京都サンガ戦までに抑えておきたい?V・ファーレン長崎戦の課題と希望

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長崎戦で見えた課題と希望

さて。3月2日、アビスパ福岡ホーム開幕戦。相手は長崎。

つまり九州ダービーということで、サポーターとしては是が非でも勝って欲しい試合でしたが、結果はスコアレスドロー。

第2節を終え、徐々にアビスパ福岡の戦い方も明確になってきたところもあるのでここで一旦整理した記事を書きたいなと思っていましたが…。

しかし、ちょっと時間が過ぎてしまいました。もう第3節京都サンガ戦です。

京都サンガ戦で注目したい点も含めて書いてみようと思います。

とはいえ、V・ファーレン長崎戦なわけです。

この試合のポイントは2点。

・前回より整った守備
・決めきれない攻撃

と、一言で言ってしまえば、まあそうなのかなと。
ただ、それでは寂しいので前節と何が違うのかは気になるところなので、そこを詳しく見ていきたいと思います。

守備はなぜ安定したのか。

守備面での前回からの大きな違いを上げるとしたら、右サイドに實藤を配置したことでしょうか。

右に配置された實藤を見て考えられるタスクは2つ。

・3バック気味になる守備の際の右CBとしての動き。
・ビルドアップ時のサイドバックとしての動き。

です。

おそらく、石原ではなく實藤を配置した理由は長崎戦においては、CBとしての振る舞いが必要だったからかなと見ています。

実際アビスパ福岡は守備陣形においては、3バック気味の形をとっていました。ボールを奪った瞬間は上記のような配置になっています。
ここからビルドアップへ展開していく形になります。

アビスパ福岡のビルドアップ

ビルドアップにおいては、3バックの状況から、三國、實藤がワイドに開きます。この時三國のタスクは高めに張っている輪湖との距離を詰めること。

上の写真でも三國が外へ向かって動き出しているのがわかると思います。ここはビルドアップしながら輪湖にボールを入れて攻撃の起点を作りたいため距離を詰めていると思われます。

この時、實藤はまだ上がりません。CBとしての役割を維持したまま状況を見ています。ビルドアップで自陣で奪われた場合など、篠原、實藤という2枚での守備も想定されている気がします。

實藤が上がるタイミングですが、ボールを奪った場所にもよりますが、實藤は最終ラインでは3バックのような動きを維持しつつ、ボランチが下がってくるタイミングで、サイドバックの動きを開始します。
上の図では最終ラインでパスを回し始めたタイミングでウォンが實藤のポジションへ走り込んできています。手で實藤に「上がれ」という感じのジェスチャーを見せながら走り込んで来ています。
實藤はボランチのフォローが整うまではCBとして振る舞い、状況が整ったと判断すると、前線へ上がっていきます。
試合冒頭からこの連携はバランスに気を使いながらおこなわれていたように思います。

とはいえ、これが守備を安定させたかというと、そうではなさそうです。守備のへ気遣いは感じられたものの、これが守備を安定させた要因ではなさそうです。

そもそもペッキアさんは琉球戦から守備の考え方を変えたのかというと、そのようには見えませんでした。
井原政権下のようなリトリートは使わず、琉球戦と同じように前から「ハメる」形を続行しています。流石にいきなりスタイルを曲げるようなことはしてないです。

変わったのは、松田の守備

では、何が守備を安定しさせたのか。
大きく違ったのは松田の守備のアプローチの仕方が大きく変わっていたことが、守備の安定につながったように思われます。

上記画像は、左サイドで長崎がボールを維持している状況ですが、松田はだいぶ後ろにいます。琉球戦では青い丸のあたりにポジションを取っていることが多く、アビスパの右サイドに大きなスペースを作る要因となっているように見えたのですが、この試合ではだいぶ後ろから守備を開始します。

また、守備のタイミングでボールサイドに人が寄る傾向は代わりませんが、松田は琉球戦と比較すると、大きく反対側から守備にアプローチをかけます。こうすることで相手が守備網を突破しても、松田がプレスをかけたりコースを消すことで簡単に逆サイドへ侵入されるという展開を防げていたのでは?と、思います。

そうした松田の役割が、功を奏した場面も。
前半カウンターから一歩間違えればGKと一対一のシーンを作られそうになったプレーがありました。
ギリギリのところで松田がボールをカットして難を逃れたのですが、攻撃時に常に反対側で守備のことを考えていた松田がいたからこそ。だったのではないでしょうか。

今季のアビスパ福岡のテーマは「局面」をどう打開するか

守備の話をしたので攻撃の話を。と思うのですが、守備だろうが攻撃だろうがアビスパ福岡にとって、大切なテーマが有るとすれば、「局面の打開」が重要なテーマになりそうです。
これまでアビスパ福岡の分析記事では「フォーメーション」を記載していましたが、今季は記載するのを止めました。
時間がないというのがほとんどの理由ではあるのですが、プレシーズンのアビスパ福岡の試合を見ていて感じたのが、ポジションより「局面」における「役割」の方が大事になってくるなと感じたのも一つの理由です。

攻撃の話をしようとしているのに、守備の話をしてしまいますが。良い攻撃をするための守備とペッキアさんも言っていた気がするし…。

アビスパ福岡の「局面」を考える上での基本的な考え方はサイドでのポジショニングだと思っています。

局面ってなに?というのを先に定義しますと、様々なシチュエーションを指して言っております。
例えばゴール前にクロスが上がるシチュエーションだったり、自陣でボールを奪ってクリアするシチュエーションだったり。
そんなイメージになります。
そうしたサッカーで起こり得る様々なシチュエーションの中でアビスパ福岡が最も今季重要視しているのが以下のような形かなと考えています。

上の画像ですが、守備の場面です。
それもボールを奪われた直後なのですが、守備でまず大事なのはアビスパ福岡がボールを奪われてからの即時奪回です。この辺は近年のヨーロッパスタイルな感じです。ペップ・コードってやつですかね。
即時奪回できればショートカウンターです。
つまり、良い守備ができれば、良い攻撃につながるということです。
アビスパ福岡の攻撃はここでボール取れるか取れないかによって、攻撃の質も連動してくるように思います。現状は、ショートカウンターで決定的なシーンを迎えることはまだ少ないようですが…。

仮にビルドアップからの攻撃の場合も状況はちがうものの考え方は同じです。
どのへんが同じかと言うと、攻撃だろうが守備だろうが人の配置が同じになります(誤解含めての表現ではあります)。

その際の基本陣形は、「三角形」です。攻撃から見れば、ボールホルダーに対して2つ以上パスコースを作り、ボールホルダーを頂点とした三角形を作ります。そうすることで、確実にパス交換しながら有利な形を作る。という感じでしょうか。

この形からボールを奪われると、そのままこのポジションが、即時奪回の包囲網になります。
このシーンは攻撃時のものですが、もしボールを奪われても、すぐに相手を囲みにいけます。奪えば、複数のパスコースを維持する陣形に転換します。

これが、守備においても攻撃においてもアビスパ福岡の基本陣形だと見ています。

なぜ、ゴールが決まらないのか

チームを見ている限り、ベースにあるものは伝わってくる気がしています。
あくまで個人的な感じ方ではありますが。
長崎戦でもあと少しでゴールというシーンはありました。「運」の要素もあったかもしれません。一方、城後には申し訳ないですが、フィニッシャーが機能していないとも考えられます。
とはいえ、その他にも気になる箇所があるのでいくつか取り上げてみたいと思います。

石津でもたつく?

もしかしたら、長崎戦をみていて、アビスパ福岡のカウンターが始まった…。けど、なんか石津のところでもたつくんだよね。
と、感じた方もいらっしゃるかもしれません。私も石津でもたつく所あるなと思いました。以前から気になっていることを一つ上げますと。

ピッチ中央のあたりから、輪湖からフリーの石津に縦パスが入ったシーンです。これは石津の癖?ようなものかなと思っているんですが、サイドで縦パスでフリーを受けると、タッチライン側にボールを運ぼうとする傾向のある石津。
このシーンでもサイド寄りのエリアでのプレーです。
そもそも城後の動きを見ていない。という可能性もあるのですが、この縦パスが入ったタイミングで、城後は石津からのパスを引き出そうと裏へ走り始めます。

しかし、城後の方を石津は見ることなく、なぜか外側(タッチライン)へ向かってボールにアプローチします。敵が近くにいてボールを奪われないようにするということならまだわかるのですが、石津はまだDFから距離があります。
まして、サイドに味方はいません。
このとき、ピッチ中央側にカラダを向けてボールを納めていれば、城後の動き出しに合わせてパスを出せたような…。

結局、スペースへ走ってきた田邊にもパスを出せず(出さず?)くるっと一回転して内側を向いているうちに、相手のブロックが再び出来上がってしまいます。せっかく輪湖から良い縦パスを引き出して、DFラインと中盤のスペースに入ったのに、チャンスを何もしないまま潰してしまいます。
もちろん、石津のプレーのすべてがこうではないのですが、ボールへのアプローチの仕方というか、受けるときの体の向きがおかしな方を向いているばっかりに、チャンスを潰したり、ボールロストしてしまう傾向が強い気がしています。ちょっとしたことのように思うんですが、こういった点を改善できると石津は一気に良さが出てくると思うんですけどね…。

まだ戦術が浸透してない?

攻撃が成功しないのは、この可能性も十分にあるのですが、基本アビスパ福岡の攻撃における基本のポジショニングは「三角形」の形を維持して、ボールホルダーに複数パスの選択肢を用意し、相手の守備を崩すことです(だと思ってます)。

上記は一度攻撃を仕掛けようとしたものの、仕切り直しで後方の鈴木にボールを戻した形です。前方にいるのは、奥が輪湖、一つ手前が石津です。この時重要なのは、鈴木が前の二人にパスを出せる状況を作ることなのですが…。

しかし、なぜか石津はDFのやや後ろで止まってしまいます。そこにとどまる意味はちょっとよくわからないのですが…。この時、鈴木はパスコースを失ってしまいます。石津が前に出てくれれば、パスを預けることができたかもしれませんが…。おそらくですが、石津は鈴木がゴール前にクロスを入れると思ってます。

その後、輪湖の前のDFが動いてくれたので、輪湖へのパスコースが空きました。その結果ボールは繋がりましたが、それでも動かない石津。もちろん、輪湖もボールの出しどころがなく、プレーが迷った感じになります。このときもおそらく石津はクロスが上がると思っていたんじゃないでしょうか。

最終的に石津へのスルーパスを狙うようなパスがでますが、石津はそのプレーを想定していないので反応できず。ただ、ボールが転がっていくだけ…。
という風に、サイドでポジショニングを取るというのはある程度徹底されているのですが、石津、輪湖、鈴木という昨年いたメンバーですら意思疎通が出来ず、意図の見えないプレーを試合中何度も見受けられる気がします。
ペッキアさんの戦術が浸透していないのかなと思ってしまう点です。
こういったプレーがまだ多いので、正直攻撃に関しては時間がかかる気がしています。ミコルタに期待している面もありますが、こうした中に仮に一人個人技が高い選手が入ったとしても本当に機能するだろうか…。

後半長崎の攻撃を受けてしまったのはなぜ?

上記のシーンは前半のシーンですが、長崎が前半調子が出なかった理由も顕著に出ているシーンだと思っています。全く同じ画像にはなりますが。

長崎は前半アビスパ福岡の三角形の頂点。いわゆるボールホルダーに対してゆるゆるな守備をしていました。アビスパ福岡が長崎を抑え込めた要因はここにあると思っています。
もちろん、手倉森さんもその点はわかっていたはずです。後半はここを修正してきます。
後半に入ってからはボールホルダーにかなりプレッシャーをかけてきました。
そのプレスに慌てた結果、アビスパ福岡は後半長崎に押し込まれるシーンが出てきます。ただ、長崎のプレスはリスク承知の部分もありました。
ボールホルダーにプレスを回避されてしまうと、その後は簡単にボールを運ばれてしまいます。その結果、アビスパ福岡も攻撃のタイミングは増えました。後半一気にオープンな展開になったのは長崎側の思い切ったプレスが大きかったと思います。

カウンターを受けてしまうのはなぜ?

琉球戦でも不用意なカウンターを受けてしまうシーンがありましたが、守備時に前からハメていこうとするアビスパ福岡としては、ボールロスト後の守備がハマらないと、危険なカウンターを受ける可能性があります。

前から果敢に守備をすることで攻撃に繋がったときのメリットもありますが、守備を抜けられてしまうとリスクがあります。
もちろん、そのリスクは判っているはずなのでそうならないような対策はあると思うのですが、試合中不用意な形でカウンターを受けるシーンがしばし見られるのは、戦術が浸透していないからかもしれません。

その典型的な例の一つかなと思うシーンです。
これは、城後がポジションを下げてボールを受けに来たときのプレーです。

下がった城後がボールに触って實藤に預けて、石津と三角形を構築するタイミングなのですが…。三角形の左に位置する城後。このあと、城後は前線にポジションを戻そうとサーッと走っていってしまいます。その結果、實藤はパスコースを失ってしまいます。

更に城後がポジショニングを無視して走ってしまったせいで、ボールを奪われたあとの「即時奪回」のための守備者まで失います。
もちろん、このあと城後の空けた穴からカウンターを食らうのですが…。
赤い丸の中で城後が構えていてくれたら、カウンターは受けなかったかもしれません。
守備と攻撃が連動すればするほど、攻撃での連携ミスは場合によってはそのまま守備のトラブルへ繋がると見ています。
確かに城後はFW(ワントップ)ではありますが、ポジションを下げた以上、下がったシチュエーションにおける役割を果たす必要があります。
今アビスパ福岡がペッキアさんのもと行っている戦術はそういう戦術であると個人的には見ています。
このシーンの城後のように「そのシチュエーションで必要な役割を放棄した動き」をされてしまうと、バランスが崩壊し、致命的なミスを招く結果になります。

今のアビスパ福岡の戦い方は、局面局面で選手が適切な役割を果たす必要があると思っています。それにポジションは関係ない。
大事なのは果たすべき役割だと思います。
とはいえ、果たしてこのやり方がいつになったらきっちり整理されるのか。2節まで見る限り時間がかかりそうな気はしています。欧州での実績十分なペッキアさんらしい、非常にモダンなサッカーだとは思うんですけどね…。

今後につながるヒントもあったような

問題点ばかりを取り上げましたが、今後につながるヒントもあったと見ています。それはドリブルです。
この試合で唯一1回だと思います。ブロックで8人がかりの守備をしてくる長崎の守備を崩して、フリーの選手を作ることができたシーンが1回だけありました。
それが前半松田が右サイドからドリブルでつっかけたことで生まれたシーンでした。

松田が右サイドから切り込む形で中央へ向かってドリブルでつっかけます。

この時、長崎の守備は松田のドリブルに気を取られ意識が中央に持っていかれます。その後、パスが左サイドに展開されるのですが。

松田が中央につっかけたことによって、長崎のブロックが中央によります。さらに左にボールが流れたことによって意識は左へ。この時石津がふらっと右サイドから上っていきます。

守備の意識は完全にボールサイドに向かいます。その間、石津は中央へ侵入。長崎の守備はだれも石津を捕まえていません。

そしてフリーでクロスに合わせる石津。結局ヒットせず、ゴールにはなりませんでした。
しかし、あれだけ人をかけて守っていた長崎の守備陣が完全に石津を見失ったシーンでした。長崎の守備を完全に剥がせたのはこのシーンだけだったと思います。
そしてこの形を作ったきっかけは松田の中央へのドリブルだったと考えています。ドリブルなく単純なサイドチェンジではおそらくこの形は来なかったと思います。一度ドリブルで中央に寄せて、そこからサイドに展開したことに長崎の守備陣が対応しようとした際にできた「スキ」をついた攻撃だったと思います。

守備の形が整備されている現代のサッカーにおいて、「守備のズレ」を作ろうと思ったら、私はドリブルで相手を抜くしかないと思っています。
単純なパス、クロスではそうそうズレない。
よっぽど実力に差があればまだ違うのかもしれませんが、J2を戦う上でアビスパ福岡が圧倒的に力で上になることは現状皆無と言っていいでしょう。
そういった意味で、松田のドリブルのつっかけは、良いヒントだったんじゃないかなと思っています。相手を抜いたわけじゃないんですが、ドリブルすることで相手の守備バランスを中央に過度に寄せることができた。その上でパスを展開したからこそ、相手の守備がズレて、フリーの選手ができたんじゃないかなと思います。

アビスパ福岡に足らないピースはドリブラー?

アビスパ福岡に足らないものは、もしかしたらドリブラーじゃないかなと思っています。1体1で仕掛けさせたら確実に相手を後退させてくれるようなドリブラーがいれば、アビスパ福岡の「局面」における展開(特に攻撃)において改善が有るんじゃないかなと思っています。
ミコルタのプレースタイルを把握していませんが…。ドリブラーだったりするんでしょうか。相手の守備をずらしてくれるようなドリブラーがいれば、城後や石津、松田に得点が生まれる気もしています。

京都戦のポイントはどれだけ相手の守備を「ズラす」ことができるか

ということで、京都戦のポイントは相手の守備をどれだけ「ズラす」かだと思います。そのためには、ドリブルでの仕掛け。だと思っています。松田だけでなく、ドリブルのプレーは石津にも期待したいところですが…。

あとは、現状の戦術の連携を深めているかが勝利のポイントになってきそうです。高い位置で奪ってショートカウンターというのももちろん期待しています。京都サンガ戦は再び、博多の森陸上競技場。そろそろペッキアさんに初勝利プレゼントできることを期待しています。

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