」があります。

また、国土もアメリカよりはるかに小さい。

そのため、地方に住んでいてもそれなりの「商品」が身近で手に入ります。

もちろん、金額もべらぼうに高いということもない。

以下、このへんのことはディスカッションの中でも議論されています。

佐藤:日本のEC化率が低いじゃないですか。海外の投資家さんと話をしてるときに「なんで日本は低いんですか」って聞かれて、明確な答えが出なくて。何なんですかね? 聞いちゃいますけど(笑)。

佐俣:よくある一般的な話だと「アメリカは店が遠いからネットで何でも買う習慣がある」っていうけど、本当なんですかね。

佐藤:でも、その人が言ってたのは「中国の北京は東京と同じくらい人口密度があってお店もあるんだけど、EC化率は北京のほうが高いんだよ」って。となるとその話も違うのかな。

鶴岡:クレジットカードの普及率は関係ないですかね?

佐俣:あー。あるかもしれないですね。

鶴岡:銀行振り込みってダルいじゃないですか。中国も国レベルで決済をやってるし、TaobaoもまさしくAlipay(アリババグループの決済サービス)の存在がすごくでかいだろうし。インターネットでお金を払うっていうのは、オフラインに比べると障壁が高いというのが日本人にはあるのかなと思ってますけどね。

佐俣:でも、日本は世界で一番大きいスマートフォンゲームのマーケットだったりするので、「払う」という行動が絶対に無理かと言うとそうでもないわけですよね。

IVS 2015 Springの本セッションを前に行われた特別インタビューに、GMOペパボ・佐藤健太郎氏、BASE・鶴岡裕太氏が登壇。「Eコマースの今」というテーマのもと、ANRI General Partner・佐俣アンリ氏をモデレーターに、GMOペパボが運営するハンドメイド雑貨を購入・販売できる「minne」と誰で...
より抜粋

アメリカや、中国との比較がありますが、やはり消費者行動が違うんだと思います。

国や、文化によって。

同じ商品同士でも良し悪しを見分けることを日本人は好む気がする

個人的に、日本の EC 化率が低いのは、「流通」もあると思います。

ネットで買わなくても、自分の生活圏の中に商品があるという理由です。

そして、もうひとつ感じることは、「商品を見極めることに楽しみというか、こだわりを持つのが日本人の傾向」なのかなと。

極端な例ですが、私はスポーツが趣味です。

最近は忙しくてどちらも参加できていませんが、野球やフットサルをやったりします。

その時の用具をネットで買うかと言われたら、私は多分「No」です。

なぜなら、道具はちゃんと見極めたいからです。

バットにせよ、グローブにせよ、スパイクにせよ。

ちゃんと自分のフィーリングに合わせたい。

そのためには、ちゃんと店舗で手に取ることで判断したいです。

もちろん、私はプロじゃありませんから、そんなことは必要ないかもしれません。

でも、好きなことにはこだわりたいですよね。

別の例をあげるなら、「食品」もそうじゃないでしょうか。

よく、情報番組などで「良い野菜の見分け方」なんて情報があると、主婦の方などは注目しますよね。

同じ「きゅうり」でも、店舗の中にあるものから良い物を選びたい。

と、日本人は他の国の人より強く思っているように思います。

でも、ネットではそういったことはできないですよね。

私は、そこが日本の EC 化率の低さの原因だと思います。

もちろん、すべてがそういう訳じゃなく、

ネットでしか買えないもの」たとえば、遠方のお取り寄せグルメだとか。

そういったものはネットで売れていると思います。

簡単に遠方まで行けないですからね。

また、「ネットだろうが店舗だろうがそう変わらないもの

これは家電製品などが該当すると思います。

こういったものもネットで売れています。

ただ、この場合は「店舗より安い」というメリットが前提になりますが・・・。

それから、先ほど飽和状態ではないか?といった、健康食品とか、化粧品など。

これらも店舗で購入しても、ネットで購入しても同じです。

とはいえ、健康食品も、化粧品も今や「初回お試し価格!」という形で大幅に金額をおさえなくては売れない状況です。

これも「商品を見極めたい」と考える日本人の傾向だと思います。

まあ、日本だけでなくどんな国でも消費者は「よくわからないもの」にお金を支払ったりしないとは思いますが。

日本はこの傾向が強いんじゃないかなと思います。

また、そのこだわり方も強いのではないでしょうか。

日本人は、ネット決済に抵抗があるのではなく、

それなりの理由がないと、ネット決済しない」のだと思います。

だから、ゲームの決済額は大きいんです。

だって、最近のゲームはネットの世界でしか手にはらないですからね・・・。

それなりの理由があるわけです。

今後、日本の Eコマースはどうなるのか?

このインタビューにあるように確かに「キュレーションアプリ」が今伸びているように、Eコマースもそういった傾向になるのかなとは思います。

ただ、そのアプリは「日本化」するんじゃないかなと。

「ガラパゴスアプリ」と表現したほうが良いのでしょうか。

日本の消費者行動にあわせた、繊細なサービスじゃないと受けないような気がします。

もしくは、そうしたサービス展開が無理なら、そもそも「アプリ」が誕生することはあっても長続きしないんじゃないかなと思います。

もちろん、今後日本の消費者行動が変わってくれば、状況も変わると思いますが、もしアメリカや、中国のようになってしまうのであれば、

それは日本文化の衰退なんでは?

と思ったりもします。

そうなったときは、日本の消費力自体もガタ落ちしてるんじゃないのかなーと・・・。

通販も徐々に市場規模が、日本だけでなく世界規模での話が今後増えてくると思います。

もちろん、グローバルスタンダードという観点も必要だとは思いますが、それと同時に「ジャパニーズスタンダード」とはなにか。

ということを「グローバル化」する時代だからこそ、逆に真剣に考えないといけない局面が来ているような気もします。

グローバルにこだわることと、ローカルにこだわることは、全然違うことのように思えますが、

このバランスをとれない企業は会社としての基板が揺らいでしまうんじゃないだろうか。

という気がしています。

何かと難しい時代だなとは思いますが、日本の Eコマース業界は成長期から、変遷期へと移行しているんじゃないだろうか。

ということは、最近強く感じているところです。

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